谷口孝男語録 その10

社長になった谷口孝男さんが昔し語った話を書いていきます。

なかなか良い話しがあります。  その10

次に一升ビンの酒という話しがあります。一升ビンに酒が半分はいっています。その時どう思いますか。

半分飲んでしまった、もう半分しか残っていないと思うか、まだ半分残っていると思うか、同じ一升ビンを見ても人によって逆に見えるということです。

残業規制があって、平均10時間以内に押えよという指示が出ていて、人事部が毎月運営委員会で報告しているんですが、技術部はまだ他に比べて残業が多いんです。10時間以内に押えないといけないのに、今までの実績はこうで、先月はこんなに減りましたと報告している。これではいけないんです。10時間が目標なんですから。一見これはよくやったように聞こえるが、よくやっていないんです、本当は。10時間という目標に対してやらないといけないんです。

どこの会社にも品質問題があるでしょう。97~99%は良品で、残りの1%とか3%が不良でしよう。その1%、3%で社長以下大騒ぎしているでしょう。品質保証部は99%も良品を作ってくれてありがとうとは言わないでしよう。

物の見方によって違って見えるんだから、少し違ったところからものを見る癖をつけてほしいと思います。

次に捕虜の話しというのは、故豊田名誉会長が生前に話されたことです。名誉会長が戦争中に敵に捕まった時、四面とも柵で、兵隊が四六時中見張りをしていたそうです。名誉会長が兵隊にいったそうです。「我々のために見張りをやって大変だな」と。すると兵隊は「私はあなたたちが逃げるのを見張っているわけではない、もし私たちがここにいないと住民があなたたちを殺しに来ますよ、我々はあなたたちを守ってあげているんですよ」といったそうです。だから、同じものを見てもまるで反対に見えるということで「君たちも、良くものを見ないといけないよ」と言ってみえました。同じ現象でもまったく反対に見る人もいるということです。

これも、M副社長の話ですが、「当社は3割も離職するんですよ」と言ったら、「3割か、それはいいな」と言うんです。台湾だと100%だそうです。100%替わるそうです。物の見方は違うんです。増えたからいい、減ったからダメだとか、大きいからいい、小さいからダメだとか簡単に観念的には決められないと思います。

カテゴリー: AW

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