トヨタの補給品の仕組み6

トヨタの補給部品の仕組み6です。

トヨタから補給緊急追加依頼が来て、「回答納期」を回答するように要求が来ます。今まで、補給部品を納入できる納期を回答するものだと思い納入日を回答していましたが、実は最初の回答は、納期の回答できる日を回答するのみでした。そして、その回答日が来たら、納入できる日を回答するしくみです。

さらに追加オーダーの場合は、内示の120%超えた場合の未納は未納カウントにならないので、無理な場合は希望納期に納入できないと回答すればよい。

このようにトヨタから要望が出るが、それをいつまで対応するかは仕入先が決めることが出来るようになっている。しかし、一度登録してしまうと、変更が難しいのでしっかり吟味して回答することが必要である。

しかし、出来るだけ要望に答えたいというのが、気持ちとしてある。

トヨタの、A-TOPの入力画面 例である。

逆に下振れも問題である。内示に対し、実際のオーダーが少なかった場合であるが、その場合、下請け法対象仕入先については、申し入れれば全て内示数は買い取ってもらえる。しかしトヨタと直接取引している下請け法対象仕入先はまれである。ほとんどが下請け法対象外である。したがって、下振れしてもトヨタは引き取る義務はない。なお内示ブレがひどい場合は、各拠点へ直接相談すれば、個別に引き取ってくれるらしい。相談相手によるが・・・。

次に、部品補給の改善を書きます。

トヨタ補給一括生産について8

引き続きトヨタの旧型補給部品の一括生産について書きます。

5-1.再生産(販売中止後)

1)仕入先へ再生産を依頼するケース
①長期未受注・生産年限到達以降、お客様に生産中止を納得して頂けず、強く再供給を求められた場合、仕入先へ再生産を依頼する。(但し、必要なL/T,販価をお客様にご了解いただく。)

2)再生産リードタイム及び費用負担
①再生産リードタイム
再生産リードタイムはできる限り最短でお願いする。(概ね3ヶ月以内とし、その都度トヨタ仕入先で相談)
②費用負担
再生産が発生した場合の費用は、トヨタが負担する。(再生産発生要因が仕入先にある場合を除く)

3)処理フロー

再生産・・・・・生産年限到達後の部品
(お客様への販売中止後に、お客様要望に対応する場合)

トヨタ補給一括生産について7

引き続きトヨタの旧型補給部品の一括生産について書きます。

4-1.余剰品の補償申請(一括生産実施品の生産年限到達時点)

1)対象と処理手順

<対象>
①生産制度による生産年限到達時点(一括生産実施品)
・生産制度による生産年限到達時点で余剰品がある場合、仕入先の
申請(「余剰品処理申請書」)に基づき、余剰品を廃却処分する。
・トヨタは、余剰品について「余剰品補償」を行う。

2)申請先・申請時期

申 請 内 容  一括生産品余剰品費用補償申請書
申 請 先   サービスパーツ物流部*    *仕入先へは調達部より回答
時 期    定期(毎年9~11月末)

3)処理フロー

4-2.余剰品の補償申請(一括生産実施品の旧型経年15年経過時点)

1)対象と処理手順

<対象>
①旧型後15年経過時点(一括生産実施品)
・旧型後15年を経過して在庫が残っている場合、仕入先の申請(「余剰品処理申請書」)に基づき、トヨタ買上げ又は、余剰品の廃却処分(余剰品補償)を行う。

2)申請先・申請時期

申 請 内 容  一括生産品余剰品費用補償申請書
申 請 先   サービスパーツ物流部
時 期    定期(毎年9~11月末)

3)処理フロー

トヨタ補給一括生産について1

トヨタの旧型補給部品の一括生産について書きます。

まず、補給はパーツともいわれます。補給の中には号口補給と旧型補給があります。

号口補給は、今現在量産中の車で、ユーザーが使用しているときに事故や故障などで修理が必要ななった時に、補給として部品を取り寄せる場合です。その場合、部品のみ取り寄せるのでパーツともいわれます。

逆に量産が終わった場合の車は旧型車になります。その量産が終わった旧型車が事故や故障などで修理が必要となった時に、補給として取り寄せる場合、旧型補給部品と言います。

この旧型補給部品に対して、トヨタはまとめて生産する「一括生産」の仕組みがあるのでその内容を書いていきます。

その狙いは、旧型補給部品を供給するサプライヤーの生産ライン維持の負担を解消し、高品質でかつ効率的な生産を支援することが狙いであります。

制度の趣旨は、旧型補給部品の出荷量および旧型後の経年数がある一定の基準に到達した場合に、トヨタが算出する永久予測数にもとづき、一括生産を実施することができる。

これにより、少量生産設備の撤去、および型の廃棄が可能となる。

しかしながら、永久予測数を超える需要が発生した場合、トヨタ自動車の費用負担によりサプライヤーに再生産をお願いする場合がある。そのため、再生産に対応できるように、図面等の技術情報の管理・保管が必要である。

トヨタの補給品の仕組み4

トヨタの補給品の供給の仕組みの続きです。

続いて補給のサプライヤーがトヨタに納入するのに納入遅れの未納カウントになる/ならないの判断基準の続きです。

納期不遵守時の責任先判定基準

トヨタとサプライヤーの責任先判定基準の考え方 ※

その他  責任区分⑤

トヨタ処理ミス

1)かんばん振り出しミス

サンプル事例  トヨタ責任

・内示変更に対し、サプライヤーがNG回答したにもかかわらず、振り出した場合。

・内示変更時(上限UP)の振り出しミス、(調整日より早く振り出したもの)

