中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その17

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その17

④ コンピューターシステムの運用について

1) 資本金別による分類

1) 業種別による分類

⑤ コンピューターによる受発注システムのメリットについて

1) 従業員規模別による分類

2) 業種別による分類

⑥ コンピューターによるオンライン受注は何社と取引がありますか

1) 全体のデータ

2) 従業員別の分類

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その16

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その16

3.アンケート結果の分析詳細

アンケートの結果を、資本金の規模、従業員の規模、業種による分類等の分析結果を以下にグラフのみを記載する。

(2)アンケート結果の分析

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その15

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その15

(14)その受注先とは今後も継続して受注が望めそうですか

図4.2.14.1に今後もその受注先と継続して受注が望めそうかどうかを質問した結果を示す。受注に成功した企業の80.6%までが、今後も継続して受注が望めそうだとしている。業種別では、電気機械・部品製造業が8.3%、一般機械・部品製造業が22.2%、輸送用機械・部品製造業が5.6%、家具・木工製品製造業が2.8%、ゴム・樹脂製品製造業が5.6%、鍍金・表面処理業が2.8%、あとその他である。一般機械・部品製造業の割合が高くなっている。図4.2.11.1 受注先業種、製品別割合では割合の多かった、電気機械・部品製造業の割合がここでは低くなっているのが注目される。

(15)今後もインターネットによる受注を増やしますか

 表4.2.15.1 今後インターネットによる受注を増やすかに示すように、回答のあった企業100%が増やすとしている。

(16)受注に成功した要因は何ですか

 表4.2.16.1 受注に成功した要因に示すように、受注に成功した要因の主なものは「自社の技術をアピールして認められた」というものである。そのうち、自社の技術力をアピールして認められた企業の業種別による分析を図4.2.16.1に示す。電気機械・部品製造業が20.0%、一般機械・部品製造業が28.0%、輸送用機械・部品製造業が0%、家具・木工製品製造業が4.0%、ゴム・樹脂製品製造業が8.0%、鍍金・表面処理業が4.0%、その他が36.0%である。電気機械・部品製造業と一般機械・部品製造業の割合が高いが、輸送用機械・部品製造業が0%というのは特徴的である。この業種の企業は多くの場合、親会社の系列傘下にあり、技術力アピールにより取引先開拓をあまりおこなう必要性がないのではないかと考えられる。

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その14

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その14

(12)受注に成功した納入先は従来取引がありましたか

受注に成功した取引先のうち、新規の取引先は76.3%であり、そのうち1社がそうであったものは44.7%、2社がそうであったものは13.2%、3社以上がそうであったものは18.4%である。一方、従来からの取引先であるものは23.7%であり、そのうち、1社がそうであったものは10.5%、2社がそうであったものは2.6%、3社以上がそうであったものは、10.6%である。インターネットによる受注活動は新規の取引先の方がはるかに多い結果である。従来の取引先はインターネットによらなくても従来の方法で発注しているものと考えられる。

図4.2.12.2にe-ビジネスの形態による新規の取引先と従来の取引先の差を示す。受注獲得を成功した一般企業では新規の取引先が7.9%、従来の取引先が10.5%であり、従来の取引先がやや多い。M/P参加企業は新規の取引先が68.4%、従来の取引先が13.2%と圧倒的にM/P参加企業が新規の取引先から受注に成功した割合が多くなっている。

(13)インターネットによる受注金額はどれくらいですか

受注金額の質問の結果は、図4.2.13.1に示す。1千万円以下が70.0%、1千万円から3千万円までが、13.3%、3千万円から5千万円までが6.7%、5千万円から1億円までが10%となっている。インターネットによる取引き金額はまだ少ないといえる。

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その13

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その13

(10)インターネットによって受注に成功したのは何社ありますか

 この質問に対し、M/P参加企業では回答企業65社のうち、受注に成功した企業29社、45%である。このうち、図 4.2.10.1に示すように、1社からの受注が15社で回答企業の23%、2社が5社7.7%、3社が2社3.1%、4社以上と答えた企業は7社11%であった。受注に成功した企業の半数が1社から受注の実績がやっと出来た段階である。しかし、既に4社以上から受注した企業は7社あり、ネット受注に積極的に取り組んでいる企業もあることは見逃せないことである。一方、図では入れていないが、一般企業では1社から受注と2社からが夫々1社、4社以上が2社あった。

        図 4.2.10.1 インターネットによって受注に成功した企業

 (M/P参加企業)

 これを業種別に見ると図 4.2.10.2に示すように一般機械・部品製造業が10社34.5%でもっと多く、電気機械、輸送用機械部品製造業は各3社、2社にすぎない。これらの企業は大手企業の下請で従来方式の受注が多いためとおもわれる。

