現場で使いやすいTPS用語辞書 な行
・能率 (Productivity)
生産工程の生産性を評価するものさしで、下記の式で一般には表せる。
能率=(生産実績(良品)/人員×稼働時間(工数))×(100/基準となる1人時間当たりの出来高)
しかし、この一般式には運用の仕方によっては問題があり、分子の生産実績は
生産数=販売数
でなければならない。販売につながらない製品を生産し能率を上げても、それは見かけの能率を上げることになり、実質的な原価低減に結びつかない。
・真の能率 (True Efficiency)
売れる数量を必要最小限の人数と設備で生産し能率を上げるやり方で、実質的な原価低減に結びつくものをいう。
・見かけの能率 (Apparent Efficiency)
売れ行きに関係なく、現状の人数で生産量を増やして能率を上げるやり方で、単なる計算上の能率アップを見かけの能率という。
・全体の効率と個々の能率 (Total Productivity and Independent Productivity)
トヨタ生産方式は、ジャストインタイムにより企業全体の効率向上を追及している。
それに対し、個々のライン・工程・あるいは各機械設備など、前後工程に関係なく、自工程の能率だけを上げようとして得られる能率の考え方を、個々の能率という。
個々の能率向上だけを追及しすぎると、必要以上にものを造ったり、自工程の都合でダンゴ生産を行ったりしがちである。
・乗継運搬 (Truck Transfar System)
トラックの運搬作業と積み降ろしの荷役作業の役割を分離し、運転者は目的地へ運搬したらそこですでに積み込み(積み降ろし)が終わって待機しているトラックに乗り換える方法。
この方法により、荷役作業と運搬作業を平行して行うことができ、物流のリードタイム短縮・在庫量低減が可能となる。また、少人数の運転手で多数台のトラックを使うことにより、運転手の運搬の生産性を上げることができる。