元々の考えのギャップの影響が大きい その2

私の経験してきた場合では生産管理が生産のコントロールしている。

受注した製品が社内の設備でできるか。社内の負荷状況を工場別、ライン別に鑑み社内でやるべきか、外注にすべきかコスト含め生産管理が決める。

しかし、今の会社ではまず各営業所がそれぞれ社内のどの工場に出すか、または仕入先に出すか決める。そして社内のある工場に発注したらその工場が自工場でやるか仕入先に出すか決める。

まず各営業がそれぞれ内外製を決め、社内の工場含と仕入先含め発注先を決める。すると各営業所から、たまたまある工場へ発注が集中する場合がある。社内の工場に限らず仕入先も同じである。つまり計画的な生産にはほど遠い発注のしかたである。おまけに取扱っている製品は工場で使われる消耗品なのでさらに需要の予測は難しい。したがっていつも行きあたらばったりで受注の見込みがある都度、見積りをすることをしており大変工数と手間(手番)を掛けている。

このようにたまたまある工場へ発注が集中する場合あるので生産能力も確保しておかなければならず余剰の生産能力になってしまう。さらにそれが各工場独立なので各工場それぞれが余剰の生産能力を確保することになってしまい、全体としてはかなりの余剰の生産能力となってしまう。それに気づかない。

こういう状況であることを説明しても理解できない。元々経験してきた考え・文化が違うため腹落ちして理解することはできないだろう。

強引に進めるとなると、大野耐一さんのように工場内で白線から物がはみ出してたら蹴り飛ばすように強引にやるしかないだろう。

元々の考えのギャップの影響が大きい その1

元々の考えのギャップがありそのギャップが小さくてもその元々のギャップによる影響が大きい。

それぞれの家族で考え方、習慣の差がありその差は大したことないように思われるが、元々のその人の人格を形成する根源なので、その差の影響は大きい。

特に基礎教育で植え付けられる考えによる影響は大きいと思う。

今勤めている会社と私の今までの社会経験によるギャップも大したことないように思えるがその差による影響は大きい。

今務めている会社の仕組みは、営業所が全国にあり各営業所が独立し採算を確保する事業体になっている。

各営業所が客先より製品を受注し、その製品を外注に出すか、内製のどの工場に出すか各営業所が判断し手配している。それにより各営業所それぞれが採算を確保している。

工場も6工場ありメインの工場は従業員30名といるが他の5工場は2~6名の従業員の規模である。それら6工場もそれぞれが単独で採算をとるように独立した活動している。

各工場それぞれが利益を得るように独自で頑張れと。

私の今までの経験は、これぐらいの小規模の工場では各工場が連携し工場全体で採算をとるべきだと思うが、ここの会社は違う。各工場がそれぞれ独立して採算をとれ。

したがって人の応受援もなし、ローテーションもない。なので人員の欠員の場合に備えてバッファを持たざるを得ない。過剰の生産能力を確保せざるを得ない状況である。

全工場全体を一つの事業体と考えれば各工場間の応援やトレード/ローテーションもでき、欠員などに備えた人員は全体でカバーすれば良いが、各工場がそれぞれ独立なのでしない。

各工場余剰人員気味であり不採算となっている。

このことを説明しても理解できない。たとえ言葉では理解できても腹落ちはしていない。

根本的に今まで経験して得た元々の考えにギャップがあるのでそれによる影響が大きく排除することが難しい。

中小企業は重点指向が弱い

中小企業は重点指向が弱いの続きです。

半年ほど前に私が管轄しているA工場の売上が特に少なく会議でA工場だけが問題となったことがある。

私は「売上げ確保の問題はA工場だけの問題ではない。他の工場も売り上げ確保について課題とすべきだ。」と提言したが、話が通じずとにかくA工場だけの問題となった。

しかし現在、全工場とも売上が激減し問題となっている。

A工場はその前より問題と自覚したので、外注に出している製品をA工場内製に取り込む改善を進めた。しかし他の工場は何も動かなかったので未だに「どうする、どうする。」と右往左往している。

