TPS原単位表

原単位とはある製品の1単位を生産する為に必要な、材料、工数、用役量などの物量について設定されている標準の量である。

原単位は、造り・物流などその使用目的により各種の項目を選択し、その仕掛け単位・運搬単位を合わせて、端数を無くし、積替えのムダを排除し、改善に結びつけに使用する。

1、造りの原単位表の例(1/3)

①品番・・・そのラインに流れている全品番を記入

②収容数・・・品番毎の完成品の収容数を記入

③荷姿・・・完成品通箱がどのようなものか型式等を記入

④必要数・・・品番毎の日当り必要数を記入

⑤タクトタイム・・・定時を必要数で割った値を記入(休憩時間は除く)

⑥ネックマシン・・・ネックマシンの設備機番と秒数を記入

1、造りの原単位表の例(2/3)

⑦正味工数・・・インライン作業者の1サイクル(手作業+歩行)+人数分の合計を記入

⑧正味人工・・・正味工数÷タクトタイムを記入

⑨必要工数・・・正味工数+付帯工数を記入

⑩必要人工・・・必要工数÷タクトタイムを記入

⑪ロットサイズ・・・1回の仕掛け量を記入

⑫段取り回数・・・日当りの段取り回数を記入

⑬段取り時間・・・1回当りの段取り時間を記入

⑭刃具交換工数・・・1個当りの刃具交換時間を記入

⑮マン・マシン比・・・ΣC・T÷ネックマシンのMCTを記入

1、造りの原単位表の例(3/3)

①品番・・・そのラインに流れている全品番を記入

③背番号・・・部品につけた番号を記入

④前工程所番地・・・前工程の所番地を記入

⑤供給ルート・・・決められたルートを記入

⑥供給・直・・・直数を記入

⑦供給回数・・・日当りの供給回数を記入

⑪運搬具・・・エレカ・リフト等を記入

⑫運搬可能箱数・・・1回に運搬できる箱数を記入

⑬箱数(日)・・・その日で運ぶ箱数

⑭作業時間・・・1回当りの積み込み・投入する時間を記入

⑰工数合計・・・作業時間+付帯時間+走行時間 を合計した値を記入

TPSの基本的な進め方7/8

引き続きトヨタ生産(TPS)の基本的な進め方です。

標準作業

標準作業とは、人の動きを中心として、仕事を集めムダのない順序でよい品質のものを安全に且つ、効率良く造る為の仕事のやり方を決めたものです。

これは、現場監督者自らが作成し、自分の意思を表したものでなければなりません。

標準作業の目的

(1)造り方のルールの明確化

物の造り方、管理の根幹をなくすもので、質・量・コスト・安全を考慮して仕事のやり方を決定する。

(2)改善の道具

・標準のないところ(正常、異常の区分のないところ)に改善ははない。

・ムダ ムラ ムリ を見つける。

標準作業の条件

・人の動作を中止としたもの
・繰り返し作業

標準作業の三要素

①タクトタイム
②作業順序
③標準手持ち

★この三要素のうちいずれが欠けても標準作業は成立しません。

①タクトタイム

部品1個又は1台分をどれだけの時間で生産すべきかという時間値

タクトタイム=日当り操業時間(定時)÷日当り生産必要数

②作業順序

作業者が一番効率的に良品の生産ができる作業の順序をいう

③標準手持ち

作業順序に従い作業していく時同じ手順動作で繰り返し作業ができると為に必要な最小限の仕掛け品

標準作業と改善のステップ

標準作業の改善を考える場合、まず現在の作業を表にすることからはじめます。

つまり表準作業です。表準作業にすることにより問題点がみつかり、その問題点を改善して標準作業にします。そして標準作業改善のサイクルを回しつづけるのです。

標準作業がくずれた場合、必ず異常が発生しています。すなわち、改善点がどんどん顕在化してくれるわけです。しかも標準作業は同じ動作の繰り返しですから、改善の手がかりや原因の追求は容易になります。