トヨタ生産方式の「造りすぎのすぎのムダ」の活動事例を今回書きます。
トヨタの自主研で自社が会場となったことの事例です。
トヨタ生産方式では「売れる分だけ作る。」という考えが基本にあります。
しかし実際の生産現場では造り側の事情により売れる分以上に作ってしまうことがあります。
その例がコイル材を使ったプレス工程です。
コイル材は結束バンドで締めて巻いているコイルが伸びないようにしております。
板厚が10ミリもあるコイル材ですと結束バンドをほどくとスプリングバックの威力でコイルが飛び跳ねてしまいとても危険です。工場が破壊され、人命にもとても危険なものです。
したがって、検束バンドを一度ほどいたらそのコイルは最後までいっぺんで使い切るのがプレス工程の常識です。
しかしそれでは売れる分以上の生産をしてしまうので、売れる分以上の生産した分は在庫として保管しておきます。
するとその在庫管理が大変である。品番別の置き場所、先入れ先し、在庫数、錆防止、、、、など。
それでも何としてでも売れる分だけ生産することにこだわり、コイル材でのプレスを途中で止めコイル材を保管する装置を3,000万円かけて作りました。
その3,000万円のコイルを途中で止め保管する装置を自主研の時に生調室の方に見てもらったらとても喜んでいただいたとのことで。「よくやってくれた。」と涙目になったとのことです。
3,0000万円をかけるまでの費用対効果があったがどうか疑問があるが、売れる分だけ作る思想にこだわったのはすごいと思う。