アイシン刈谷工場の火災のトラブル対応力

ある晩、アイシン刈谷工場が燃えていると話が出た。

まさかと思ったが、現地に車で向かって近づいていくと向こうの空がやけに明るいと感じた。現地に着くと、もうもうと激しく燃えていた。

これは終わった。どうしようもないと思った。当分車の生産は止まるな。

アイシンの社長もうなだれていたそうだ。

そこに生調室が来た。

「図面をすぐに持ってこい!」と。

それから日本中のマシングセンターを押さえた。当然アイシングループおよびその仕入先も応援生産する体制となった。

図面を元に、図面通りに物を作った。

しかし、性能が出ない!なぜだ!

それは、実際に作っていたのは特採だらけの製品だった。しかし特採内容まではトヨタで保管している図面ではわからなかった。

現物を取り寄せ分解し特採内容を確認して加工先へ展開した。

何とか生産してトヨタの車の生産を止めたのはたった1週間だけだった。

すごい。たったの1週間であの大きな工場の生産の挽回したのか。

ちなみにその燃えた刈谷工場の工場長は1年ほど毎週土日も出勤して、応援した頂いた方々に対応され出世されたそうだ。

トヨタ生調室で指導を受けた人のトラブル対応力

トヨタ生産調査室(以降 生調室)の方々はトラブルの対応力がずば抜けて長けていると思う。

例では、

阪神・淡路大震災の時の富士通テンの復旧

アイシン刈谷工場が火災になった時の対応

新潟県中越沖地震の時のリケンの復旧

東日本大震災の時のルネサスの復旧

などたくさんある。

私が具体的に経験したのが、カチオン塗装工場が火災になった時の対応である。

その塗装工場は色々なたくさんの顧客の製品の塗装を受けていたので、火災となった時、色々な客が取り合いになりパニックになりかけた。

そこで、生調室が入ってきて生調室の指導を受けているメインの客を幹事会社にさせて交通整理をさせ、復旧の進捗管理をさせた。

その進行がとても無駄がなくスムーズであった。

すっごい!

次は、アイシン刈谷工場の火災について書きます。

やっぱり常識の差が一番厄介だ!

やっぱり常識の差が一番厄介だと思う。常識の違いを理解するのが一番難しい。

前回で書いた「元々の考えのギャップの影響が大きい」でも書いたように

常識の差は、本人も気づきにくく、また他人も気づきにくい。

トヨタ生産方式の展開されたトヨタの生調室の銀屋洋さんの講演会でも、最初に話し出したのが常識の差についてだ。

私もこの常識の差が色々な問題を起こす原因だと思い、昇格試験で新規サプライヤーとの常識の差をテーマで出したが、玉砕した。説明の仕方が悪かったのか、そもそもテーマ自体がその会社の昇格試験の内容に適していなかったのか。

中学生以降に学ぶ学問については、教科書があり、正しい、間違いなどきちっと答えを出してくれるが、それ以前に培った常識は人それぞれ内面に持ってしまう。

多少常識の差があることを気づくこともあるが、それが業務に多大な影響を与えると思わずなぁーなぁーで済ましてしまうだろう。

妻の職場におにぎりちゃんと呼ばれる若い社員がいる。

 ・業務中におにぎりをパクパク食べる。

 ・上司が業務の目を見てマンツーマンで説明をしている最中に、お菓子をポリポリ。

 ・立ちカウンター越しにお客様を接客しているが、椅子の上で正座している。客先からは立っているように見える。

など、あるがこの場合は明らかにおかしいので指導ができる。おまけにこの方は素直で吸収力もあるのでどんどん成長している。

早いうちにしっかり教育すれば良い社員になると思うが、それを放置してしまうと後で修正が難しいだろう。

元々の考えのギャップの影響が大きい その6

基本的な元々の考え方の差で組織運営についても考え方のギャップがでる。

私の今までの経験では、組織および業務分掌を決める=役割を決めるのが管理者の最も重要な役割の一つだと認識していたが、ここでは違っていた。それはくだらないことだと。

事例に基づき書きます。

EAR判定を発行する部署が決まってなかった。

  EARの規制対象となる品目 – – (jimdofree.com)

