TPSの基本的な進め方5/8

引き続きトヨタ生産(TPS)の基本的な進め方です。

平準化

ジャストインタイムに物を造り運ぶ為には、平準化生産が前提条件となります。

平準化とは、生産する物(売れに結びつけた物)の種類と量(と工数)を平均化することをいう。

(1)種類の平均化

そのラインで流れる製品の種類が、どの時間帯をとっても平均化していることを指します。

(2)生産量の平均化

日々(又は時々刻々)の生産量が平均化していることを指します。

<平準化されていないと>

もし平準化されていないと、忙しい時と暇な時ができ、人・物・設備ともに最大の能力を備えなければならず、大きなムダが発生するもととなります。

人・物・設備を最大値で配置 ⇒ ムダ

この場合も平準化されていなければ、前工程に余分な在庫を持つことになり、また前工程の生産負荷の偏りができる原因にもなり、大きなムダが発生します。

①前工程に余分な在庫ができる

②在庫無しで生産すると・・・前工程の負荷の偏りができる

トヨタ生産方式:7つのムダ

前回に続いてトヨタ生産方式について書きます。

トヨタ生産方式の定義するムダは7つある


1)加工のムダ
2)在庫のムダ
3)造りすぎのムダ
4)手待ちのムダ
5)動作のムダ
6)運搬のムダ
7)不良・手直しのムダ

一つ一つ説明するととても長くなるので、

この中でも特に問題としている「造りすぎのムダ」であり、関係の濃い「在庫のムダ」について今回は書きます。

在庫は資産が多くなるなど資金的な問題が言われるが、それ以上に問題を隠してしまう問題が大きい。

生産上の問題。資材品の発注の問題。そして最も悪いのが売れないのを作ってしまう問題である。

生産上の問題では在庫が多いために色々な問題を隠してします。

あるラインが故障停止した時、直ぐに直さないと前後工程も停まってしまうが、保全の力があれば直ぐに再スタートとなるが、在庫が多いと保全の力が育たない。

在庫が多いと生産のスピードが遅れても、その場でわからず対処がその時にできず後の祭りになってしまい、問題が隠れてしまい解決できない。

在庫が多いと生産現場が安心してしまい作業者および監督者までが緊張感がなくなる。

在庫が多いと在庫の出し入れで工数をかけてしまう。

在庫が多いとスペースを多く使ってしまう。

在庫が多いと在庫の管理の手間がかかる。

など、在庫による問題が隠れてしまうのが最も問題だと思います。

しかし、在庫を削減するには簡単ではないです。カンバンなどの道具と仕組みを作って取り組まないと一端増えた在庫は減らないです。

中小企業の生産性向上及び財務体質改善には最も効果があります。