中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その22

中部地区中小製造業におけるB2Bネット取引の現状と課題 その22

第5章 代表事例の実態調査

1.事例 1

(1)企業の概要

有限会社〇〇〇屋  愛知県幡豆郡

代表者 〇〇 〇〇

資本金 10,000千円   創業  昭和23年

役員 3人、従業員数 7人(いずれもパート)

   売上高 100,000千円(平成12年度)

主要製品 海産物加工品

 当社は昭和23年に前代の社長が創業し、現社長は65歳である。また35歳の子息が会社の営業担当をしている。

 創業時は独自で顧客を開拓してきた。現在の当社の納入先はスーパーマーケットおよび個人商店である。全顧客数は30社ほどである。新規顧客開拓活動として、個人商店に対しては地元知人による紹介が多い。またスーパーマーケットに対しては特定のスーパーマーケットと現在販売契約しておりそのスーパーマーケットの出店数の増加に頼ってきている。その為、特に拡販活動はしてきていない。

工場は社長の住居と隣り合わせに位置しており常に工場の稼動状況が把握できるようになっている。工場内はきちんと整理されており、設備は自動機が2台と手動機が20台ほどある。設備の稼動状況は低いが、人の稼動率は高い。創業時より現在の場所で手作りによる海産物加工品で贈答品等を主体とし地元密着型で操業している。取り扱い品目は贈答品が多くあり特に衛生面および品質管理には気をつけており梱包前に全数検査を実施している。

(2)インターネット取引の現状

 ネット取引としては2種類を実施している。一つは固定顧客からのオンライン受注で、もう一つはインターネットを使った企業・商品紹介である。

 まず、始めたのはオンライン受注である。これは顧客であるスーパーマーケットがオンライン発注を始めた為、対応できるよう顧客の支援を受けて、オンライン受注できるシステムを構築した。現在では2社のスーパーマーケットよりそれぞれ独自のシステムでオンライン発注を受けている。当初顧客がオンライン発注システムを採用した時、当社内では対応ができなく取引停止の危機となったが、社長の子息がコンピューターについて少し知識を持っていたのでこの子息が主体で対応し取引を継続することができた。それ以降、受注の管理は子息が毎日確認し、工場の生産計画に反映している。

次に始めたのはインターネットを使った企業・商品紹介である。地元の町が主体で管理しているホームページに協力し当社の商品を載せ不特定多数の一般消費者にアピールしている。これにより実際に一般消費者より受注をうけた実績があるが件数は少なく効果があるという認識はない。また受注方法は、FAXまたは電話によるものでメールやインターネットを通しての受注ではなく、インターネットの特徴を生かしているとは言えない。また新規のスーパーマーケットからの引合は今のところない。

(3)インターネット取引のメリットと問題点について

①インターネット取引のメリット

1)オンライン受注

 オンライン受注では、わざわざ時間を割いて顧客であるスーパーマーケットへ出向かなくても、サプライヤー側の都合の良い時間に受注数を確認することができる。また受注データをダウンロードすれば当社の販売管理、更には財務管理にもそのデータを活用することができる。

2)インターネット活用

インターネットの活用については、従来は折込み広告で配布地域が限定されていたが、インターネットにより広告地域の制限がなくなった。

②インターネット取引の問題点

1)オンライン受注

販売現場を見ずに受注する為、実際に販売現場での一般消費者の生の意見・ニーズを把握しにくい。顔の見えない相手であり、相手の信用調査が重要である。又、相手の立場で考えれば、こちらの信頼度や技術力をどうしたら的確に伝えることができるかである。

2)インターネット活用

インターネットの活用については、従来は折込み広告で配布地域が限定されていたが、インターネットにより広告地域の制限がなくなった。

②インターネット取引の問題点

1)オンライン受注

販売現場を見ずに受注する為、実際に販売現場での一般消費者の生の意見・ニーズを把握しにくい。顔の見えない相手であり、相手の信用調査が重要である。又、相手の立場で考えれば、こちらの信頼度や技術力をどうしたら的確に伝えることができるかである。

2)インターネット活用

味や風味を伝えることのできないインターネット上の情報で当社の商品をどうしたら理解してもらえるか、更に当社や当社の商品を知らない人がどうやって当社までにスムーズにたどり付けるかが問題である。

大手スーパーマーケットからの引合の為には当社の信用度をいかにアピールできるか問題である。

(4)今後の展開について

まずは多くの地元中心のホームページに当社の商品をリンクし地域密着型でPR活動する。そして顧客ニーズをメールなどを使って吸上げ新商品を開発していく。基本的に地元地域密着型であり口コミでの拡販を狙う。

次に、地元での状況をみて運送企業と提携しインターネットを使った全国への通信販売へ展開していきたい。