いや、決まっていたと思っていたので、その部署に依頼したが、その部署の責任者が発行できないと拒否した。

EAR判定を発行しないと出荷できない製品なので大変困り、その部署の責任者の上司Aに申し入れしたら「そんなくだらんことで私を巻きこむな!」とお叱りを受けた。

えっ。各部署の役割つまり組織を決めるのが管理者の重要な役割では。その上司Aは組織を決めている方で組織図を自分で作成し展開している人が。

組織図を書くということは役割を決めていることなのに。しかし組織図だけでは細かい項目の内容までかけないので業務分掌などを作成するが、それでも抜けはあるのでその都度決めることになるが、その部署ごとの役割を決めることが“くだらん”こととは。

基本的な考えが私とギャップが大きくそれに伴う影響が大きい。

さらに言うならここは自分のことを棚に上げて人には言う習性が強い。会長や社長ならわかるが、その部下が顕著に人には言うが、自分はしない。やらない。破る。

元々の考えのギャップの影響が大きい その5

次に品質問題など不具合が発生した時の要因を人のせいにする。仕組みややらせ方の問題にすべきである。

品質問題が起きた時、要因分析をするがすぐにだれだれがやったからで終わってしまい、特定の人のせいにしてしまう。その人のせいにしたから対策は「その人にさせない。ほかの技量を持った人がやります。」となる。

しかしその技量を持った人も人だから病気になったり、退職したりといなくなった時には対応ができなくなる。

それはやらせ方を問題とせずに、人を問題としたからだ。その技量を持った人も人間だからミスもする。その人がミスしたらまたほかの人にさせることになり人がいなくなる。

人の技量は様々だが、その技量に合わせてやらせ方を工夫しないといけない。そうした仕組みにしないといけないのに、単に人のせいにしてしまう。 これも元々の考えのギャップの影響が大きい。

元々の考えのギャップの影響が大きい その4

次に標準作業書について書きます。

標準作業書、作業手順書または作業要領書など作業の手順が書かれた書類があります。(以下、標準作業書)

これは何のためにあるのか。

とてもたくさんの情報が入っており作成するのも大変で、場合によっては何ページにもなる場合があり、それを現場の作業台の前に掲示してる場合がある。

作業者は先輩から作業手順を教えてもらってその通りにやっているつもりである。

いちいち作業手順書など見ていないのがほとんどである。

作業者にとって標準作業書は邪魔である。生産性を阻害しており、現場で注意喚起べき掲示の注意を阻害している。

では、何のためにあるのか。

それは管理者のためにある。管理者のためとは改善するためである。

まず、今作業者がしている作業手順はあっているかをチェックする。しかし管理者はその作業の経験があまりない場合があるので標準作業書と照らし合わせてチェックする。

そして差異があれば、標準作業書が正しいのか、作業者の手順が間違っているのか再度確認しどちらかを修正する。

そこで正常か異常かの判別ができる。トヨタ生産方式の異常管理はここがベースになっている。

さらに、改善すべき箇所があれば標準作業書に反映し、作業者に指導する。

このように管理者が作業改善するために標準作業書はあるが、多くの場合は作業者が自分で正しい作業を確認するためと理解されている。

これも元々の考えのギャップの影響が大きい。

元々の考えのギャップの影響が大きい その3

基本的な元々の考え方の差で2Sについても考え方のギャップがでる。

5S=整理、整頓、清掃、清潔+躾の基本である2S=整理、整頓であるが、具体的に整理とは、整頓とはどういうことかというと

  • 整理:要るものと要らないものを分別し、要らないものを捨てること
  • 整頓:要るものを取り出しやすく戻しやすい場所に置き、必要な時に取り出せる状態に保つこと

である。とても基本的なことであるが、これがかなり難しい。

単に整理、整頓をすれば良いのではなく、その整理、整頓された状態を保つためにはそれを保つための環境が必要である。

その環境はルールの設定である。そのルールも誰もが明確に判断できるルールであるべきである。その例を以下書きます。

下の写真①には印スタンプとパンチとセロテープが並んで置かれてます。特に問題は感じないと思います。

写真②も同じものが置かれてますが、パンチとセロテープが上下逆になって置かれてます。写真①を見た後に写真②を見ると、おや!と思います。

逆に写真②を見た後、写真①を見ると、おや!と思いますが、特に問題と感じないと思います。

次に写真③を見ると、パンチとセロテープが斜めに置かれており乱れていると感じます。しかし問題であるとは断言できない。台の上にしっかり載っている。

これは、印スタンプとパンチとセロテープの置き場が明確に示されていないせいである。写真④のように印スタンプとパンチとセロテープの置き場を明確にすれば、写真③は当然おかしいが、写真②も間違っており問題だと認識できる。

