TPSかんばんのルール

5、かんばんのルール

・仕掛けかんばんのルール
①外れたかんばん分だけ、外れた順に物を造る
②かんばんと物は必ず一緒に流す
③かんばんのない時は絶対に造らない

・引き取りかんばんのルール
①部品箱の最初の一つに手をかけたら(または決められた量になった時)かんばんを外す
②外れたかんばんで前工程へ取りに行く
③取に行った先のストアーで工程内かんばんと差替える
④かんばんのない時は絶対に運ばない

上記のルールを守らないとどのような障害が生じる
→①かんばんがフレる(量がバラツク)
→②欠品が生じる
→ ③かんばん枚数の増加
→ ④在庫の増加(造りすぎが生ずる)
→ ⑤改善のニーズがなくなる
→ ⑥大ロット生産になる
→ ⑦優先順位が混乱する

ムダ ムラ ムリ の発生

・かんばん運用の注意事項
①かんばん一枚当たりのロットを出来るだけ小さくすること
②かんばん発行枚数は必要以上多くしないこと
③かんばんは出来るだけこまめに出し、こまめに回収すること
④かんばんのついているものは100%良品であること

6、かんばん回転枚数の設定
・仕掛けかんばんの回転枚数

1)かんばんのリードタイムとは、かんばんが外れてから工程に仕掛けられて完成品置場に補充されるまでの時間
2)安全分とは、納入先の引取りのバラツキや生産の異常時の対応に持つ在庫をいう
<例1>工程内かんばん回転枚数の算出
条件・1直生産(外れたかんばんの単位と順序で生産)
  ・日当り必要数 A:400台/日
          B:320台/日
  ・引き取り先  1カ所
  ・引き取り回数 8回/日(昼4回、夜4回)
  ・かんばんのリードタイム 0.7日
  ・安全分は日当り数の2割
回転枚数

TPSの基本的な進め方7/8

引き続きトヨタ生産(TPS)の基本的な進め方です。

標準作業

標準作業とは、人の動きを中心として、仕事を集めムダのない順序でよい品質のものを安全に且つ、効率良く造る為の仕事のやり方を決めたものです。

これは、現場監督者自らが作成し、自分の意思を表したものでなければなりません。

標準作業の目的

(1)造り方のルールの明確化

物の造り方、管理の根幹をなくすもので、質・量・コスト・安全を考慮して仕事のやり方を決定する。

(2)改善の道具

・標準のないところ(正常、異常の区分のないところ)に改善ははない。

・ムダ ムラ ムリ を見つける。

標準作業の条件

・人の動作を中止としたもの
・繰り返し作業

標準作業の三要素

①タクトタイム
②作業順序
③標準手持ち

★この三要素のうちいずれが欠けても標準作業は成立しません。

①タクトタイム

部品1個又は1台分をどれだけの時間で生産すべきかという時間値

タクトタイム=日当り操業時間(定時)÷日当り生産必要数

②作業順序

作業者が一番効率的に良品の生産ができる作業の順序をいう

③標準手持ち

作業順序に従い作業していく時同じ手順動作で繰り返し作業ができると為に必要な最小限の仕掛け品

標準作業と改善のステップ

標準作業の改善を考える場合、まず現在の作業を表にすることからはじめます。

つまり表準作業です。表準作業にすることにより問題点がみつかり、その問題点を改善して標準作業にします。そして標準作業改善のサイクルを回しつづけるのです。

標準作業がくずれた場合、必ず異常が発生しています。すなわち、改善点がどんどん顕在化してくれるわけです。しかも標準作業は同じ動作の繰り返しですから、改善の手がかりや原因の追求は容易になります。