雇ってはいけない人の見分け方 その8

“経営理念に従う“の続きです。

さらに一つ踏み込んで考えておきたいのは、面接をする方の面接官との相性だけでなく配属をされる上司の方との相性にも一度ご注意していただきたいと思います。

同じ会社で同じ経営理念を掲げていても、場合によっては各部門各部署ごとに文化や考え方が違っていることもよくあります。

同じ会社だけれどもあの部長の働く姿勢や指導の仕方。この部長の働く姿勢や指導するポイント。それらは、その部長という人によって若干のズレがあったりすることもあります。

個性が出てくることだと思います、であるならば経営理念という大きなもの、この器を大事にすることはとても重要ですが、そこからさらに配属される上司その方との価値観や相性というものも一度検討に入れてみてください。

場合によっては面接をした時には非常に有効な人材であると判断された場合にも、その配属をされた上司や先輩たちとの相性によってはなかなか成長を見ない場合もあります。

それはとても残念な結果に終わり早期退社などにもつながりますので、是非配属先上司との価値観にも触れてみてください。

価値観の照らし合わせるということにおいては価値観シートというものを活用してください。

各個人の仕事の上で大切にする価値観を5つ選びその中からその人の働くモチベーションを探り出すツールです。

雇ってはいけない人の見分け方 その7

“経営理念に従う“の続きです。

まずは各社の経営理念をしっかりと明確に把握していただいた上で、どんな人材が我が社では活躍できるのか。それを歪みなく真正面から一度見出していただきたいと思います。

ただし一部にはこの経営理念だけにはそこまでの表現がなされておらず、求める欲しい人材にまで活用することができないのかもしれません。

もしそうであれば、行動指針を参考にしてみてください。各社にある行動指針にはその会社で評価される行動が全て表現されていると思います。

この行動指針を面接の時にもうあらかじめ見せてしまうこともありだと思います。

私たちのこの会社ではこういう行動を大切にしている。こういう行動から外れた人はなかなか評価することができない。

そういうことを正々堂々と最初から伝えておくのもありだと思います。

これは各社の判断によりますがもし可能であれならば一度、公開してみてください。

その行動指針に対して面接をされる方からも何らかの意思表示があると思います。

もっと一歩踏み出すのであれば評価シートも見せてしまってもいいのかも。

人事評価で使われる評価シートは行動指針がより細かく解釈されているものだと思います。またそうあるべきであるとも思います。

そうであるならば最初からどんなことを評価されるのか。どんな資質、どんな姿勢が評価されるのか。そのことをあらかじめ公開してしまうのも有効であると思います。

どんな姿勢が評価されるのか、そのことをあらかじめ公開してしまうのも有効であると思います。

その評価シートを基に、その場ですぐに何かが起きる訳でもなく、もし当社に入社したのであればこういった項目によって評価がされていく。ただそれだけのことをお伝えするものです。

理念を明確に解釈しそれを面接対象となる方にお伝えいただくか、または行動指針を見せ評価シートを活動する。

いずれにしても同じ業種、同じ年齢層の方から作用するにしても会社によって評価される人材が違うということを念頭に置いた上で面接をしてみてください。

雇ってはいけない人の見分け方 その6

続きまして採用条件について書きます。

この採用条件についての大きなポイントは、二つに分けることができます。

まず一つ目は会社の経営理念に従うということです。

そして二つ目は絶対条件を持つということです。

まず一つ目の経営理念に従うこの重要性について書きます。

経営理念とは各社の経営者、いわゆる最高責任者の方の価値観が投影されている言葉であります。

その言葉の中にはその会社の中で評価される、いわゆる人事評価に繋がるような好き嫌いが、潜んで隠れているかと思います。

例えば全く同じ営業職の募集であったとしましょう。

Aという会社 B という会社、同じ営業職を募集するにしてもそこに求めるものはこの経営理念に従いギャップがあると思います。

例えばA社は非常に利益性の基準が高く、営業職の皆さんにはとにかくお実績を上げる。こういったことを価値高く指導していたとしましょう。

ところが B 社では、まずは実績を残し契約という結論を出す前に、お客様との関係性ヒアリングを十分に取り納得して満足してお買い物して頂きたい。ということを経営者の方が常日頃から指導で伝えているとしましょう。