このように、ルールを明確にしておけば守らなかった場合が明確になる。

そこで正常か異常かの判別ができる。トヨタ生産方式の異常管理はここがベースになっている。

整理、整頓を維持するためにルールを設定る環境を整備することが必要である。そしてそのルールを守る躾が必要で、ルールが明確でなかったらルールを守る躾もできない。

2Sはルールを守らせる環境整備がまずは必要であるが、多くの場合は単に「整理、整頓しよう。」で終わっている。

もう少し元々の考えに振り替えるべきだ。

元々の考えのギャップの影響が大きい その2

私の経験してきた場合では生産管理が生産のコントロールしている。

受注した製品が社内の設備でできるか。社内の負荷状況を工場別、ライン別に鑑み社内でやるべきか、外注にすべきかコスト含め生産管理が決める。

しかし、今の会社ではまず各営業所がそれぞれ社内のどの工場に出すか、または仕入先に出すか決める。そして社内のある工場に発注したらその工場が自工場でやるか仕入先に出すか決める。

まず各営業がそれぞれ内外製を決め、社内の工場含と仕入先含め発注先を決める。すると各営業所から、たまたまある工場へ発注が集中する場合がある。社内の工場に限らず仕入先も同じである。つまり計画的な生産にはほど遠い発注のしかたである。おまけに取扱っている製品は工場で使われる消耗品なのでさらに需要の予測は難しい。したがっていつも行きあたらばったりで受注の見込みがある都度、見積りをすることをしており大変工数と手間(手番)を掛けている。

このようにたまたまある工場へ発注が集中する場合あるので生産能力も確保しておかなければならず余剰の生産能力になってしまう。さらにそれが各工場独立なので各工場それぞれが余剰の生産能力を確保することになってしまい、全体としてはかなりの余剰の生産能力となってしまう。それに気づかない。

こういう状況であることを説明しても理解できない。元々経験してきた考え・文化が違うため腹落ちして理解することはできないだろう。

強引に進めるとなると、大野耐一さんのように工場内で白線から物がはみ出してたら蹴り飛ばすように強引にやるしかないだろう。

元々の考えのギャップの影響が大きい その1

元々の考えのギャップがありそのギャップが小さくてもその元々のギャップによる影響が大きい。

それぞれの家族で考え方、習慣の差がありその差は大したことないように思われるが、元々のその人の人格を形成する根源なので、その差の影響は大きい。

特に基礎教育で植え付けられる考えによる影響は大きいと思う。

今勤めている会社と私の今までの社会経験によるギャップも大したことないように思えるがその差による影響は大きい。

今務めている会社の仕組みは、営業所が全国にあり各営業所が独立し採算を確保する事業体になっている。

各営業所が客先より製品を受注し、その製品を外注に出すか、内製のどの工場に出すか各営業所が判断し手配している。それにより各営業所それぞれが採算を確保している。

工場も6工場ありメインの工場は従業員30名といるが他の5工場は2~6名の従業員の規模である。それら6工場もそれぞれが単独で採算をとるように独立した活動している。

各工場それぞれが利益を得るように独自で頑張れと。

私の今までの経験は、これぐらいの小規模の工場では各工場が連携し工場全体で採算をとるべきだと思うが、ここの会社は違う。各工場がそれぞれ独立して採算をとれ。

したがって人の応受援もなし、ローテーションもない。なので人員の欠員の場合に備えてバッファを持たざるを得ない。過剰の生産能力を確保せざるを得ない状況である。

全工場全体を一つの事業体と考えれば各工場間の応援やトレード/ローテーションもでき、欠員などに備えた人員は全体でカバーすれば良いが、各工場がそれぞれ独立なのでしない。

