トヨタ生産方式:異常管理2

サイクルタイムと可動率について述べてきたがこれこそが

異常管理

である。bestな状態を標準な作業としてそれから外れたものは全て異常である。つまりbestな状態を標準としてルール化する。

Bestな状態を維持するには作業順番、位置、向き、個数などありとあらゆることを標準として決める必要がある。そこから一つでも少しでも外れたら異常である。しかしながらbestな状態を常に維持するのは困難などころか、bestな状態を維持できるのが稀であるので、異常だらけになる。

その異常を見える化し、問題の大きさを顕在化して現状のレベルを可働率などで認識し、対策をしていくのがトヨタ生産方式である。

トヨタ生産方式の2本柱である、ジャストインタイムと自働化はこの異常管理がベースにある。

トヨタ生産方式:稼働率と可動率

稼働率とトヨタ生産方式の可動率(べきどうりつ)

について説明します。稼働率も可動率も生産の効率を表す指標です。

まず稼働率ですが、

「定時の稼働時間に対して、必要生産量を造ったのに費やした時間の割合」のことを指します。需要からくる負荷の割合を表すと言ってもよいでしょう。

例えば、定時でフル操業した時に最大100台を造れる生産ラインがあると仮定します。

この時、もし受注が60台しかなかった場合は、100台造れるのに60台しか造る必要がないので、稼働率は、60台/100台で、60%となります。

一方で、もし受注が120台あったとすると、生産必要量は、定時フル操業の能力の100台を超えていますので、残業や休出操業等の対応をしなければいけません。

従って、稼働率は、120台/100台で、120%になります。

つまり100%を超えることがあります。効率を表す指標ですが、ムダがわからないです。

しかし可動率は、

サイクルタイムより可動時間を算出し、実際に動かした実稼働時間を割った割合である。

可動時間=サイクルタイム×良品数

可動率=可動時間÷実稼働時間

この可動率だと100%を超えることはなく、100%との差がロスになり異常があったと認識し改善するポイントになります。

なお、実稼働時間には、不良を作った時間、故障で止まった時間、スタートアップ時間および作業スピードの遅れが含まれています。

トヨタ生産方式:異常管理

トヨタ生産方式は異常管理

とも言われている。

これは異常な状態を常に顕在化させ、直ちに正常に戻すことであるが、これが奥が深い。
まず、異常な状態を認識するために正常な状態を定義する必要があり、正常な状態から外れたら異常と位置付けられる。

では正常な状態として定義させるために決める項目の例として

1)各工程の在庫(標準手持ち)のMINとMAXを決める

2)各工程のサイクルタイムを決める

3)置き場を決める

4)各メーターのMINとMAXを決める

などがあるますが、今回は1)各工程の在庫のMINとMAXを決める を説明します。


製品出荷場と仕入先から調達する資材置き場には在庫があるのは誰でも認識しているが、各工程においてもその工程の完成品および工程に投入する材料・素材のが存在し、ストアと呼ばれるところに置くが、そこにMIN在庫とMAX在庫を決め、MAX在庫以上は置けれないようにする。つまりその工程は異常となり止まる。またMIN在庫を下回ったら異常となり応援が必要となり異常処置が施される。

MAX在庫以上を置けれないようにするには、ストアはMAX在庫の数だけのスペース(高さ・幅・長さ)にする。MIN在庫、MAX在庫ともそこから外れたら、異常となり異常を知らせる仕組みが必要となる。簡単なのがアンドンである。

標準手持ちは在庫とするのは少し違和感があるが、各工程内の場合は例えば1工程目と2工程目の間のどうしても仕掛として持つ在庫数を標準手持ちと言う。

この各工程の在庫のMINとMAXを決めるだけでも各工程でMAX在庫を決めるのでとても大変である。特に生産量が変動し在庫の基準が変わる場合は都度変更が必要である。

在庫のMINとMAXの決め方と顕在化については工程ごとに異なるので別途記述します。

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