引き続きトヨタの旧型補給部品の一括生産について書きます。
3.一括購入候補品の一括生産(トヨタ一括買上げ・保管)
<対象>
生産制度による一括購入候補品(一部の特別車両)
・生産制度による生産年限到達時点で、トヨタより通知のあった部品(一括購入候補品)について、仕入先の申請(一括生産申請)に基づき、一括生産完了後、設備・型等の廃却処分の検討を行うことができる。
<申請の必要条件>
(1)生産効率・生産コスト上、継続生産に比べメリットがあること。
(2)共通化・統合化ができないこと。
(3)品質劣化等、長期保管に問題がないこと。
トヨタ保管中に品質不具合が発生した場合、原因調査の上で、その責任に
応じて仕入先に修理・再生産の費用を負担していただくことがある。
除外要件例 品目例
ゴム製品の経年劣化 ・ワイパーブレード,ベルト類など
潤滑剤などの固着による機能低下 ・ガソリン/ディーゼルの燃料噴射,供給系など
錆び ・品目個別に判定
スイッチ接点の腐食 ・ターンシグナルスイッチなど
変色 ・ドアミラーなど
変形 ・品目個別に判定
2)申請先・申請時期
申 請 内 容 一括生産数提示依頼 一括生産申請
一括生産数提示依頼 サービスパーツ物流部 随 時
一括買上げ・保管申請 サービスパーツ物流部* 随 時
*仕入先へは調達部より回答
3)処理フロー
(※印は、2.旧型後15年経過後の一括生産(トヨタ一括買上げ・保管)」と同一手順を示す。)
①一括購入候補品の選定(トヨタ)
生産年限基準に到達した品番かつ供給継続をする品番を特定し、仕入先へ通知
②一括生産実施 もしくは 継続生産の検討(仕入先)
① 一括購入候補品番について、継続生産 もしくは 一括生産を申請・実施し、設備・型等の廃棄につなげるかの検討を行う。
③継続生産を実施(仕入先)
現状通り、生産を継続する
※ ④①一括購入候補品のうち一括生産対象品番選定(仕入先)
・上記で選定した品番について、仕入先はトヨタ(サービスパーツ物流部)に対し、
「一括生産数提示依頼書」 「一括生産品番明細書」
「一括生産検討チェックシート」の3点をセットして、一括生産数の提示依頼を行う。
※ ⑤一括生産数(トヨタ買上げ数)の回答(トヨタ)
・トヨタ(サービスパーツ物流部)は、申請基準との照合及び、提出された帳票類
の内容確認をした上で、問題がなければ、一括生産必要数を算出し、
「一括生産回答書」にて仕入先に回答する。
保管拠点へも事前情報を送りスペース手当ての準備を行う。
※ ⑥最終効果把握(仕入先)
・一括生産数(トヨタ買上げ数)を踏まえ、仕入先は最終的な効果把握を行う。
※ ⑦一括買上げ・保管申請(仕入先)
・仕入先は、トヨタ(サービスパーツ物流部)に対し、「一括生産実施申請書」にて
申請を行う。(「一括生産品番明細書」)
・帳票は原紙に押印したものとデータ(エクセルデータ PDF不可)の両方を送付して下さい。
※ ⑧一括生産可否判定と回答(トヨタ)
・仕入先の申請に基づき、トヨタ(サービスパーツ物流部、調達部)は、
一括生産可否を判定し、「一括生産実施可否回答書」にて仕入先に回答する。
※ ⑨一括生産の実施と生産完了の報告(仕入先)
・一括買上げ・保管が承認された場合、仕入先は、上記トヨタ買上げ数に他の仕入先
等への支給数、既存在庫数を勘案して一括生産を実施する。
・一括生産完了後に「一括生産完了報告書」をトヨタ(サービスパーツ物流部)へ
提出する。(「一括生産品番明細書」)
※ ⑩発注・引取り(トヨタ)
・「一括生産完了報告書」に基づき、トヨタ(サービスパーツ物流部)は、かんばんを振出し、発注/引取りを行う。
・なお、引取りに際し、納入器具、場所、日程等を調整する場合がある。
※ ⑪設備、型の処分(仕入先)
・一括買上げにより、設備/型等が不要になった場合は、仕入先は設備/型等の処分を実施する。
・ 但し、万一の再生産に備え、関連の設計/製造技術情報を確実に保管する。