各工場余剰人員気味であり不採算となっている。

このことを説明しても理解できない。たとえ言葉では理解できても腹落ちはしていない。

根本的に今まで経験して得た元々の考えにギャップがあるのでそれによる影響が大きく排除することが難しい。

中小企業は重点指向が弱い

中小企業は重点指向が弱いの続きです。

半年ほど前に私が管轄しているA工場の売上が特に少なく会議でA工場だけが問題となったことがある。

私は「売上げ確保の問題はA工場だけの問題ではない。他の工場も売り上げ確保について課題とすべきだ。」と提言したが、話が通じずとにかくA工場だけの問題となった。

しかし現在、全工場とも売上が激減し問題となっている。

A工場はその前より問題と自覚したので、外注に出している製品をA工場内製に取り込む改善を進めた。しかし他の工場は何も動かなかったので未だに「どうする、どうする。」と右往左往している。

なぜ、売上確保が他工場も課題と認識されなかったのか疑問である。確かに半年前では他工場は売上が大きく減っていなかったのでその時点では問題ではなかったが、当社の製品は予測が難しくいつ減るかわからない。それにもかかわらずA工場だけの問題としていたのは上司含め他工場の認識不足しかない。

先月の会議で「どうする、どうする。」となって、A工場と同じように外注品を内製に取り込む動きをするのかと思ったら、これから取り込める製品か、いくらぐらいの製品か、どれぐらいのボリュームか調べようとのこと。

あまりにものんびりしている。それを指摘したところでまた「揚げ足をとる」と非難されるので何も言えない。ますます後退だ。 やっぱり中小企業は重点指向が弱い。

中小企業は重点指向が弱い

以前に「小企業と大企業との差は重点化である」と書いたが、もう少し追記する。

重点指向が弱いので何を重点にして取り組むべきか適切に判断ができないし、指示もできない。

つまり計画が立てれないことになる。とにかく「やれ、やれ」となりQCサイクルでいうとDoDoばかりとなる。

重点化するには重点として評価するためにデータを集めないといけないが、重点化することをしないので集めるデーターも適切でない。使えないデータである。

そのデータを層別することもできず埋まらせている。もっと言えば、使えないデータを収集させる工数をかけ、的外れな層別をする無駄な工数をかけている。

それで忙しい忙しいと、忙しいふりをしている。

まったくばかげているがこれが中小企業の現実である。

QCサイクルの計画Pができなければそれ以降はまともに進むわけない。

計画PがなければDoも行き当たりになり、チェックもまともにできない。

それを説明しても「とにかくDoだ。」と

これではどんどん大企業と差が付くのは当然である。

ルール無き所には安全無し。安全無し所には品質無し。

私のモットーは「ルール無き所には安全無し。安全無し所には品質無し。」である。

ルールが無い場所やルールを守らない人には安全な作業は確保できない。ルール通りにやっていれば安全である。予想外な災難が降ってくる場合があるが、それはその人のせいではなく他責である。やはりルールをしっかり設けそのルール通りに作業をすべきである。

そして安全に作業ができなければ、品質も確保できない。不安全な作業環境ではいつも安全でなくどきどきしながら作業すれば品質は守れない。

まずはルールを設け安全を確保。そして品質である。

トヨタ生産方式:大部屋化

トヨタ生産方式の考え方の中で「大部屋化」というのがある。

これは生産現場はなるべく一つの工場に入れたほうが良い。それによって一つの工場のスペースが大きくなる。つまり大部屋にすることである。

当然である。一つの工場に入ればインフラ関係も一つで済む。ただし大型化するが。

小さな工場=部屋にして複数の工場にしてしまうとインフラも複数必要になる。

またそれを管理する人も増えることになる。

さらに、複数工場の場合、各工場の負荷がアンバランスになったとき人の応受援が難しい。一つの工場であれば「はい君、明日からどこどこのラインに入ってくれ。」と容易にできるが、工場が離れていると気安くできない。

現在、私の会社は小さな工場が分散しており、さらに工場ごとに技能が必要な製品を作っている。

そんな中で負荷がアンバランスになっていいる。負荷の高い工場、低い工場。さらに先月は高いが、今月は低いなど。月によっても負荷のばらつきが大きい。

したがって負荷の低い工場は需要に対して生産能力が余っている。負荷の高い工場は残業となったり、さらに受注を断ったりしている。

工場が分散していいるの直ぐには大部屋化できないが、人の応受援はすべきであるが。そのために技能習得が必要なため事前に人のローテーションをすべきと提言したが、上司は「必要なし」と判断。