このA社とB社では当然のことながら活躍しやすい人材の質が変わってきます。

とても人思いで結果よりもプロセスに力を発揮する人。こういう形であればA社の実績重視型ではなくてB社のお客様思いプロセスを重視する会社の方が評価され、そして生き生きと成長されていくことと思います。

ところが非常に個人の成績や自分自身の自己成長に価値観の高い方。その方がこういうB社に入ってしまうと、少し違和感を感じるかもしれません。

「営業なんだから結果重視だろう。」

という考え方が強ければ、なかなか B 社の社風には馴染むことができないものです。

今のこの例え話からでも全くこのA社とB社は異なった個性を持つ会社であり、その個性とは経営者の方の理念から発生してくることがあると思います。

雇ってはいけない人の見分け方 その5

雇ってはいけない人の見抜き方”の続きです。

最近多くの経営者によく言われることがあります。

何でそんなに最近の若い奴らを褒めて育てる。褒めて育てろ。そんなことをいちいち会社がやらなきゃいけないのか。

よく聞きます。よくそういうふうに尋ねられることがあります。先に述べたような若い方々の環境にあった場合、組織という新しい場所の中で、褒めて育てるというのは、極めて大事なことです。

家族の中で承認されず、家族の中で褒めてもらえず、自分の価値を見いだすことができなかった。

そういった人たちに対しては、新しい会社という会社の中で先輩や上司の人たちから

「良いよ。頑張れやればできるから。何かあればきちんとフォローするから。」

そういう言葉をかけてもらえることが大きな力となり、新しく生まれ変わるチャンスともなると思います。

面接の時に、万が一過去の核心に触れたとき、そういう自己承認ができていない側面を見出した。それでもその人の資質があるからと見込んで採用されるのであれば、前出したような“褒めて育てる”ということを意識していただきたい。

新しい環境の中で自己承認ができれば、きっとその人にとってその会社は自分自身の価値を初めて見出すことができた環境となり、会社に対する忠誠心は芽生えてくると思います。

その会社や組織に対して一、生懸命頑張りたいそんな気持ちにもなると思います。

まずは著しく自己承認ができていなければ、採用踏みとどまるのも一つの手です。

もしくは自己承認ができていなかったとしても、面接の中の話し、過去の核心の話しに触れたとき、この方には新しく踏み出す、褒めて伸ばして育ててあげてみてください。

きっと活躍される新しいエネルギーになるかと思います。

雇ってはいけない人の見分け方 その4

雇ってはいけない人の見抜き方”の続きです。

面接の時にはとにかく採用対象者になる方に、より多く語ってもらうこと。

この点においては面接官の方の質問をするスキルというものがとても問われます。

出来る限りその人の能力ではなく行動。ここが聞き出せるような多くの質問を投げかけて、その人に実際自分がどんな行動をし、その時どんな感情が動いたのか。

ここをしっかりと聞き込むべきである。

おそらくここまでの話が深堀できれば、話をする対象者の方も自分自身の事を語るのも面白くなり面接官の方とのコミュニケーションもとりやすくなると思います。

その時にその人の本質や、なかなか一辺倒の質問だけでは見出すことのできなかった資質みたいなものが見つかると思います。

出来る限り様々な角度から掘り下げた質問をする。

このチャンクダウンでもってその人の本音と本心を感じてみてください。

自己承認というキーワードについて、最後に少し補足をします。

この新入社員研修などを担当し、最近の若い方々と触れていていくつか感じることがあるのですが、この自己承認ということをテーマにするとやはり最近ではなかなか自分自身の価値を見いだせていない方が増えてきているような気がします。

中には生まれてからこれまで母親の手料理を全く一切食べたことがない、という方もいました。

中には生まれてからこのかた食べても、寝ても起きても、何をしてもいちいちいちいちダメダメと、母親から父親からそして両親だけではなく同居していた祖父母からも言われ続けたと言って泣いてくる子もおりました。