なぜ、売上確保が他工場も課題と認識されなかったのか疑問である。確かに半年前では他工場は売上が大きく減っていなかったのでその時点では問題ではなかったが、当社の製品は予測が難しくいつ減るかわからない。それにもかかわらずA工場だけの問題としていたのは上司含め他工場の認識不足しかない。

先月の会議で「どうする、どうする。」となって、A工場と同じように外注品を内製に取り込む動きをするのかと思ったら、これから取り込める製品か、いくらぐらいの製品か、どれぐらいのボリュームか調べようとのこと。

あまりにものんびりしている。それを指摘したところでまた「揚げ足をとる」と非難されるので何も言えない。ますます後退だ。 やっぱり中小企業は重点指向が弱い。

中小企業は重点指向が弱い

以前に「小企業と大企業との差は重点化である」と書いたが、もう少し追記する。

重点指向が弱いので何を重点にして取り組むべきか適切に判断ができないし、指示もできない。

つまり計画が立てれないことになる。とにかく「やれ、やれ」となりQCサイクルでいうとDoDoばかりとなる。

重点化するには重点として評価するためにデータを集めないといけないが、重点化することをしないので集めるデーターも適切でない。使えないデータである。

そのデータを層別することもできず埋まらせている。もっと言えば、使えないデータを収集させる工数をかけ、的外れな層別をする無駄な工数をかけている。

それで忙しい忙しいと、忙しいふりをしている。

まったくばかげているがこれが中小企業の現実である。

QCサイクルの計画Pができなければそれ以降はまともに進むわけない。

計画PがなければDoも行き当たりになり、チェックもまともにできない。

それを説明しても「とにかくDoだ。」と

これではどんどん大企業と差が付くのは当然である。

ルール無き所には安全無し。安全無し所には品質無し。

私のモットーは「ルール無き所には安全無し。安全無し所には品質無し。」である。

ルールが無い場所やルールを守らない人には安全な作業は確保できない。ルール通りにやっていれば安全である。予想外な災難が降ってくる場合があるが、それはその人のせいではなく他責である。やはりルールをしっかり設けそのルール通りに作業をすべきである。

そして安全に作業ができなければ、品質も確保できない。不安全な作業環境ではいつも安全でなくどきどきしながら作業すれば品質は守れない。

まずはルールを設け安全を確保。そして品質である。

トヨタ生産方式:大部屋化

トヨタ生産方式の考え方の中で「大部屋化」というのがある。

これは生産現場はなるべく一つの工場に入れたほうが良い。それによって一つの工場のスペースが大きくなる。つまり大部屋にすることである。

当然である。一つの工場に入ればインフラ関係も一つで済む。ただし大型化するが。

小さな工場=部屋にして複数の工場にしてしまうとインフラも複数必要になる。

またそれを管理する人も増えることになる。

さらに、複数工場の場合、各工場の負荷がアンバランスになったとき人の応受援が難しい。一つの工場であれば「はい君、明日からどこどこのラインに入ってくれ。」と容易にできるが、工場が離れていると気安くできない。

現在、私の会社は小さな工場が分散しており、さらに工場ごとに技能が必要な製品を作っている。

そんな中で負荷がアンバランスになっていいる。負荷の高い工場、低い工場。さらに先月は高いが、今月は低いなど。月によっても負荷のばらつきが大きい。

したがって負荷の低い工場は需要に対して生産能力が余っている。負荷の高い工場は残業となったり、さらに受注を断ったりしている。

工場が分散していいるの直ぐには大部屋化できないが、人の応受援はすべきであるが。そのために技能習得が必要なため事前に人のローテーションをすべきと提言したが、上司は「必要なし」と判断。

そして今まさに、負荷が大きくアンバランスになり大きく損失をだしている。当社の工場経費のなかで最も割合を占めているのは労務費である。

上司は「どうすれば良いか」と投げかけているが、労務費が最も大きな割合を占めているなら人の整理しかないだろう。そのためには人の移動が必要であるが、技能が必要な仕事なので直ぐには移動はできない。事前にローテーションをして経験を積んでおくべきだ。

