トヨタの補給品の仕組み5

トヨタの補給品の供給の仕組みの続きです。

トヨタの補給品の仕組み3で

「トヨタ A-TOPマスターに設定(サプライヤーからの申請)されているリードタイム通りに納期遵守できたかで判定」

とありましたが、ここの”A-TOPマスターに設定(サプライヤーからの申請)されているリードタイム”とは具体的には

補給の受注を受けたときに品番毎に、サプライヤーが納入できるリードタイムの日数を事前にトヨタのシステムA-TOPに登録しておくことであります。

このリードタイムは20日まで設定できます。20日を超えるばあいは理由を申請する必要があります。

材料があれば、ほとんどは20日以内に納入できるかと思います。

ただし、早くできるのに、あえて20日のリートタイムの設定すると、後に混乱してしまうので、実力に合わせ受注後は早く出荷すべきと思います。

このようにサプライヤーの実用に合わせて納入できるようになってますが、逆にサプライヤーが申請したリードタイムなので、守れなかった場合は言い訳ができない状況です。逃げ場がないです。

このA-TOPマスターからヒストリーデーターを入手できます。

そのデータの内容は以下です。

品番(ハイフン無し):品番(ハイフン有り): 呼び番号: 補助コード(包装まで): 供給状況区分: 営業口座: 格納拠点区分: 商流仕入先CD: 工程区分: マスター適用開始年月日 :マスター適用終了年月日: 手配開始年月日: 手配終了年月日: 号旧切替適用開始年月日 :号旧区分: 商流仕入先工場CD: 商流仕入先出荷場CD: 物流仕入先CD: 物流仕入先工場CD: 物流仕入先出荷場CD: 手配・在非区分適用開始年月日: 手配区分: 在・非区分: 直近2年平均(11年間ヒストリ): かんばん区分: 納入拠点区分: 納入拠点CD: 受入CD 降し場CD: 納入器具CD: 納入単位: 括りタイプ: 括り単位: 担当部署CD: 担当者CD: サイクル: 納入L/T: 発注回数: 便指定対応_便Ⅰ: 便指定対応_便Ⅱ: 便指定対応_便Ⅲ: 高中流動品_上限率: 協定上限枚数: 3日バラシ_有無: 背番号: グループNO.: 発行サイクル: コメント区分: コメント内容 :主管会社CD: データ区分: 受信日時: 登録日時: 登録者ID

次は、「旧型補給備品の生産制度」について書きます。

TPSの基本的な進め方2/8

引き続きトヨタ生産方式(TPS)の基本的な進め方です。

目的:生産のリードタイム短縮

売れる情報に対してリアルタイムに反応し、タイミングよく物を工場に供給する為には、生産のリードタイムをいかに短縮するかが重要な課題です。

<生産のリードタイムとは>

生産のリードタイムとは工場が受注してから、製品の出荷にいたるまでの時間をいう。

生産のリードタイム = A + B + C

A:該当製品の生産指示情報の滞留時間

B:該当製品の材料仕掛けから完成にいたるまでの時間
(加工時間+停滞時間)

C:該当製品の完成の最初の1個ができてから、後工程が引き取る物の完成品が出来上がるまでの時間
(運搬数×製品の生産タクト)

TPSの概論3/3

引き続きトヨタ生産方式(TPS)の概論です。

一般的な製造会社では、下図の様に、内示情報や需要予測を基に見込み生産を行っています。このような生産方式は、工場内の到る所に在庫を持たねばならず、ムダを隠し、結果として原価を押し上げることにつながっています。

生産のリードタイムが確定受注のリードタイムより長い

➡内示情報で生産計画を発行(見込み生産)

➡生産計画が受注と違う為、売れに対して
造りすぎる
欠品がおきる→計画通り造らない

➡各工程に在庫が発生し、ムダを隠す
(造りすぎのムダ)

生産のリードタイムを短縮しなければ、ムダは顕在化しない

TPSの基本的な考え方

TPSとはあらゆるムダを顕在化させ、そのムダを徹底的に排除することによる原価低減活動です。

管理の基盤造り(ムダの顕在化)

管理の基盤造りとして、TPSでは「目で見る管理」を推進してます。

目で見る管理
・作業指示の明確化
・仕事のやり方の明確化
・異常の明確化

生産の基盤造り(徹底したムダの排除)

一般的な生産方式の問題に対して、TPSでは生産のリードタイム短縮を目的とした「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産し運搬する」というジャストインタイムの思想を生産の基盤造りの柱としています。

またもう一つのはしらとして、自働化という思想があります。

そしてそれらを実現する為の前提条件として、生産の平準化を徹底的に行う必要があります。