・内示変更OK回答より、早く振り出した場合。

・上限修正ミス・モレによる。振り出し数・振り出し日を間違えた場合。

2)キャンセル処理ミス

サンプル事例  トヨタ責任

・オーダーキャンセル時・代替旧品番の注残キャンセル遅れ。

3)納期変更処理ミス

サンプル事例  トヨタ責任

・手書きチケット発行ミス(かんばん区分違い)

・納期変更処理時の注残変更ミス(例3/4→3/5)

・マル超先行による納期変更処理ミス(誤インプットミス、忘れ)

サプライヤー責任による納期不遵守

A:1)生産遅れ

サンプル事例  生産忘れ、能力不足

B:2)構成部品欠品・完成品在庫欠品・包装材/ラベル欠品の場合

サンプル事例  トヨタからかんばん受領時、予め構成部品をした上で間に合わなければ可能な限り早めのご連絡を徹底すること。(前日14時を待たないこと)

C:3)設備故障

サンプル事例  型破損含む

D:4)品質不良

E:5)積み込み忘れ

F:6)その他

サンプル事例  要因を備考欄に記入(要因により個別に責任判断)

※サプライヤー:納入遅延判明時、必ず挽回時期と合わせ可及的速やかに担当拠点へ連絡が必要。

と事細かく、サプライヤーとトヨタの責任区分が例を持って決まられています。

トヨタの補給品の仕組み3

トヨタの補給品の供給の仕組みの続きです。

続いて補給のサプライヤーがトヨタに納入するのに納入遅れの未納カウントになる/ならないの判断基準の続きです。

納期不遵守時の責任先判定基準

トヨタとサプライヤーの責任先判定基準の考え方

トヨタ月度内示数なし品番  責任区分③

1)月次内示なし品番(含むSSP品番 類別・83)

・トヨタ A-TOPマスターに設定(サプライヤーからの申請)されているリードタイム通りに納期遵守できたかで判定

2)リードタイム設定のガイドライン

・遵守できるリードタイムを前提とした設定すること

・設定リードタイムがガイドラインを超える場合は、B類の提出と後日現地現物確認される可能性がある。

自然災害 責任区分④

・地震、台風、大雪等により、物流ストップとなった場合

トヨタ調達から、稼働停止(号口・補給品等)案内が発信された場合に加え、大雨・大雪で高速道路が閉鎖され、交通渋滞により時間通りに納入できず、事前に遅延の連絡をした場合、責任区はトヨタになる。

以上が納期不遵守時の責任先判定基準です。サプライヤーのことを考えしっかりと決められてます。

トヨタの補給品の仕組み2

トヨタの補給品の供給の仕組みの続きです。

続いて補給のサプライヤーがトヨタに納入するのに納入遅れの未納カウントになる/ならないの判断基準の続きです。

納期不遵守時の責任先判定基準

トヨタとサプライヤーの責任先判定基準の考え方

トヨタ月度内示数有り品番  責任区分②

・トヨタ月度確定内示数(3ケ月内示)の変動に対しての判定
(前月に提示した、内示数Ⅰと当月確定内示数の差)

(サプライヤーへ)

・月度内示数受領後、速やかに生産対応可否をチェックし、対応困難の場合は当月末までに各拠点へ連絡する。

※連絡ありの場合のみ、120%でかんばん振り出しをトヨタが調整する。

・連絡ない場合は対応と判断され、かんばんが振り出される。

次は、トヨタ月度内示数なし品番の場合を書きます。

トヨタの補給品の仕組み1

トヨタの補給品の供給の仕組みについて書きます。

昨年からトヨタが入ってサプライヤーの補給品について改善活動をしておりますが、そこで習得したトヨタの補給の仕組みを書きます。

まず、サプライヤーがトヨタに納入するのに納入遅れの未納カウントにならないように一生懸命頑張ってますが、未納カウントになる/ならないの判断基準があります。まず今回はそれについて書きます。

納期不遵守時の責任先判定基準

トヨタとサプライヤーの責任先判定基準の考え方

トヨタ月度内示数有り品番  責任区分①

1)月度確定内示数の上限振出数の判定

上限数の判定:確定内示数の120%(小数点以下切り上げ)を超えた振り出しで、納期不遵守が発生した場合➡トヨタ責任

<補足説明>

・上限数の判定は、納期ベースではなく振り出し数での判定となります。

・計画オーダー、臨時かんばん、特別オーダーは、確定内示外となります。

日当り上限数で連続かんばん振り出しの場合、

月間上限数までの連続振り出しまで対応しなければ、仕入先責任となる。

2)トヨタ内示変更に対する判定

上限数の判定:内示変更後の内示数を超えてかんばんを振り出した場合➡トヨタ責任

<補足説明>

トヨタから内示変更後の内示数を上限とし、内示変更後の数量には、上限(120%)は反映されない。

3)前月に内示変更(120%以上)を対応いただいた結果、当月に構成部品が間に合わず、納期遅延発生の場合➡トヨタ責任

※ただし、事前(当月内示提示~月末まで)に対応不可のご連絡をいただいた場合のみとし、ご連絡なき場合は、仕入先責任。

このように補給の納期不遵守時の責任判定基準が明確になっているのはすばらしい。