これも説明しているが伝わらない。

日本語が通じない その3

前回の日本語が通じないの続きですが、A工場の採算が悪く見える要因を書きます。

悪く見えるなので実際は悪くないです。しかし何故あえて悪く見せるのか不思議です。

では悪く見える要因を4つ書いていきます。

①A工場のマイナスの部署だけ計上してA工場全体がマイナスと表現されている。

A工場の中に生産部署と営業部署があり、採算はA工場全体として表示されているが、実際は生産部署のみの採算の結果である。営業部署は着実に利益を確保している。私からは営業部署と合算して採算を出して欲しいと何度も依頼しているが無視。そして、マイナスの生産部署のみの採算をA工場全体として出している。

マイナスの所のみ拾えばマイナスになるに決まっている。これが理解されない。

②工場按分が突然追加された。

工場の採算には全社の共通費として全社按分が従来より経費として載っていた。しかし2年前から突然メイン工場の人件費の一部が工場按分として各工場に振り分けて工場按分の費用として載ってきた。マイナスと言われている工場にさらに今までなかった経費を載せるのか。それもメイン工場のマイナスを少なくするために他工場にマイナスを移すのか。

この工場按分を元に戻し、A工場の費用から無くせば良い。

③スクラップ売り上げが工場の売上に入っていない。

切削で出るキリコなどは各工場からスクラップ業者に直接買い取ってもらっているが、この雑収入が工場の収入に入っていない。

工場の活動で出たキリコだから工場の売上にすれば良い。

④端材の材料を使って製作したが材料費が減らされていない

他の製品を製作し端材が残り廃棄として扱われるが、A工場はそれを使って製品を作成している。その分材料費が減っている。または加工高が増えているが、採算ではそれが反映されていない。

端材を使った分生産高に組み入れれば良い。

①~④の内容はA工場の実態を表す内容なので、①~④をA工場の採算に入れればA工場はプラスになる。それを説明しても聞く耳持たず。理解できない。どうしていきたいのか不明である。

日本語が通じない その2

前回の日本語が通じないの続きです。今回はその具体的な例で書きます。

例1)A工場の採算が最も悪いと指摘されるが、評価基準が異なるので最も悪い工場が変わり重点が異なり取り組みも、相手も異なってくる。

上司)A工場の採算が最も悪いのでなんとかすべき。

自分)評価基準が違う。途中から変わっている。評価基準を戻せばA工場が最も悪いわけではない。ただしA工場がマイナスであることは認識しておる。

上司)評価基準は変わらない。上げ足を取るのはやめてほしい。

自分)労務費の負担が変わっている。途中から〇〇の労務費が移っている。A工場全体でみるべきである。そうすると重点が変わる。

と説明するが平行線である。自分も説明が下手だなと感じる。

このことが上げ足を取る発言なら分かち合える時は無いだろう。

例2)A工場の生産高(=売上)つまり受注が少ないと指摘されるが、他工場も同じ。

上司)A工場の生産高(=売上)、つまり受注が少ない。何とかすべきである。

自分)受注を増やす課題はA工場だけの課題ではない。他工場も課題として取り組むべき。

上司)A工場が特に少ない。問題である。

自分)A工場の生産高=受注が少ないのは認識しているが、受注を増やさなければいけない課題は他工場も同じである。なぜA工場だけを問題視するのか?

現在は全ての工場の生産高=受注量が少なくA工場と同じ課題となっているが、おそらく当時の課題提議については忘れているだろう。

例3)生産性を向上するのに何をすべきかの問いに、管理する指標が間違っており活動の重点指向ができないと回答するが、管理指標を変えれば生産性が上がるのかと否定。

上司)生産性を上げるために課題を重点化して取り組んでほしい。

自分)課題は生産性を評価する管理指数が間違っている。課題を重点化することができない指標で管理している。

上司)管理指標を変えれば生産性は向上するるのか。生産性を上げる行動をしてほしい。

例1)でも述べたように取り組みの優先度を決めるため重点化しないといけないのに、ただただやれやれとdoのみ指示。QCのサイクルを理解していない。

とまぁ。色々とすれ違いがあり、認識を一致させるのは困難である。

追加で、

上司)A工場の生産高が少ないのでA工場のB顧客へ訪問してきなさい。

自分)訪問しても意味なし。B顧客はその先のユーザーからの発注で受注量が決まる。

上司)訪問してきなさい。

訪問してB顧客に状況をヒアリングして受注量アップのお願いし上司にフィードバックした。しかし、受注量は増えず。自分のレベル交渉では効果なし。

レベルを上げて交渉するのかと思ったが、上司は全く動かず。

なぜ訪問せよと指示されたのか意味不明!!

