現場で使いやすいTPS用語辞書 ま行
・水すまし (Fixed Course Pick UP (Mizu-sumashi))
複数の前工程を指定された順に巡回し、決められた数だけ自工程の生産順序に必要な種類の部品を集め、運搬する方法。
セット・定量・順序引取りの組み合わさった運搬。
・ムダ (Muda (Non Value Added))
生産現場において、付加価値を生み出さないで原価だけを高める生産の諸要素。
1.造りすぎのムダ
2.手待ちのムダ
3.運搬のムダ
4.加工そのもののムダ
5.在庫のムダ
6.動作のムダ
7.不良品・手直しのムダ
・造りすぎのムダ (Muda of Over production)
ジャストインタイム生産の鉄則にはずれ、必要な時よりタイミングを早く生産したり、かんばん などに示される必要以上に生産すること及び、そのために発生する在庫をいう。
この造りすぎのムダは、手待ち、動作のムダを隠したり、加工・運搬のムダを発生させるとともに、運搬車、パレットなどの増加という2次的ムダを発生させる為、ムダの中でも一番問題となるムダである。
・手待ちのムダ (Muda of Waiting)
標準作業の作業順序に従って仕事をする過程で、次の手順に進もうとしても進めない状態を手待ちといい、仕事量が少ない場合に生じることが多い。
・運搬のムダ (Muda in Conveyance)
運搬そのものは製品の付加価値を高めないので本質的にはムダであるが、ジャストインタイムな生産をする為に、最小限必要な運搬以外の仮置き・積み替え・小出し・移し替えなどのムダ。
・加工のムダ (Muda in Processing)
工程の進みや加工品の精度などにはなんら寄与しない不必要な加工を行うこと。
・在庫のムダ (Muda of Inventry)
生産・運搬の仕組みによって発生する在庫(素材・工程間・完成品)。
・動作のムダ (Muda of Motion)
生産活動で付加価値を生まない人の動き。
・不良品・手直しのムダ (Muda of Correction)
廃却しなければならない不良品や、手直しをしなければ製品にならない物を造ってしまうこと。
手直し工程、調整工程を正規工程とすることは、このムダが発生しているという感覚が薄れ、改善が進まない。
・ムラ (Mura (Unevenness))
製品の生産計画が一定でなく、一時的に増減変動すること。
人の面では、ある基準に対し負荷のバラツキをいう。
・ムリ (Overburden)
生産現場において、人の面では心身に過度の負担がかかることをいい、また、機械設備に関しては、それら自身が保有する能力に対して、過度の負荷をかけることをいう。
ムダ・ムラ・ムリを総称して3ムダラリという。
・目で見る管理 (Visual Control)
管理・監督者が生産活動の状態が正常か異常かを目で見て即時に判断できる現場管理の 形態。 目で見る管理の方法として代表的なものに、アンドン・かんばんなどがある。