AW物語 Zプロジェクト

 1970年代から普通乗用車が大型から小型自動車に移り変わってきた。それに伴い駆動方式もFRからFFに移り変わり、トヨタ自動車もその波に乗ってきた。

 しかし当時アイシン・ワーナー株式会社はFRのオートマチックトランスミッションし(以下A/T)か生産していなかった。工場はFR A/Tの生産でとてもFFのA/Tを生産するスペースはなかった。

 トヨタ自動車は駆動機構は自動車の重要機能ユニットと捉えトヨタの内製でFF A/T生産すると決定された。 トヨタ自動車は衣浦工場で生産するとなった。

 第一ラインはトヨタ自動車の衣浦工場で立ち上がり、そして第二ラインをアイシン・ワーナーで生産することなった。アイシン・ワーナーはその為にFF A/T生産工場として第二工場を新築しました。

 当時アイシン・ワーナーにとって強烈な衝撃だった。まず、これからの乗用車がFRからFFに変わっていくとなると、FRしか生産していないアイシン・ワーナーの将来はない。そこでFF A/Tの生産をトヨタ自動車になってしまったら、アイシン・ワーナーの生きていく未来はなくなるので、絶対にアイシン・ワーナーもFF A/Tの生産を成し遂げなければならない。そこで絶対に失敗は許されない、後がないプロジェクトとなった。

この後がない意味でアルファベットの最後の文字Zをとって

Zプロジェクト

と命名された。当時のアイシンワーナーの人たちは、「絶対にトヨタ自動車より良いものを作るぞ。」と皆のベクトルが一緒になって取り組んだそうです。