TPS段取り時間短縮の活用

トヨタ生産方式(TPS)の段取り時間短縮の活用を書きます。

段取り改善が進んだら、段取り回数を増加させる

→ロットサイズ縮小

→平準化生産

→在庫低減

→ジャストインタイム

段取り時間短縮は工数低減するのではなく段取り回数を増加し、小ロット化を進めて変化に強いラインにすること

TPSの基本的な進め方8/8

引き続きトヨタ生産(TPS)の基本的な進め方です。

少人化

ジャストインタイムと自働化を効率よく成り立たせる為に少人化という考えがあります。

この少人化とは、生産性を落とすことなく必要数に応じて人を増減できるライン・仕組みとTPSは定義しています。

<少人化ライン>

量変動に対し、人を増減しても効率良く生産できるライン

<少人化のねらい>

・台数変化に応じた人の増減ができる
・更なる改善が効果につながる

➡手持ちのない作業状態の追求

<少人化の前提条件>

①適切な設備・レイアウトの設計(手持ちが寄せれる)

 →離れ小島の解消、要素作業の細分化、人数の規模の確保 等

②多能工の存在

③標準作業組み合わせの定期的改訂

TPSの基本的な進め方6/8

引き続きトヨタ生産(TPS)の基本的な進め方です。

自働化

ジャスト・イン・タイムと並び重要な考え方に自働化があります。

良品100%造ることを大前提に、機械故障の異常や品質の異常など何らかの異常が生じたら、異常を自ら検知し、設備故障やラインが止まり、異常を表示し再発防止をはかるという一連の考え方をいう。

この自働化にも次の基本原則があります。

~基本原則~

目的:より良いものをより安く

自働化の目的は より良いものをより安く 造ることにあります。

・品質は工程で作り込む
・省人化

基本原則1:品質は工程で作り込む

<設備の自働化と自動化の違い>

基本原則2:人の仕事と機械の仕事の分離

本来、機械が正常に動いている場合には、人は機械のそばについている必要はありません。異常が発生し機械が停止した時やワークの脱着の時だけそこに行けばよいはずです。

我々は人がすべき仕事と機械でやれる仕事をはっきり区別し、作業者にムダのない作業を行わせる必要があります。

<自働化による監視人の解放>

①1マン1マシンでの監視人の解放

1サイクル完了で機械を止めることにすると、機械が仕事をしている間に人は他の工程で仕事ができる。

②自動ラインでの異常監視人の解放

ポカヨケ・・・品質不良の発生や機械故障の故障発生を防止するための異常の発生を防止したり、異常が発生したらラインを止めるための安価で信頼性の高い道具や工夫

AB制御・・・工程間の標準手持ちが正常に一定に保持されるように各工程の稼働条件を2カ所(A点・B点)で、ワークの有無により制御する仕組み

アンドン・・・関係者にアクションを促すための情報の窓で、現時点の異常場所や作業状況を一目で判断できるようにした電光表示盤

TPSの基本的な進め方5/8

引き続きトヨタ生産(TPS)の基本的な進め方です。

平準化

ジャストインタイムに物を造り運ぶ為には、平準化生産が前提条件となります。

平準化とは、生産する物(売れに結びつけた物)の種類と量(と工数)を平均化することをいう。

(1)種類の平均化

そのラインで流れる製品の種類が、どの時間帯をとっても平均化していることを指します。

(2)生産量の平均化

日々(又は時々刻々)の生産量が平均化していることを指します。

<平準化されていないと>

もし平準化されていないと、忙しい時と暇な時ができ、人・物・設備ともに最大の能力を備えなければならず、大きなムダが発生するもととなります。

人・物・設備を最大値で配置 ⇒ ムダ

この場合も平準化されていなければ、前工程に余分な在庫を持つことになり、また前工程の生産負荷の偏りができる原因にもなり、大きなムダが発生します。

①前工程に余分な在庫ができる

②在庫無しで生産すると・・・前工程の負荷の偏りができる

TPSの基本的な進め方4/8

引き続きトヨタ生産方式(TPS)の基本的な進め方です。

基本原則3:後工程引き取り

後工程引き取りとは、後工程が必要なものを、必要な時に、必要な量だけ前工程から取ってくることです。そして前工程は完成品を工程の後ろに置き、後工程が引き取った分だけ生産する。(後補充生産)ことで、ジャストインタイムを実現します。

(1)かんばん

この後工程引き取りや後補充生産に使用される道具が「かんばん」です。

「かんばん」とは、生産や運搬の指示が表された物で、これがジャストインタイム生産を実現する為の重要な管理の道具です。(詳細は後日)

