トヨタ補給一括生産について1

トヨタの旧型補給部品の一括生産について書きます。

まず、補給はパーツともいわれます。補給の中には号口補給と旧型補給があります。

号口補給は、今現在量産中の車で、ユーザーが使用しているときに事故や故障などで修理が必要ななった時に、補給として部品を取り寄せる場合です。その場合、部品のみ取り寄せるのでパーツともいわれます。

逆に量産が終わった場合の車は旧型車になります。その量産が終わった旧型車が事故や故障などで修理が必要となった時に、補給として取り寄せる場合、旧型補給部品と言います。

この旧型補給部品に対して、トヨタはまとめて生産する「一括生産」の仕組みがあるのでその内容を書いていきます。

その狙いは、旧型補給部品を供給するサプライヤーの生産ライン維持の負担を解消し、高品質でかつ効率的な生産を支援することが狙いであります。

制度の趣旨は、旧型補給部品の出荷量および旧型後の経年数がある一定の基準に到達した場合に、トヨタが算出する永久予測数にもとづき、一括生産を実施することができる。

これにより、少量生産設備の撤去、および型の廃棄が可能となる。

しかしながら、永久予測数を超える需要が発生した場合、トヨタ自動車の費用負担によりサプライヤーに再生産をお願いする場合がある。そのため、再生産に対応できるように、図面等の技術情報の管理・保管が必要である。

AW物語 品質至上編

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社(以下AW)はアイシン・ワーナーの時代から経営理念を

品質至上

としている。

お客様にご迷惑をかけない。良い品質(機能)の製品を世の中に提供する理念である。

AWで最初に開発し号口化した機種03-55を号口ラインオフし出荷する際に2,000台を全数検査、この時の全数検査は実車に乗せて一定距離を走り確認することであり、大変な工数がかかるが、

お客様にお渡しする製品は、自信をもって良い物をお渡しする。

考えであり、その後もこの姿勢が引き継がれている。

オートマチックはミッションとトルクコンバーター部が合わさっている。(以下A/T)

その為か、昔はトルコン車と言っていた。機構が複雑で、しょっちゅう故障してたそうで「トルコン車は故障する」が定説でしたが、AW製のA/Tは故障をしなかった。そしてトヨタに納入し続けた。

ある時、スウェーデンのボルボがA/T車の設定をしたいが、欧米のA/Tは故障が多い。しかしトヨタのA/Tは故障しないのでAWのA/Tを日本から地球の反対側のスウェーデンに輸入したい。と申し入れがあった。

また、 北欧スウェーデンで寒い時期に車が故障し動かなくなると死ぬことになる。 ボルボは品質に定評のある車なので、故障するA/Tは使えなかったのであろう。

この話を聞いて、私は

「良いものを作れば見てくれる人がいる。」

と知りました。

またAWは世のために良い品質(機能)のA/Tの開発をしました。それは燃費向上です。

最初のA/Tは2速でした。とても燃費が悪いです。マニュアルミッション(以下M/T)はすでに3速また4速があるのに。そこで3速のA/Tを開発し次は4速また5速・・・今は10速まであります。またロスを低減するため、オーバードライブ機工やロックアップ機構さらにスリップ機構など燃費を向上する良い製品を開発し世に提供してきました。

またAWは1977年にデミング賞実施賞を受賞し、1991年に品質管理賞を受賞している。