設備総合効率と可動率(べきどうりつ)の違いについて以前書きましたが、
今回もう少し違う視点で違いを書きます。
先にも書いたように、可動率は
可動率=可動時間÷実稼働時間
で算出されます。可動時間はΣ(サイクルタイムx良品数)で、まず可動時間を出してから実稼働時間で割る考えです。まずは、可動時間の分子から。
つまり良品数を製作するのにロスがゼロのあるべき姿の時間を出してから、実際に稼働した時間で割る。
設備総合効率は
設備総合効率= 時間稼働率 × 性能稼働率 ×良品率
で算出されます。
時間稼働率ARは、段取り停止や、故障停止やスタートUPのロスを示し、実際に設備が稼働した時間に段取り停止や、故障停止やスタートUPのロスで停止した時間を加えた総時間で割って算出
時間稼働率=設備稼働時間÷(設備稼働時間+停止時間)
性能稼働率PRは、設定したサイクルタイムに対し作業時間のスピードのばらつき、遅れを示し、設定したサイクルタイムに対しスピードがばらついた時間が含んだ時間稼働率で使った設備稼働時間で割って算出
性能稼働率=(サイクルタイム×生産数)÷設備稼働時間
良品稼働率QRは、良品の数を生産数で割った良品の率を表します。
良品稼働率=良品数÷生産数
つまり設備総合効率は
設備総合効率=(サイクルタイム×良品数)÷(設備稼働時間+停止時間)
となる。これはつまり先に実際に稼働した総稼働時間(設備稼働時間+停止時間)の分母を出してから、分子を出す。まずは実際にかかった時間。
つまり、可動率はたとえ定時割れになっても可動時間を先に出して可動時間を出す。
逆に設備総合効率は実際に総稼働した時間を出してから率を出す。
可動率は今日働くべきの時間を先に明示し、設備総合効率は1日が終わってから発生する。
考え方が全く違う。
トヨタ生産方式の最も悪いムダは「造りすぎ」である。先に良品数(必要数)から可動時間を出すのはその考え方に沿っている。