<かんばん>

「いつ」・「何を」・「どれだけ」運搬、生産すれば良いかを指示

「いつ」・・・かんばんの外れたタイミング

「 何を」・「どれだけ」・・・かんばんに記入

(2)運搬

運搬とは、一般的には物を運ぶ行為を指しますが、TPSでは物だけではなく「情報」も同時に運搬すると考えます。

運搬=物の運搬と情報の運搬

これは前工程がいつ何をどれだけ生産すれば良いかという情報を伝える役割を持っているからです。

TPSの基本的な進め方1/8

ジャストインタイム

コストを構成する3つの要素として質・量・タイミングがありますが、タイミングよく、良い品質の物を必要なだけお客様に供給する、つまり
「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産し運搬する」ことをTPSではジャストインタイムと言います。

<ジャストインタイムの基本的考え方>

「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産し運搬する」

ジャストインタイムの基本原則として、後工程が前工程へ物を取りに行くという「後工程引き取り」「必要数でタクトを決める」「工程の流れ化」があり、またその前提条件として「平準化生産」があります。

またジャストインタイムを実現する為の工程間をつなぐ動脈や自律神経としてかんばんや運搬があります。

TPSの概論3/3

引き続きトヨタ生産方式(TPS)の概論です。

一般的な製造会社では、下図の様に、内示情報や需要予測を基に見込み生産を行っています。このような生産方式は、工場内の到る所に在庫を持たねばならず、ムダを隠し、結果として原価を押し上げることにつながっています。

生産のリードタイムが確定受注のリードタイムより長い

➡内示情報で生産計画を発行(見込み生産)

➡生産計画が受注と違う為、売れに対して
造りすぎる
欠品がおきる→計画通り造らない

➡各工程に在庫が発生し、ムダを隠す
(造りすぎのムダ)

生産のリードタイムを短縮しなければ、ムダは顕在化しない

TPSの基本的な考え方

TPSとはあらゆるムダを顕在化させ、そのムダを徹底的に排除することによる原価低減活動です。

管理の基盤造り(ムダの顕在化)

管理の基盤造りとして、TPSでは「目で見る管理」を推進してます。

目で見る管理
・作業指示の明確化
・仕事のやり方の明確化
・異常の明確化

生産の基盤造り(徹底したムダの排除)

一般的な生産方式の問題に対して、TPSでは生産のリードタイム短縮を目的とした「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産し運搬する」というジャストインタイムの思想を生産の基盤造りの柱としています。

またもう一つのはしらとして、自働化という思想があります。

そしてそれらを実現する為の前提条件として、生産の平準化を徹底的に行う必要があります。

生産管理とは

今の職場では生産管理を担当してます。

改めて「生産管理の役割とは」と考えております。

教科書的には生産管理とは

「生産計画と生産統制」とか

「人(作業者)、物(設備、資材)、金(電気やガスや経費)、情報(コミュケーションやシステム)などを有効に使って、所定の品質の製品を所定の期間に、所定数量だけ、期待される原価で、生産するように、需要予測、生産計画、生産実施(製造)、生産統制をおこない、生産活動の最適化をはかることです。」

とか

生産管理は一般にはなじみの薄い言葉かもしれませんが、工場全体を見渡して、必要なときに必要な分だけ製品を生産するための大切な仕事です。無駄を出さないようにしながら納期を守り、必要な製品数をしっかり確保する「生産ラインの指揮官」のような役割と言えます。

とか

生産管理担当は、次の3つが主なものになります。
適正な在庫をコントロールし、お金の回転を速くする、モノの停滞を無くす。
工程負荷を調整し、スループットを高める。
需要変動への対応力を高める。

とか

7つの業務と仕事
1)受注管理
2)発注管理
3)検収管理
4)生産計画管理
5)在庫管理
6)物流管理
7)集出荷管理
仕事は、生産準備

など色々な考えがありますが、yosheeなりに生産管理の役割を考えると

必要な物を必要な時に必要な量だけ提供する

ことだと思います。

ここで必要な物とはオーダーされた物

必要な時とは納期、必要な量とはオーダー数、そして提供先はお客様、社内へ提供する。

これはつまりジャストインタイムの考えである。

必要な時に必要な量だけ提供することができれば、在庫低減となっていき、生産管理の最も管理すべき指標は在庫低減になると、最近思ってます。

どうでしょうか。

トヨタ生産方式:異常管理2

サイクルタイムと可動率について述べてきたがこれこそが

異常管理

である。bestな状態を標準な作業としてそれから外れたものは全て異常である。つまりbestな状態を標準としてルール化する。

Bestな状態を維持するには作業順番、位置、向き、個数などありとあらゆることを標準として決める必要がある。そこから一つでも少しでも外れたら異常である。しかしながらbestな状態を常に維持するのは困難などころか、bestな状態を維持できるのが稀であるので、異常だらけになる。

その異常を見える化し、問題の大きさを顕在化して現状のレベルを可働率などで認識し、対策をしていくのがトヨタ生産方式である。

トヨタ生産方式の2本柱である、ジャストインタイムと自働化はこの異常管理がベースにある。