 図 4.2.10.2 業種別受注企業数

(11)受注先の業種、製品は何ですか

インターネットによる受注に成功した受注先の業種、製品を質問した結果を、図4.2.11.1 受注先業種、製品別割合に示す。電気機械・部品製造業の割合がが34.4%ともっとも高く、一般機械・部品製造業が12.5%、輸送用機械・部品製造業が9.4%、ゴム・樹脂製品製造業が9.4%、その他が34.3%となっている。

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その12

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その12

(8)インターネットによる受注又は受注活動をしていますか

 この質問に対し,一般企業では回答企業27社中受注していると答えた企業は4社16%、受注活動中は2社にすぎない。今後受注活動したいとした企業が40%であった。尚、インターネットによる受注をするつもりはないと答えた企業が、11社30%あった。

 一方、M/P参加企業では受注している企業は45%で半数に満たない。受注活動中が38.7%、今後受注活動を行いたいが19.4%あったが、これはM/Pに登録しているが受注実績がないので、更に積極的に受注活動を行う意味と考えられる。

(9)インターネットによる受注活動をどのように行っていますか

 この質問に対し、一般企業ではインターネット購買を行っている企業のHPにアクセスしたと答えた企業が4社、自社のホームページへの他企業からのアクセスが1社、電子商取引サイトに登録している企業が1社、その他が5社であった。

 一方、M/P参加企業では、電子商取引サイトに登録している一方で、図 4.2.9.1に示すように、インターネット購買を行っている企業のHPにアクセスをしたと答えた企業が23%、自社のHPによる一般への受注活動を行っているとした企業が49%あり、M/Pに登録しながら、さらに、積極的にインターネットを使って受注活動をしている姿が伺える。

さらに、電子商取引サイトに登録している企業を業種別に見ると、図 4.2.9.2に示す通り、電気機械、一般機械、輸送用機械部品製造業を中心に幅広い業種にわたっている。

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その11

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その11

(7)コンピューターによる発注を行っていますか

 この質問に対し、図4.2.7.1に示す様に一般企業、M/P参加企業とも22%で同レベルである。それはどんなシステムですかと尋ねたところ、図4.2.7.2に示す様に一般企業ではVAN等のシステムとNETシステムは半々の割合であるが、M/P参加企業では79%がNETと答えている。M/P参加企業の多くがにインターネットを活用している姿が伺える。

 次に発注しているものは何ですかと尋ねたところ、図4.2.7.3に示す様に事務用品、加工品・中間品、原材料の順であった。

 又、それは発注金額の何パーセントかと尋ねたところ、図4.2.7.4に示す様に10%以下が70.6%であった。まだまだ低い比率である。

 次にそれはどの様にして発注したかを尋ねたところ、図4.2.7.5に示す様に企業のホームページにアクセスしたと答えた企業が60%で最も多く、次が電子商取引サイトに登録している企業からと答えた企業が26.7%であった。

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その10

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その10

(5)コンピューター受発注システムのメリットについて

   コンピューター受発注システムのメリットについてと聞いたところ、大いにあると答えた企業は一般企業の71.4%、M/P参加企業で65.2%であった。

一方、あまりない、全くないと答えた企業は一般企業の28.6%、M/P参加企業で34.8%であった。これらの理由をきいたところ、

  • 大いにメリットありでは

1)情報の迅速化、

2)作業の効率アップ、

      伝票発行等の定型業務から開放された、入力データの2次加工が楽になった、

     注文書・納品書等が従来起きていた郵送等による種々のトラブルから開放された、受注先まで図面やCADデータを取りに行かなくても良くなった、打合せに出向く時間が減った等の意見が書かれていた。

      又、受注件数が膨大で、コンピューターシステムは絶対必要と答えた企業もあった。

  • あまりない、全くないでは

 受注先のシステムで使い勝手が悪い、受注先ではメリットがあっても下請側にはあまりないといった意見が書かれており、発注側がそれぞれ専用のシステムを下請におしつけているための不満の声が書かれていた。

(6)コンピューターによるオンライン受注は何社と取引がありますか

この質問に対し、図4.2.6.1に示すように、一般企業では70%、このうち33%が1社、37%が2社以上と答えている。一方、M/P参加企業では57%、この内34%が1社、23%が2社以上と取引していると答えている。まだM/Pでの受注実績は少ないことを示している。これを業種別でみると、図4.2.6.2に示すように、その他の業種を除くと、輸送用機械・部品製造業、電気機械、一般機械が多い。この内、一般企業で輸送用機械が多いのは、この地方の特徴である自動車産業の下請企業が多いためと考えられる。