家族の中の環境というのは、とてもプライベートなことなのでなかなか踏み込んで話を聞くことはできないのですが、もし面接の中に自らがその一遍であるようなことを語りかけた時、その時にはぜひ温かい気持ちで聞き上げていただきたい。

もしかするとそういった環境の中で育った彼女彼ら達は、自分の自力ではその環境そのものを改善することはできなかったかもしれません。

いえ、できないと思います。

でもそうした自分の長く長く抱え込んでいた悲しみや苦しみを訴えることで、そこで一旦の気持ちの節目が付き、そしてそこまでのことを言わせてくれた会社、新しい居場所に対して期待を持ったり、その新しい場所の中で今度こそが自分を頑張って自分で承認できるように頑張ろう。そういう力が湧くのかもしれません。

雇ってはいけない人の見分け方 その3

雇ってはいけない人の見抜き方”の続きです。

これはよく言われる当たり前のことですが、入社してから何がしたいというような未来のことを尋ねる。これはもちろん情報を得るには有効であると思いますが実際には未来のことは建前になることが多いものです。

ところが過去体験してきたことこれは揺るぎのない事実であり、確信であります。まず未来のことを聞きに行く前に、過去のことについてしっかりと踏み込んで質問をすべきである。

幼少期にはどんな風に甘えてきたのか。どんなふうに大きくなるにつれ自立をしてきたのか。この時の感情のことを聞き出すというのがまず一つ目のポイントです。

具体的には唐突に幼少期のことを聞くということが抵抗があれば、ライフチャートなどを使う方法もある。

よくテレビなどの芸能人の過去を振り返る時に、パネルなどで見せられる、あの年齢別に、こう折れ線グラフで感情を描いたものです。

折れ線グラフがへこんだところは自分自身が充実をしていなかった。何か辛いことがあった時。

そして折れ線グラフが向上していけば、その時には充実感や幸福感を感じた時。こんなものを目の前でゲーム感覚で支えて頂きながらその時その時の出来事を聞きいただくと自然な会話が、自然な会話の中からその時の感情が拾える。

このライフチャートというのは、一つの提案事例ですので各社面接担当の方に沿った何かこういうツールができれば、それで良いです。

もちろん履歴書の中だけで、そうした情報が拾えるのであれば、それはそれで活用していただければと思います。

この過去の話の引き出しの時ですがぜひ面接官の方にはチャンクダウンということを気を付けで頂きたい。

チャンクダウンとは一つのテーマのことをより細かく、より深く聞き出していくというものです。

雇ってはいけない人の見分け方 その2

”雇ってはいけない人の見抜き方”の続きです。

4月には500名近い新入社員の方々、高校卒業の方、大学卒業の方、多くの新入生の方と接してきて、わずかな研修と言う時間内だけでもこうしたぐちや被害者意識が強い方を多く見かけることがありました。

その後その企業の情報を聞かせいただくと、入社して一週間や10日で退職をしてしまった。という最も悲しい事態が起きていたことを確認したことがあります。

ですからまずはこの自己承認ができている状態か否かを面接の時に正しく確認をすべきだと思います。

ではこの自己承認というものも少し詳しく書いてまいります。

この自己承認に自分が価値ある存在であると認識するのは、実は幼少期の体験が大きく影響をしています。

人は誰でも生まれた時には何も出来ずお母さんや周囲の家族から大事に育てられながら全てを依存するところから感情が芽生えていきます。

依存というのは当然誰かを頼るという感情ですので、この頼るという感覚が幼少期にたくさん保証されれば保証されるほど自己承認、自分は周りに頼って周りはその頼ったことに答えてくれた、私自身の甘えに答えてくれた。

