奥田 碩の講演会 その10

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その10。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

アジアの諸国を中心とした発展途上国につきましては、通貨危機あるいは政治問題などいろいろ問題ができておりますが、長期的には先ほど触れましたように成長ポテンシャルは非常に高い市場でありまして、欧米メーカーもここに向かって果敢な攻勢をかけてきているという状況であります。

しかしこの地域は我々の21世紀の成長の源泉でありまして、絶対にこの地域で日本勢が負けるわけにはいかない。こういう市場であります。

しっかりと足元を固めて取り組んでいく必要があります。

幸いアセアン諸国の経済は2年前にタイのバーツから始まりましたが、通貨危機の端を発して深刻な袋から抜け出しまして、急速な回復を見せ始めております。

本年度当は 3%から5%で経済成長している。この2年間の遅れを複数年のうちに必ず取り戻す。こういう市場になると思っております。

さらに中国、インドあるいは中欧、東欧、ロシア、ブラジル、アルゼンチンこういったいわゆるエマージングマーケットの中で非常に大きい人口規模を持った国。しかしその反面自動車保有率は極めて低く、今後モータリゼーションの進展が期待できる国々もございます。

私どもは21世紀の自動車事業の発展をこれらの潜在市場に求めておりまして、ここ数年でこれらの地域でのプレゼンスを確保するために将来に向けた成長の布石は着実に打ってきている。とこういうふうにしております。

しかしご存知のように一方でこれらの国々は、政治あるいは経済で常に不安定な要因を抱えております。いわゆるカントリーリスクの高い地域でありまして、効果的なリスクヘッジの研究などリスクマネジメントの強化を図っていく必要があります。

言ってみればこういった国はこれまで我々が海外で進出した国々に比べて格段に市場参入が難しい、あるは市場で成長するには難しいそういう国でありまして、これから進出するにつれてそれに比例するように困難さ、そういうものが出てくる。こういう市場であるところです。

ところで、こういったアジア地域をはじめとして20世紀に発展の期待される途上国への取り組むにあたっては、これらの国々の多くが実は自動車産業を自国の産業の振興の柱としたいという気持ちを持っておりまして単に固有市場マーケットしとしてみるのではなくて、こうした意向を大切にしながら現地の発展に貢献する産業協力の姿勢をとるということが不可欠なことであります。

場合によっては20年あるいは30年ほどといった長期的な視点で、取り組みをする。こういう必要が出てくる。そういった国です。

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