AW物語 エクォス・リサーチ編

エクォス・リサーチとはAWの先行研究開発部門である。

エクォスはラテン語のEQUOSであり意味は馬です。つまり馬のような自分の思ったように乗ることを目指す研究をすることであります。

その概念図が下図の「柔軟な駆動機構」に表してます。

ただし、 エクォス・リサーチ は馬の走りだけを目指しているのではなく自由な研究開発をしています。

エクォス・リサーチ は最初は7人の研究員でスタートしてます。最初のメンバー7名は社内の尖った人が選ばれたそうです。普通の考えでは画期的な発想は出来ないとのことで。

また研究室もAWの本社ではなく、東京の秋葉原に拠点を置きました。その理由は、安城では日々の業務に引っ張られることがあるので、物理的ない離し、東京の電気の最先端の秋葉原で世界の動きに触れるとのことでした。

トヨタで東京勤務経験者の西さんが言ってました。

「東京はいつも大嵐で大波だ。しかし、名古屋に来ると普通の波になる。さらに安城に来るとさざ波になっている。」

と言ってました。東京はさぞいつも激動なのだと思いました。

さて、 エクォス・リサーチ は最初は7人の研究員 は”7人のサムライ”と言われていました。彼らの開発してきたものがすごい。以下に上げます。

1)ボイスカーナビゲーション(略してVNS)
2)ホイールインモータの電気自動車(略してHSカー)
3)ハイブリッドシステム
4)光触媒式空気清浄機
5)磁気浮上走行システム「EQUOS-LIM-CAR」
6)燃料電池システム

である。1)~4)は実際に商品化されている。5)と6)は商品化されていないが、5)の 「EQUOS-LIM-CAR」 はすごい発想だと思いました。まるで未来の走行の姿のようでした。下にデモの写真を張り付けました。

この 「EQUOS-LIM-CAR」 は4つのタイヤに磁石が組み込まれており、道路面に磁石をはめ、その道路上で4つのタイヤが回転するとリニアカーように浮上し走行し、その磁石の道路から外れると、普通の自動車のように走るコンセプトのシステムである。

AW物語 ハイブリッド編

実はハイブリッドの開発はトヨタよりAWの方が先にしておりました。約今から20年前ぐらいに試作の値決めを私もしておりました。今のトヨタのハイブリッドにはAWの特許がたくさん使われているそうです。

 ハイブリッドの開発の前にAWは電気自動車の開発もしておりました。AW開発のトップはハイブリッドのニーズは少ないと見て電気自動車に力を入れていました。開発トップはハイブリッドの開発担当者に「いい加減ハイブリッド(当時は回生機構)よりも電気自動車に力を入れろ」と指示をしても、その担当者はハイブリッドの開発提案を訴えて続けて聞かなかったそうです。とうとうトップも怒り出すしだいで、中間の上司がその担当者に「トップを怒らせたらだめだ、もっとうまくやれ!」となだめていたそうです。

 そんな状態で、こつこつと開発を進め特許もたくさん取得していったところ、トヨタがプリウスを発売しその時初めて、トップがハイブリッドの必要性を認めたそうです。

 その開発をずっと続けてきたおかげでAWにもハイブリッドの仕事が来るようになりました。

 しかし、あんのんとしてはおれず、ハイブリッドは電気部分が多くデンソーも織機も、またトヨタ北海道、九州などトヨタグループが狙っています。とくにデンソーはAWをナビの件で目の敵にしているようです。

AWも牙城を固めるため50人ぐらいトヨタに開発者を出向させています。それぐらいトヨタをサポートしないと仕事がこないようです。

 ハイブリッドの機構は駆動部と制御部に大きく分かれます。駆動部は10~15万円ぐらいで、そのなかでもモータで半分ぐらいです。ところが制御部がとても高く、たったファイルボックスの大きさで30万円ぐらいです。これを1/4にしようと取り組んでいますが、デンソー、織機包囲網でトヨタに入れないです。技術へ出向も入らせてくれないようです。

AW物語 序章

私のよく知っている超優良企業「アイシン・エィ・ダブリュ株式会社」について超優良となった歴史から背景・理由について物語を書いていきます。

今回は序章として現在のアイシン・エィ・ダブリュ株式会社(以降AW)の概要を記述します。

本社は日本のデンマーク(農業国)と言われる田園の多い安城市にあります。

従業員数は、単独で 18,817名(2018年3月31日現在)

売上高は、単独で 1兆3,843億円(2018年3月期)

と超ビッグな企業でありながら非上場の製造会社です。

取扱品目は、

の製造と販売です。

トヨタグループアイシン精機株式会社の子会社です。

トヨタ自動車からすると、孫会社になります。