奥田 碩の講演会 その9

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その9。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

しかし私どもは何が何でも勝ち残って行かなければならないわけでありまして、こういう意味で私どもは当面の目標として21世紀初頭のグローバルの販売で昨年の販売464万台、これから600万台程度に、すなわちグローバルシェアでは10%以上とこういうものを確保していきたい。というふうに思っております。

この目標は海外では約400万台、国内が200万台から250万台を目指すというものでありまして、現在の状況から判断して極めてチャレンジングなものであるとそういうふうに映ると、そういうふうに思います。

多少くどくなりますが海外について若干申し上げますと、米国は何と言っても収益あるいは販売台数の柱でありまして、我々は日本に次ぐマーケットとして育成強化をしていきたいと考えております。

あるいは場合によっては日本よりもさらに大きいトヨタにとってマーケットになる可能性もある。とそういうわけであります。昨年販売では136万台からの数字があったわけですが150万台以上の販売台数を確保して、シェアにつきましても米国の平均年間レベルアップ1500万台と言われておりますが、この10%程度を目指していきたい。というふうに考えております。

しかしこの米国の1500万台の市場というのは今後、紆余曲折ありますが確実に上方に向かって成長していくとこういうことはですね、米国の人口が今後着実に増加していること。という傾向にあるということを考えますと、非常に有望でありまして、ここに対して相当な経営資源を注ぎ込んで行く。ということが大事だとそういうふうに思います。

また欧州につきましてはフランスで2001年の現地生産立ち上がりを軸に昨年の54万台の販売から80万台程度。シェアで5%ぐらいを確保したいと考えております。

ご承知の通り欧州はフォルクスワーゲン、オペル、フォード、ルノー、フィアットどのメーカーも強者揃いで大変競争の激しいところでありまして、その中で量的な拡大あるいは質的な拡大を図っていくためには、商品・コスト・販売力の強化を始めブランドイメージの向上など、今後ヨーロッパで取り組んでいかなくてはならない課題はたくさん抱えております。

しかし私はそういう厳しい所でもまれて勝ち抜ける力を身につけてこそ、世界史上でメジャープレイヤーとして存在していける力がついてくる。とこのように思っております。

幸い欧州で本年、新たに投入いたしましたヤリスが、欧州で最も権威があります欧州カーオブザイヤーを獲得することができたということは、非常に画期的なことでありまして、これは新たに飛躍に向けたステッピングストーンとして一つ一つ着実に、そして場合によっては欧州メーカーとの戦略的な地域提携、ということも視野に入れて取り組んでいきたい。というふうに考えております。