そして今まさに、負荷が大きくアンバランスになり大きく損失をだしている。当社の工場経費のなかで最も割合を占めているのは労務費である。

上司は「どうすれば良いか」と投げかけているが、労務費が最も大きな割合を占めているなら人の整理しかないだろう。そのためには人の移動が必要であるが、技能が必要な仕事なので直ぐには移動はできない。事前にローテーションをして経験を積んでおくべきだ。

これも説明しているが伝わらない。

日本語が通じない その3

前回の日本語が通じないの続きですが、A工場の採算が悪く見える要因を書きます。

悪く見えるなので実際は悪くないです。しかし何故あえて悪く見せるのか不思議です。

では悪く見える要因を4つ書いていきます。

①A工場のマイナスの部署だけ計上してA工場全体がマイナスと表現されている。

A工場の中に生産部署と営業部署があり、採算はA工場全体として表示されているが、実際は生産部署のみの採算の結果である。営業部署は着実に利益を確保している。私からは営業部署と合算して採算を出して欲しいと何度も依頼しているが無視。そして、マイナスの生産部署のみの採算をA工場全体として出している。

マイナスの所のみ拾えばマイナスになるに決まっている。これが理解されない。

②工場按分が突然追加された。

工場の採算には全社の共通費として全社按分が従来より経費として載っていた。しかし2年前から突然メイン工場の人件費の一部が工場按分として各工場に振り分けて工場按分の費用として載ってきた。マイナスと言われている工場にさらに今までなかった経費を載せるのか。それもメイン工場のマイナスを少なくするために他工場にマイナスを移すのか。

この工場按分を元に戻し、A工場の費用から無くせば良い。

③スクラップ売り上げが工場の売上に入っていない。

切削で出るキリコなどは各工場からスクラップ業者に直接買い取ってもらっているが、この雑収入が工場の収入に入っていない。

工場の活動で出たキリコだから工場の売上にすれば良い。

④端材の材料を使って製作したが材料費が減らされていない

他の製品を製作し端材が残り廃棄として扱われるが、A工場はそれを使って製品を作成している。その分材料費が減っている。または加工高が増えているが、採算ではそれが反映されていない。

端材を使った分生産高に組み入れれば良い。

①~④の内容はA工場の実態を表す内容なので、①~④をA工場の採算に入れればA工場はプラスになる。それを説明しても聞く耳持たず。理解できない。どうしていきたいのか不明である。

日本語が通じない その2

前回の日本語が通じないの続きです。今回はその具体的な例で書きます。

例1)A工場の採算が最も悪いと指摘されるが、評価基準が異なるので最も悪い工場が変わり重点が異なり取り組みも、相手も異なってくる。

上司)A工場の採算が最も悪いのでなんとかすべき。

自分)評価基準が違う。途中から変わっている。評価基準を戻せばA工場が最も悪いわけではない。ただしA工場がマイナスであることは認識しておる。

上司)評価基準は変わらない。上げ足を取るのはやめてほしい。

自分)労務費の負担が変わっている。途中から〇〇の労務費が移っている。A工場全体でみるべきである。そうすると重点が変わる。

と説明するが平行線である。自分も説明が下手だなと感じる。

このことが上げ足を取る発言なら分かち合える時は無いだろう。

例2)A工場の生産高(=売上)つまり受注が少ないと指摘されるが、他工場も同じ。

上司)A工場の生産高(=売上)、つまり受注が少ない。何とかすべきである。

自分)受注を増やす課題はA工場だけの課題ではない。他工場も課題として取り組むべき。

上司)A工場が特に少ない。問題である。

自分)A工場の生産高=受注が少ないのは認識しているが、受注を増やさなければいけない課題は他工場も同じである。なぜA工場だけを問題視するのか?