さらに追加

本社工場の間接人員の労務費を2年前から各工場に按分されるようになった。

それまでは本社工場が全間接人員の労務費を負担していたが。この狙いが意味不明。

マイナスの工場にさらに費用を負担させてどうするつもりなのか。本社工場のマイナスを減らし本社工場の見せかけを良くしたいだけなのか。そして他工場のマイナスが大きくなっても負担が増えた工場が悪いのか?全工場合わせた合計は変わらないのに?意味不明である。

昨日、NHKの大河ドラマ「光の君」を見たが、同じように見る目線が異なれば扱いが全く真逆になる場面があった。同じことだと感じた。

認識を同じにするには、業務中やアフター(飲み会)など含めコミュニケーションを普段から密にとり、常識や認識を一致にさせるしかないだろう。

一番厄介なのは常識の違い。お互いが当然(正しい)と思っている。

常識が異なっていれば答えも異なる。

日本語が通じない

トヨタ生産方式に精通していた人がトヨタ生産方式を展開する企業の方々に対して「日本語が通じない。」と言っていた。

当時はとても失礼なことを言っていると思った。トヨタ生産方式の専門の用語だからきちんと説明しないと通じない場合があるのは当然なのに「日本語が通じない。」とはひどいと。

しかし、今私が直面しているのはそんな「日本語が通じない。」状態である。

育ってきた文化が異なるので常識が全く私と他全員とがずれている。

説明をしても全く中身が入っていかないようだ。

昔、トヨタ生調室の銀屋さんが講演会で、常識の違いが厄介であると言っていたが、まさにその通りである。

普通に日本語で説明してもその本質を全く理解できない。培ってきた文化が異なるので言葉では理解できない。

それが一人ならまだ教育すれば良いが、全員ではどうにもならない。教育をして修正してもその時は少し良くなっても、直ぐに回り全員の文化に戻されてしまう。

むかし、大野さんが工場内を歩いて白線からはみ出てた物を蹴飛ばしていた。と聞いたが正にそうしないと治らないと思う。しかし今は時代が異なり直ぐにパワハラなどの問題となってしまう。

私の文化の賛同者が他に3名はいないと変わらないだろう。

コスト低減の活動が不正を抑制する

昨今、横領などの不正のニュースが多々あるが、コスト低減・利益追求の活動が不正を抑制する。

常にコスト低減・利益追求を追及していれば、高い仕入先から購入しない。もっと安い仕入先があるのにそこから買わずに高い仕入先から買うので、会社に損失を与えてしまう。

最も安い仕入先ならば、その仕入先が知人でも親族関係でも問題ない。高い知人または親族関係の仕入先だから問題となる。

コスト低減・利益追求をぎゅうぎゅう追及していれば高い仕入先から購入する余裕は無いはずである。追及が甘い。活動が甘い。

ある企業の例であるが、新人の調達部長が親族関係のA仕入先に高い価格で仕事を出すために、商社経由で2次仕入先指定でA仕入先に発注していた。そのA仕入先の発注についてはその部長の単独権限で発注していた。しかし他より高い値段で発注していたので問題となった。他より安い最安値で発注していればたとえ親族だろうが問題とならないのに。

そしてA社からキックバックをもらっていた。A社も高い価格で売れていたので利益に余裕がありキックバックができた。

これは会社の利益に反する活動である。

こういう話はよくある。コスト低減・利益追求をしない部分でこういうことが起こる。

不正を抑制するにはスト低減・利益追求の活動が一番である。

生産性を高めよ。機械を止めるな!

