かんばんの発行枚数

はじめて工程内かんばんを導入する際に、かんばんを何枚発行すれば良いか、わからないので目安となるかんばんの回転枚数の算出方法を書きます。

かんばんサイクルを A-B-C として

Aは毎日なら1。BはⅠ日の回転回数。Cは遅れ回数。

日当り内示数を出しておく。日当り内示数は、月の内示数÷稼働日で出る。

工程内通箱の収容数も決めておく。

(日当り内示数÷収容数)×(A×(1+C)÷B+α)=回転枚数

小数点は切り上げのこと

αは最小在庫日数。最低在庫を1日分にするなら1、2日分にするなら2とする。

毎月内示が大きく変わる場合は、毎月メンテが必要になる。また、月の半ばで流動数が大きく変わる場合も、流動数が変わる前に、かんばんの回転枚数を変更すべきである。

かんばん調整後は、かんばんは棚の中に整理ししまっておく。

具体的な例で算出してみます。

サイクル 1-2-3  最少在庫日数0.5

日当り内示数500個  収容数100個/箱

500÷100×(1×(1+3)÷2+0.5)

=13枚 となります

かんばんのメンテナンスは原則

1)翌月の内示(最新内示)を元にかんばんメンテをする

2)翌月と当月のかんばんの増減の差でメンテをする
 翌月かんばん枚数ー当月かんばん枚数=差し引き枚数

3)かんばんメンテナンスのタイミングは
・外注加工あり・・・月滅よりリードタイム日数分前
・外注加工なし・・・内示入手後 翌日

です。参考にしてください。

TPSかんばんのルール

5、かんばんのルール

・仕掛けかんばんのルール
①外れたかんばん分だけ、外れた順に物を造る
②かんばんと物は必ず一緒に流す
③かんばんのない時は絶対に造らない

・引き取りかんばんのルール
①部品箱の最初の一つに手をかけたら(または決められた量になった時)かんばんを外す
②外れたかんばんで前工程へ取りに行く
③取に行った先のストアーで工程内かんばんと差替える
④かんばんのない時は絶対に運ばない

上記のルールを守らないとどのような障害が生じる
→①かんばんがフレる(量がバラツク)
→②欠品が生じる
→ ③かんばん枚数の増加
→ ④在庫の増加(造りすぎが生ずる)
→ ⑤改善のニーズがなくなる
→ ⑥大ロット生産になる
→ ⑦優先順位が混乱する

ムダ ムラ ムリ の発生

・かんばん運用の注意事項
①かんばん一枚当たりのロットを出来るだけ小さくすること
②かんばん発行枚数は必要以上多くしないこと
③かんばんは出来るだけこまめに出し、こまめに回収すること
④かんばんのついているものは100%良品であること

6、かんばん回転枚数の設定
・仕掛けかんばんの回転枚数

1)かんばんのリードタイムとは、かんばんが外れてから工程に仕掛けられて完成品置場に補充されるまでの時間
2)安全分とは、納入先の引取りのバラツキや生産の異常時の対応に持つ在庫をいう
<例1>工程内かんばん回転枚数の算出
条件・1直生産(外れたかんばんの単位と順序で生産)
  ・日当り必要数 A:400台/日
          B:320台/日
  ・引き取り先  1カ所
  ・引き取り回数 8回/日(昼4回、夜4回)
  ・かんばんのリードタイム 0.7日
  ・安全分は日当り数の2割
回転枚数