AW物語 使命編

AWの諸先輩の方々は”使命感”を大変持っていたと思います。

使命

”あるべき姿”と言ったり”役割”とか言ったりしますが、使命感が強いと思います。

そのように感じるのは、オートマチックトランスミッションの専門会社であるアイシン・ワーナーの目指す姿は何ぞやと追及し、そしてその姿に達するように全力を尽くすところは使命感を感じます。

その目指す姿とは

1)自動車のユーザーに優しい燃費の良いオートマチック
2)変速ショックやノイズの少ない乗り心地の良い オートマチック
3)自分の意志で行けるナビと連携した オートマチック

その姿を目指し、オーバードライブL-UPクラッチスリップ制御、多段化など燃費向上の開発や、HSカーの開発やVNSの開発をしてきた。

まさに情熱を超えた使命感を自ら持ち突き進んできたと思います。

それらの開発するには

「一枚の魅力ある基本設計構想図」

をもって一枚の絵でその開発品の素晴らしさを伝えようとしてます。

使命と言うと軍事っぽいですが、他にも軍事的な用語が使われていました。それは「指令書」です。最近はこの言葉は使われていないようですが、古い方は”設計切替依頼書”のことを「指令書」と言ってました。つまり ”設計変更切替依頼書” が発行されたら、使命のように事を成し遂げなければならないと取り組んでいたようです。

AW物語 電子制御化

 初期の オートマチックトランスミッション (以下A/T)は油圧で全ての制御をしていた。しかし、A/Tが2速から3速へ、そして4速へ多段化、更に燃費向上のためのオーバードライブ(以下O/D)機構やロックアップクラッチ(以下L-up)機構を追加していくと、油圧制御だけでは成り立たなくなるのを見込んで、電子制御化を早くから取り組んだ。

 しかし当初トヨタ向けについては電子制御関係は日本電装(以下デンソー)が担当したので、トヨタ向け以外の顧客に対し取り組んだ。その姿勢はA/TはA/Tを制御する機構含めA/Tとして品質保証をする姿勢でした。

 A/Tはエンジンの回転数と連動しているので、エンジンの制御の一部としてA/Tの制御を入れる考えと、エンジンの制御と別にA/Tの制御を独立するタイプがありましたが、アイシン・ワーナー(以下 AW )としては、A/Tを製品保証する姿勢から、A/T制御をオートマチックトランスミッションの一部として顧客に提案し採用となりました。

 しかし、今まで全く電子制御のことをやったことがない AW の人がゼロから電子制御を開発から生産までするのは大変な苦労をしたとのことです。電子部品のメーカーからは「AWは一体何を考えてるのか?」と、まともに相手をしてくれなかったそうです。しかし、努力を積み重ねモノにして、その発展としてナビゲーションシステムを開発・生産することができるようになりました。