現在は全ての工場の生産高=受注量が少なくA工場と同じ課題となっているが、おそらく当時の課題提議については忘れているだろう。

例3)生産性を向上するのに何をすべきかの問いに、管理する指標が間違っており活動の重点指向ができないと回答するが、管理指標を変えれば生産性が上がるのかと否定。

上司)生産性を上げるために課題を重点化して取り組んでほしい。

自分)課題は生産性を評価する管理指数が間違っている。課題を重点化することができない指標で管理している。

上司)管理指標を変えれば生産性は向上するるのか。生産性を上げる行動をしてほしい。

例1)でも述べたように取り組みの優先度を決めるため重点化しないといけないのに、ただただやれやれとdoのみ指示。QCのサイクルを理解していない。

とまぁ。色々とすれ違いがあり、認識を一致させるのは困難である。

追加で、

上司)A工場の生産高が少ないのでA工場のB顧客へ訪問してきなさい。

自分)訪問しても意味なし。B顧客はその先のユーザーからの発注で受注量が決まる。

上司)訪問してきなさい。

訪問してB顧客に状況をヒアリングして受注量アップのお願いし上司にフィードバックした。しかし、受注量は増えず。自分のレベル交渉では効果なし。

レベルを上げて交渉するのかと思ったが、上司は全く動かず。

なぜ訪問せよと指示されたのか意味不明!!

さらに追加

本社工場の間接人員の労務費を2年前から各工場に按分されるようになった。

それまでは本社工場が全間接人員の労務費を負担していたが。この狙いが意味不明。

マイナスの工場にさらに費用を負担させてどうするつもりなのか。本社工場のマイナスを減らし本社工場の見せかけを良くしたいだけなのか。そして他工場のマイナスが大きくなっても負担が増えた工場が悪いのか?全工場合わせた合計は変わらないのに?意味不明である。

昨日、NHKの大河ドラマ「光の君」を見たが、同じように見る目線が異なれば扱いが全く真逆になる場面があった。同じことだと感じた。

認識を同じにするには、業務中やアフター(飲み会)など含めコミュニケーションを普段から密にとり、常識や認識を一致にさせるしかないだろう。

一番厄介なのは常識の違い。お互いが当然(正しい)と思っている。

常識が異なっていれば答えも異なる。

日本語が通じない

トヨタ生産方式に精通していた人がトヨタ生産方式を展開する企業の方々に対して「日本語が通じない。」と言っていた。

当時はとても失礼なことを言っていると思った。トヨタ生産方式の専門の用語だからきちんと説明しないと通じない場合があるのは当然なのに「日本語が通じない。」とはひどいと。

しかし、今私が直面しているのはそんな「日本語が通じない。」状態である。

育ってきた文化が異なるので常識が全く私と他全員とがずれている。

説明をしても全く中身が入っていかないようだ。

昔、トヨタ生調室の銀屋さんが講演会で、常識の違いが厄介であると言っていたが、まさにその通りである。

普通に日本語で説明してもその本質を全く理解できない。培ってきた文化が異なるので言葉では理解できない。

それが一人ならまだ教育すれば良いが、全員ではどうにもならない。教育をして修正してもその時は少し良くなっても、直ぐに回り全員の文化に戻されてしまう。

むかし、大野さんが工場内を歩いて白線からはみ出てた物を蹴飛ばしていた。と聞いたが正にそうしないと治らないと思う。しかし今は時代が異なり直ぐにパワハラなどの問題となってしまう。

私の文化の賛同者が他に3名はいないと変わらないだろう。

コスト低減の活動が不正を抑制する

昨今、横領などの不正のニュースが多々あるが、コスト低減・利益追求の活動が不正を抑制する。

常にコスト低減・利益追求を追及していれば、高い仕入先から購入しない。もっと安い仕入先があるのにそこから買わずに高い仕入先から買うので、会社に損失を与えてしまう。

最も安い仕入先ならば、その仕入先が知人でも親族関係でも問題ない。高い知人または親族関係の仕入先だから問題となる。

コスト低減・利益追求をぎゅうぎゅう追及していれば高い仕入先から購入する余裕は無いはずである。追及が甘い。活動が甘い。

ある企業の例であるが、新人の調達部長が親族関係のA仕入先に高い価格で仕事を出すために、商社経由で2次仕入先指定でA仕入先に発注していた。そのA仕入先の発注についてはその部長の単独権限で発注していた。しかし他より高い値段で発注していたので問題となった。他より安い最安値で発注していればたとえ親族だろうが問題とならないのに。

そしてA社からキックバックをもらっていた。A社も高い価格で売れていたので利益に余裕がありキックバックができた。

これは会社の利益に反する活動である。

こういう話はよくある。コスト低減・利益追求をしない部分でこういうことが起こる。

不正を抑制するにはスト低減・利益追求の活動が一番である。

生産性を高めよ。機械を止めるな!

