TPSの概論3/3

引き続きトヨタ生産方式(TPS)の概論です。

一般的な製造会社では、下図の様に、内示情報や需要予測を基に見込み生産を行っています。このような生産方式は、工場内の到る所に在庫を持たねばならず、ムダを隠し、結果として原価を押し上げることにつながっています。

生産のリードタイムが確定受注のリードタイムより長い

➡内示情報で生産計画を発行(見込み生産)

➡生産計画が受注と違う為、売れに対して
造りすぎる
欠品がおきる→計画通り造らない

➡各工程に在庫が発生し、ムダを隠す
(造りすぎのムダ)

生産のリードタイムを短縮しなければ、ムダは顕在化しない

TPSの基本的な考え方

TPSとはあらゆるムダを顕在化させ、そのムダを徹底的に排除することによる原価低減活動です。

管理の基盤造り(ムダの顕在化)

管理の基盤造りとして、TPSでは「目で見る管理」を推進してます。

目で見る管理
・作業指示の明確化
・仕事のやり方の明確化
・異常の明確化

生産の基盤造り(徹底したムダの排除)

一般的な生産方式の問題に対して、TPSでは生産のリードタイム短縮を目的とした「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産し運搬する」というジャストインタイムの思想を生産の基盤造りの柱としています。

またもう一つのはしらとして、自働化という思想があります。

そしてそれらを実現する為の前提条件として、生産の平準化を徹底的に行う必要があります。

TPSの概論2/3

引き続きトヨタ生産方式(TPS)の概論です。

ムダの考え方

ムダの定義

ムダの定義・・・「付加価値を高めないもの総て」

仕事の定義・・・「付加価値を高める作業」
(働き)

人についていえば  動きー働き=ムダ

ムダの種類

(1)造りすぎのムダ
(2)運搬のムダ
(3)加工そのもののムダ
(4)動作のムダ
(5)手持ちのムダ
(6)在庫のムダ
(7)不良品、手直しのムダ

この中の(1)~(3)は判りにくいムダであるが、これを見つける目を養うことが大切

造りすぎのムダ

ムダの中で最も悪いといわれているのは、「造りすぎのムダ」であります。
この造りすぎのムダはその工程の問題や他のムダを隠してしまい、また新たなムダを発生させる原因にもなるからです。

①造りすぎのムダの顕在化

深い川は水中のものが見えない

➡ムダが専門家でないと判らない

浅くすると水中のものが浮かび上がり外から見える

➡ムダが誰にも判る

②造りすぎによる発生するムダ(2次的ムダ)

・材料、部品の先食い
・電気、エアー、油などのエネルギーの浪費
・パレット、箱などの増加
・運搬車、リフトなどの増加
・作業者、管理などの増加

③造りすぎのムダの発生する理由

・機械故障、不良、欠勤等に対する安心賃
・負荷量のバラツキ
・誤った稼働率向上、見かけの能率向上
・ラインを止めたということが罪悪という考え方
・人が多い
・仕組みの悪さ