先日、上司が「生産性を高めよ。機械を止めるな!」と言った。びっくりした。

昔ながらの古い社長で、現場を見回ったとき、機械が動いいるとご機嫌で帰っていき、機械が止まっていると不機嫌になる社長が多かったと聞いたことがあるが、いまだにそのような考えを持った人がいたとは。それも上司で。びっくりした。

それもその上司はデンソー出身だとこの。デンソーといえばトヨタ生産方式を浸透していると認識していたが、こういう考えの人もいるのだと。

「生産性を高めよ。機械を止めるな!」となると、とにかく機械を止めなければよいことになる。機械を動かすほどの仕事量が無くても、不要な在庫を作る。機械が動いているふりをする空運転をする。不良をどんどん作る。不必要なトライをし続けるなど、とにかく機械を動かし続ける努力をしてしまう。

やはりここは前述したように可動時間と必要数をしっかり明示して可動率で管理すべきである。

日本語が通じない

トヨタ生産方式を展開している人から良く「日本語が通じない。」と言っているのを聞いたことがある。「日本語が通じない。」相手は、トヨタ生産方式を理解していない人たちだ。

トヨタ生産方式の用語のレベルは色々あるが、基本的なことを理解していないと、その後も全くすれ違ってしまう。

例えば、可動率である。可動率を算出するには、良品数または必要数やサイクルタイムや可動時間が必要となる。これらの基本的な要素指数の扱いも間違ってしまう。

日本語が通じないのは今まで成長してきた環境が異なる要素がが大きい。社会人になりトヨタ生産方式を触れずに成長し、あるときトヨタ生産方式の考えを教えても全く心に伝わらない。言葉では何となく言っていることはわかるが、内容の本質は理解されない。ましてやその周りがトヨタ生産方式に触れたことが無い人ばかりでは全く理解されない。そんな集団にどうすればよいのか。

基本的なマインドの教育から必要であり大変な長い道のりである。

先に上げた、良品数または必要数であるが、トヨタ生産方式を理解していないと生産性の指標で生産数を使いがちである。トヨタ生産方式はでは良品数である。生産数とは大きな意味の違いがある。

サイクルタイムであるが、トヨタ生産方式を理解していないと実績の平均値を使うことがある。平均値はあるベストの日の値、またはあるベストの時間の値など。まったくトヨタ生産方式のサイクルタイムとは異なる。

そしてサイクルタイムとは基準である。その基準がトヨタ生産方式を理解していないとない。

こんな一つ一つが理解されず、「日本語が通じない。」となってしまう。

中小企業の生産性指標の例

ある中小企業の製造業の生産性指標の例を書きます。

そこの企業の生産性の指標は、アワーレートである。算出式は、

付加価値額÷勤務時間=アワーレート である。

・付加価値額は、総売上-総仕入費=付加価値額

・勤務時間は、従業員のΣタイムカードによる勤務時間 である。

これにより従業員が1時間で稼いでいる金額が出されている。もし、全従業員のΣ給与÷勤務時間より下回っていれば人件費だけで赤字となる。

しかしこの指標では問題点が分からない。

付加価値額が低いのか、それとも勤務時間が長いのか、どちらが問題かわからない。または、どちらも問題であるかも。まったく狙いどころが分からない。

そんな中で、「上司から生産性を上げる改善をすること。課題を顕在化し優先度を決めて進める事。」と言われ、

「課題は生産性の指標をアワーレートにしていることだ。生産性の指標を可動率にすべきだ。」と提言すると、

「指標で生産性が上がるのか。生産性を上げる活動をしてください。」

と、とにかくもぐらたたき的に気が付いた改善をせよとのことで、全く理解されない。

前回書いたように、重点指向ができない。何が問題か把握できず、とにかく改善をせよ。と

改善をした後、その成果を監視・管理もしないし、するつもりもない。

修正不可能だ!

