AW物語 ハイブリッド編

実はハイブリッドの開発はトヨタよりAWの方が先にしておりました。約今から20年前ぐらいに試作の値決めを私もしておりました。今のトヨタのハイブリッドにはAWの特許がたくさん使われているそうです。

 ハイブリッドの開発の前にAWは電気自動車の開発もしておりました。AW開発のトップはハイブリッドのニーズは少ないと見て電気自動車に力を入れていました。開発トップはハイブリッドの開発担当者に「いい加減ハイブリッド(当時は回生機構)よりも電気自動車に力を入れろ」と指示をしても、その担当者はハイブリッドの開発提案を訴えて続けて聞かなかったそうです。とうとうトップも怒り出すしだいで、中間の上司がその担当者に「トップを怒らせたらだめだ、もっとうまくやれ!」となだめていたそうです。

 そんな状態で、こつこつと開発を進め特許もたくさん取得していったところ、トヨタがプリウスを発売しその時初めて、トップがハイブリッドの必要性を認めたそうです。

 その開発をずっと続けてきたおかげでAWにもハイブリッドの仕事が来るようになりました。

 しかし、あんのんとしてはおれず、ハイブリッドは電気部分が多くデンソーも織機も、またトヨタ北海道、九州などトヨタグループが狙っています。とくにデンソーはAWをナビの件で目の敵にしているようです。

AWも牙城を固めるため50人ぐらいトヨタに開発者を出向させています。それぐらいトヨタをサポートしないと仕事がこないようです。

 ハイブリッドの機構は駆動部と制御部に大きく分かれます。駆動部は10~15万円ぐらいで、そのなかでもモータで半分ぐらいです。ところが制御部がとても高く、たったファイルボックスの大きさで30万円ぐらいです。これを1/4にしようと取り組んでいますが、デンソー、織機包囲網でトヨタに入れないです。技術へ出向も入らせてくれないようです。