自分で納得したベストな価格か

調達の役割の中で重要な業務である購入価格を決める役割がある。

購入価格を決めると簡単なようでとても難しいことである。

購入価格を決めるにはサプライヤーと合意が必要である。買い手が一方的に価格を決めれない。

必ず折衝・ネゴが発生する。

それでも一番簡単なのが相見積もりを取って最安値のサプライヤーに出すのが手っ取り早いが、そう簡単でもない。

まず、全サプライヤーの見積りが全て高い場合がある。その場合の判断と、その場合どうすべきか決まっていない。

また、サプライヤー毎に見積りに条件を付けてくる場合が多い。その条件は場合によってはそのサプライヤーのノウハウでもあるから簡単に相見積もり先に開示できない場合がある。

そこで、前回まで類似品を購入したいたなら、仕様差で購入価格を決める。といっても、前回購入と今では時期が異なるや、ロットが異なるや、仕様差を価格的にどう評価すれば良いかなど一概に決めれない。

結局答えはないので、相見積もりや自分なりの仕様差評価で自分として納得した価格を目標にしてサプライヤーと価格交渉をする。

自分として納得する目安としては「自分が自分の財布からお金を出して買うつもりで価格交渉をせよ。」

と昔先輩から言われたことがある。一理あるが、何千万もする機械を誰が自分で買うか!買わない。

自分として納得するにはベストを尽くしたか。

・相見積もりをしたか

 ・仕様差の評価をしたか

 ・サプライヤーとどこまで交渉したか

・ロットの評価をしたか

 ・梱包や物流を評価をしたか

など、後で振り返って自分はベストを尽くしたと思えるならその価格が正しい。

ベストでないと思うならその価格はもっと下げれてたと思われる。

購入品は1個数円の物から何千万の物がありそれぞれ担当者が付く。

その担当者はたとえ数円の物だろうが自分が担当したならベストを尽くすべきである。ベストを尽くす習慣を身に付けるべきである。

働かないおじさんが増えている

昨今のニュースで「働かないおじさんが増えている」という話がある。

50歳超えておじさんもおじいさんになるにつけて管理職となり、さらに役職定年で管理職からも外れてただのおじさんになったが働かない。

私の若いころ、50歳ぐらいの偉い人がやる気のない発言をしていて、「何でそんなやる気のない発言をするのか。」と不思議に思っていた。

しかし、私もその世代になりその気持ちが分かった。

50才を超えると、子供も一人立ちし、ある程度たくわえがあれば生活費の心配はいらない。バリバリ稼ぐ必要もない。

そこで役職定年となれば、給与も上がらない。役職も上がらない。働くモチベーションが無くなる。

また、これからの業務は今の若い世代の人が背負っていくことになるのに、近い将来去っていく50歳代の人が提案し新たなことを導入して去っていくのは無責任である。

それは、今後会社を背負っていく若い世代の人が新しいことを自ら取り組んで取り入れるべきである。と思うとあたらいいことにもチャレンジできない。

だからやる気がなくなり、ほどほどの働きになる。

しかし、今の50歳台の人は若いころは芋の若い人よりバリバリ働いていたと思う。そういう人たちが働くなて行くとなると、今の若い人は昔の人より働かない人が多いので、その今若い人が50歳代になるともっと働かなくなる。

もっと「働かないおじさんが増える」ことになる。

さらに日本の将来が不安である。今の若い人たちがバリバリ働かないと、今の若い人が年を取ったときに日本経済は崩壊してしまいそうである。

コスト低減の活動が不正を抑制する

昨今、横領などの不正のニュースが多々あるが、コスト低減・利益追求の活動が不正を抑制する。

常にコスト低減・利益追求を追及していれば、高い仕入先から購入しない。もっと安い仕入先があるのにそこから買わずに高い仕入先から買うので、会社に損失を与えてしまう。

最も安い仕入先ならば、その仕入先が知人でも親族関係でも問題ない。高い知人または親族関係の仕入先だから問題となる。

コスト低減・利益追求をぎゅうぎゅう追及していれば高い仕入先から購入する余裕は無いはずである。追及が甘い。活動が甘い。

ある企業の例であるが、新人の調達部長が親族関係のA仕入先に高い価格で仕事を出すために、商社経由で2次仕入先指定でA仕入先に発注していた。そのA仕入先の発注についてはその部長の単独権限で発注していた。しかし他より高い値段で発注していたので問題となった。他より安い最安値で発注していればたとえ親族だろうが問題とならないのに。

そしてA社からキックバックをもらっていた。A社も高い価格で売れていたので利益に余裕がありキックバックができた。

これは会社の利益に反する活動である。

こういう話はよくある。コスト低減・利益追求をしない部分でこういうことが起こる。

不正を抑制するにはスト低減・利益追求の活動が一番である。