トヨタ生産方式の直系の銀屋 洋さんの講演会の内容 その3です。
当時USAは日本と貿易摩擦で大変もめていた。
そこでトヨタ自動車はゼネラルモーターと合弁で北米のウエストバージニアに
Toyota Motor Manufacturing, West Virginia, Inc.(以下、TMMWV)の自動車生産工場を作ることになった。
トヨタ自動車の張富士夫(後の社長)が赴任となった。
張富士夫さんも大野耐一さんから直接指導を受けた人であり、
銀屋さんにトヨタ生産方式の導入に支援に来させていた。文化の違いで大変苦労したようでした。
そこで、アメリカ人と日本人の常識の差を認識した。
繰り返し作業のラインで日本人は手待ちが発生すると、多くの真面目な人が
その手待ちの間で、コチョコチョと掃除やら今できることをやるが、
アメリカ人は手待ちが発生しても何もせず、ただぼーっと立っているのみ。
手待ちが発生したとき、日本人のように掃除などできることをするのが良いか、
それともアメリカ人のようにぼーっと立っているのが良いか?
日本人の常識では、手待ちの時でも手を動かすのが常識で手を動かすと思うが、
アメリカ人のように何もせずにぼーっと立っているべきである。
なぜか。
アメリカ人のようにぼーっと立っていると手待ちが発生したと問題が明確にわかる。
しかし、日本人ように手待ちの時にコチョコチョ作業をさせると、本来すべき作業か、
やらなくても良い作業かわからなくなり問題が見えなくなる。
問題がはっきりとあることが分かれば改善に取り掛かるが、問題が見えないと改善をしない。
アメリカ人は決められたことはしっかりやる。何度でも繰り返し同じ作業をきっちりやる。
手待ちが発生するのは、決めたルール=標準作業が悪いのだ。
とのことでした。