中小企業と大企業との差は重点化である

中小企業と大企業はなぜ差が付くのか考えてみた。

中小企業でも大企業でも課題(問題)は大小とても沢山ある。

しかし大企業と中小企業の大きな違いは、中小企業は重点化ができない/しない/弱い。

中小企業は目の前の問題をつぶすことで精いっぱい。重点志向化せずモグラたたきの様に取り合ず目の前の問題をつぶしていくので精一杯なので、さらに重点志向しなくなる。

重点化ができない/しない/弱いのでデータの分析も弱く、また、集めるべきデーターも無く、集めたデータも誤った内容となっている。

これでは大企業との差はどんどん差が付くが、すべての中小企業がそうではない。うまく重点志向ができ大きく成長した中小企業もある。

トヨタ生産方式:可動率と設備総合稼働率の違い

設備総合効率と可動率(べきどうりつ)の違いについて以前書きましたが、

今回もう少し違う視点で違いを書きます。

先にも書いたように、可動率は

可動率=可動時間÷実稼働時間

で算出されます。可動時間はΣ(サイクルタイムx良品数)で、まず可動時間を出してから実稼働時間で割る考えです。まずは、可動時間の分子から。

つまり良品数を製作するのにロスがゼロのあるべき姿の時間を出してから、実際に稼働した時間で割る。

設備総合効率は

設備総合効率= 時間稼働率 × 性能稼働率 ×良品率

で算出されます。

時間稼働率ARは、段取り停止や、故障停止やスタートUPのロスを示し、実際に設備が稼働した時間に段取り停止や、故障停止やスタートUPのロスで停止した時間を加えた総時間で割って算出

 時間稼働率=設備稼働時間÷(設備稼働時間+停止時間)

性能稼働率PRは、設定したサイクルタイムに対し作業時間のスピードのばらつき、遅れを示し、設定したサイクルタイムに対しスピードがばらついた時間が含んだ時間稼働率で使った設備稼働時間で割って算出

 性能稼働率=(サイクルタイム×生産数)÷設備稼働時間

良品稼働率QRは、良品の数を生産数で割った良品の率を表します。

 良品稼働率=良品数÷生産数

つまり設備総合効率は

 設備総合効率=(サイクルタイム×良品数)÷(設備稼働時間+停止時間)

となる。これはつまり先に実際に稼働した総稼働時間(設備稼働時間+停止時間)の分母を出してから、分子を出す。まずは実際にかかった時間。

つまり、可動率はたとえ定時割れになっても可動時間を先に出して可動時間を出す。

逆に設備総合効率は実際に総稼働した時間を出してから率を出す。

可動率は今日働くべきの時間を先に明示し、設備総合効率は1日が終わってから発生する。

考え方が全く違う。

トヨタ生産方式の最も悪いムダは「造りすぎ」である。先に良品数(必要数)から可動時間を出すのはその考え方に沿っている。

原価の種類

前回原価管理の活動について書きましたが、今回は原価の種類について書きます。

原価には

実績原価(実際原価)

見積原価

企画原価

目標原価

標準原価 がある。

それぞれについて説明しよう。

実績原価(実際原価)は実際にかかった原価である。その期間はそれぞれの設定による。

見積原価は製品を製作するのに予想した原価である。客先へ見積り価格を提示するときなどに使われる原価である。

したがって、実績原価(実際原価)と見積原価は扱いが全く異なってくる。

企画原価は見積原価と似ており、事業を企画する際に検討した予想の原価である。

目標原価は、プロジェクトに対して目標にした原価である。

標準原価は、予算作成などに活用する原価である。これは実績原価(実際原価)を元に設定されることが多い。

このように原価と言っても色々あり、誤って使うと大けがをする。

今努めている会社の原価は見積原価しか把握しておらず、実績原価を把握していないので製品ごとに見積原価以下で製作できているか分からない状態なので反省もできない/しない状態である。

したがって改善改善といっても何を目標に改善すれば良いのかわからないのでモチベーションも上がらない。

原価は生き物である

原価は生き物である。

トヨタ自動車で原価管理の講習会を受けた時のことである。その時の講師がトヨタ自動車の原価管理の人であった。

その方いわく「原価は生き物である。したがっていつも手綱で引っ張っていないと、直ぐに原価が上がってしまう。常に管理してぎゅうぎゅう絞っていないと上がってしまう。」

と言っていた。その方はトヨタ生産方式のように原価管理もトヨタ式を定着させたいと申していました。

原価管理は原価改善と原価企画の二つから構成されている。

原価改善とは現状の原価を低減させる活動である。

原価企画はこれからの製品の原価を設定する活動である。

私も原価管理を経験していた。

原価管理では生産の改善やVAにより原価を低減するネタ出しをして、それを実施する計画を策定しフォローしていた。

原価企画では、新製品の新規部品の見積りを取り新製品の原価を策定し、販売の価格に対し原価が今どうなのかを確認し目標原価に達するように活動した。

見積り先を見直したり、工程を見直したり、また見積りが類似品と比較して適正かどうかなど。

そして原価企画を節目ごとに実施して開発から量産化へのフェーズに移ることができる管理項目となっていた。

仕事の問題は8割がコミュニケーションの問題

仕事の問題は8割がコミュニケーションの問題であり、コミュニケーションができていれば問題は解決できる。

といってもコミュニケーションはとても難しい。ただ言っただけでコミュニケーションできているのではなく、受け取った人が真意を理解しそれを実践できなければコミュニケーションができているとは言えない。