先日、上司が「生産性を高めよ。機械を止めるな!」と言った。びっくりした。

昔ながらの古い社長で、現場を見回ったとき、機械が動いいるとご機嫌で帰っていき、機械が止まっていると不機嫌になる社長が多かったと聞いたことがあるが、いまだにそのような考えを持った人がいたとは。それも上司で。びっくりした。

それもその上司はデンソー出身だとこの。デンソーといえばトヨタ生産方式を浸透していると認識していたが、こういう考えの人もいるのだと。

「生産性を高めよ。機械を止めるな!」となると、とにかく機械を止めなければよいことになる。機械を動かすほどの仕事量が無くても、不要な在庫を作る。機械が動いているふりをする空運転をする。不良をどんどん作る。不必要なトライをし続けるなど、とにかく機械を動かし続ける努力をしてしまう。

やはりここは前述したように可動時間と必要数をしっかり明示して可動率で管理すべきである。

日本語が通じない

トヨタ生産方式を展開している人から良く「日本語が通じない。」と言っているのを聞いたことがある。「日本語が通じない。」相手は、トヨタ生産方式を理解していない人たちだ。

トヨタ生産方式の用語のレベルは色々あるが、基本的なことを理解していないと、その後も全くすれ違ってしまう。

例えば、可動率である。可動率を算出するには、良品数または必要数やサイクルタイムや可動時間が必要となる。これらの基本的な要素指数の扱いも間違ってしまう。

日本語が通じないのは今まで成長してきた環境が異なる要素がが大きい。社会人になりトヨタ生産方式を触れずに成長し、あるときトヨタ生産方式の考えを教えても全く心に伝わらない。言葉では何となく言っていることはわかるが、内容の本質は理解されない。ましてやその周りがトヨタ生産方式に触れたことが無い人ばかりでは全く理解されない。そんな集団にどうすればよいのか。

基本的なマインドの教育から必要であり大変な長い道のりである。

先に上げた、良品数または必要数であるが、トヨタ生産方式を理解していないと生産性の指標で生産数を使いがちである。トヨタ生産方式はでは良品数である。生産数とは大きな意味の違いがある。

サイクルタイムであるが、トヨタ生産方式を理解していないと実績の平均値を使うことがある。平均値はあるベストの日の値、またはあるベストの時間の値など。まったくトヨタ生産方式のサイクルタイムとは異なる。

そしてサイクルタイムとは基準である。その基準がトヨタ生産方式を理解していないとない。

こんな一つ一つが理解されず、「日本語が通じない。」となってしまう。

中小企業の生産性指標の例

ある中小企業の製造業の生産性指標の例を書きます。

そこの企業の生産性の指標は、アワーレートである。算出式は、

付加価値額÷勤務時間=アワーレート である。

・付加価値額は、総売上-総仕入費=付加価値額

・勤務時間は、従業員のΣタイムカードによる勤務時間 である。

これにより従業員が1時間で稼いでいる金額が出されている。もし、全従業員のΣ給与÷勤務時間より下回っていれば人件費だけで赤字となる。

しかしこの指標では問題点が分からない。

付加価値額が低いのか、それとも勤務時間が長いのか、どちらが問題かわからない。または、どちらも問題であるかも。まったく狙いどころが分からない。

そんな中で、「上司から生産性を上げる改善をすること。課題を顕在化し優先度を決めて進める事。」と言われ、

「課題は生産性の指標をアワーレートにしていることだ。生産性の指標を可動率にすべきだ。」と提言すると、

「指標で生産性が上がるのか。生産性を上げる活動をしてください。」

と、とにかくもぐらたたき的に気が付いた改善をせよとのことで、全く理解されない。

前回書いたように、重点指向ができない。何が問題か把握できず、とにかく改善をせよ。と

改善をした後、その成果を監視・管理もしないし、するつもりもない。

修正不可能だ!