その感情感覚が自分自身の心を強くしていきます。

およそ3歳ぐらいから幼稚園、小学生とこの甘え期の時にたくさん甘やかせてもらえた人はとてもこの自己承認感情が保証されていきます。

もちろん甘えたままではなく中学生高校生になると、今度は甘えという依存から自立に向けての反抗期を迎えます。

この中学校高校生の時代の反抗期、これも適切に味わっているかどうかというのは自立している心に大きく影響を与えます。

まずこの幼少期の甘え期、そして甘え期から自立期に変わっていく反抗期この時代の出来事をしっかりと面接で聞き込んでいただくことが重要になる。

雇ってはいけない人の見分け方 その1

今回は雇ってはいけない人の見抜き方をテーマで書いていきます。

まず初めに自己承認このキーワードをもとに書きます。

この内容は企業の業種や規模そして採用される年齢に関係なく、どの会社でも参考になる内容かと思います。

次に採用条件について書きます。採用条件に関しましては各社の個性が出るとても大きなテーマかと思います。

自分の会社の経営者の理念や価値観そのようなことを少しイメージしていただきながら読んでいただくと分かりやすい内容かと思います。

そして最後の部では試用期間の活用について書きます。

それまでに面接の時に気を付け頂きたいポイントを書きますが、その面接時に万が一見抜くことが出来なかったとしてもこの試用期間を活用することで最良ギャップを埋めていくことが可能となります。試用期間ぜひご活用いただきたいと思います。 では第一部の自己承認について書いていきます。

自己承認という言葉を一度も二度も聞いたことはあるかと思います。

自分のことを価値がある人間、自分で自分自身の事を大切な存在であると認識する力。この力を大人になってから健全な形で用いることはもしかしたらとても稀なのかもしれません。

ところがこの自己承認の具合を確認することは面接の時とても重要です。

この自己承認ができていない状態だと、どのような現象が起きるのか?

これはとても分かりやすく言えば被害者意識が強いという状態です。

したがって入社してから間もなく先輩や周囲の人間関係などについての愚痴が多くなり、悪い影響を及ぼしやすくなります。

またそれらの被害者意識が続けば、自分なんてこの会社にはいなくていい。どうせ自分なんて先輩たちからは可愛がってもらえない。

などの被害妄想も強くなり、早期退職という事態も招きいうことがあります。

労基署の臨検対応 その15

書類送検事例の検証1

「4店舗(飲食業)で従業員に違法な残業をさせ、残業代の一部が未払いであったと
 して、大阪労働局が労基法違反の疑いで、法人としての同社、事業推進部長、
 店長4名を書類送検」

具体的内容

① 36協定で定めた月40時間の上限を超えて時間外労働をさせていた(49時間超)

② 最長で111時間の時間外労働をさせていた(過労死ライン)

③ そもそも36協定の労働者代表の選出方法が適切ではなく、36協定が有効とは
  認められなかった

④ 2店舗において3名に割増賃金の一部(約30万円)を支払っていなかった
書類送検事例の検証2

背景

●同社は過去にも複数の店舗で長時間労働や未払い残業などの指導を受け、労働局は労務管理
   の改善を求めていた。

●u指導を受けて会社は、全社上げて「時短勤務」「7連休の取得」「労使間の意思疎通」を
    打ち出し、社長名でも労務環境の整備を発信した uしかし、改善が見られなかったことから、
 強制捜査。その過程である店舗の店長の残業記録

    改ざんを発見(実際は1ヶ月60時間を超えていたにもかかわらず、月30時間として申請)

  →レジの記録、従業員のICカード乗車券の記録、店舗の開錠時間等により発覚

●その他100時間超の時間外労働も明らかとなり、悪質と判断され会社と店長を書類送検した

書類送検事例の検証3

当事案の要点 u36協定の有効性が否定されたこと

 → 従業員代表が適切に選出されていない(会社が指名した者等)場合、
        36協定そのものが無効となる 

 → 36協定はないものとなり、1日8時間、週40時間超のすべての時間外労働が違法となる

●過去の指導について改善されなかったこと

 → 改善の取組、実施状況、結果など総合的に判断される。 u長時間労働の常態化と
   過重労働に対する意識の欠如

 → 「36協定超」は即違法、「100時間超」はアウトが意識されていなかった

●部長、店長らも書類送検された

 → 従業員といえども「使用者」