仕事のなかで業務を依頼する、指示することは常に発生する。そこで仕事の内容を伝え正しく受け取っていれば問題なく仕事を遂行するが、正しく内容を伝えきれず理解しているだろうと思っていると誤った結果になる。

伝えた方は「そんなことわかるだろう。当たり前だろう。」と思っていることでも受け取った方は「そうとは思わなかった。」などすれ違いは多々ある。

コミュニケーションは言葉だけではなく、五感を使って伝えることが必要である。

技術の伝承もそうである。言葉だけではなく指の感触や調理の場合は匂い含めコミュニケーションができていれば技術は伝承できる。

また不良品を作ってしまった場合も、伝える内容が不足していたり、受け取る方が理解不足だったり、また理解不足を伝えまたは理解せずに放置してしまうコミュニケーション不足である。

さらに不良品を流出してしまうのも、チャックのやり方の指示ミスや、チャックしていることの確認不足のコミュニケーション不足である。

このように、コミュニケーションがしっかりできていれば問題は解決できる。逆にしっかりコミュニケーションが取れていればスムーズに阿吽の呼吸で仕事は進んでいくだろう。

機械加工の全自動化

最近のNC旋盤やマシニングセンターがかなり進歩している。

しかし現時点ではある物を加工するのにプログラムを設定するレベルの高いエンジニアが必要で大変な工数をかけている。

今後、AIの活用によりこういったエンジニアが不要になり時間をかけずに材料をポンと入れたら製品が出来上がるようになると良い。

まず、図面をスキャンまたは製品の現物をスキャンしたら、加工方法および加工プログラムをAIが勝手に作成する。

刃具は事前に設定した刃具をセットしておく。また加工毎にチップの摩耗を測定し加工補正を自動でする。

チップの交換が必要となったらお知らせが出てワンタッチで交換する。

そして出来上がった製品現物をスキャンし自動で判定する。

ここまでくれば小ロット品の機械加工現場でもAIを有効に活用できる。楽しみである。

生産調査室は役者揃い

トヨタの生産調査室は役者がそろっている。

その事例を書きます。

トヨタの自主研究会(以下、自主研)の会場は実際に自主研が実施される前に徹底的に会場会社側が現場改善を進める。4Sにとどまらずやれる改善を自社で独自に進める。

その改善をやり切った後に、メンバー会社が集まってさらなる改善をするのでその現場は自主研が終わった後は、かなり生産性が上がる。

自社で事前に改善を進めたレベルでその会社の改善能力が判断できる。

ある年、当社が自主研の会場となり自社で自主改善を実施し、自主研の当日、トヨタの生産調査室(以下、生調室)の銀屋さんがようやってくれたと涙を浮かべて褒めてくれたことがあったと聞きました。

生調室の方はそこまで生産ラインについて思入れがあるのかと思いました。

また何年かし、再び自主研の会場となり、今度は前記したようにプレスのコイルを途中で止める投資をして改善をして自主研の初日を向けることになり、今度はまた林さんが「ようやっってくれた。」と涙目にしたと。

林さんは銀屋さんの直系の部下で、林さんも生産現場について思入れが深いと思いました。

また、自主研の最中にいろいろ議論する場があります。そこで、みんなが恐れている〇巻さんが意見を言ったら、隣にいた林さんが「違うだろ!」と言ってファイルで〇巻さんの頭を上から、バチーンと叩いた。

そこにいた各メンバーはとても驚いた。震え上がるほど恐ろしい〇巻さんをファイルで頭を叩いた。

もう皆はビビッて会議の緊張感がピリピリになった。これも演技か。すごい!