トヨタ生産方式のサイクルタイム
について書きます。
一般的に理解されているサイクルタイムは
「生産ラインのある工程における作業時間」のことをいいます。これだと、サイクルタイムが
長くなったり短くなったりバラツキがあることを認めますが、トヨタ生産方式ではサイクルタイム
はバラツキません!!
トヨタ生産方式のサイクルタイムとは、標準作業を決めて作業者に作業をさせ、その実際の作業の
中で1番早い1サイクルの手作業含めた時間の実績のことです。つまりbestな作業時間ですので
一つしかないです。
トヨタ生産方式を実践する中で「サイクルタイムがバラツク」なんて発言したら、とても怒られました。
bestな作業時間ですのでこのサイクルタイムより時間が掛かることが多々あります。それこそが
異常な状態としてムダ・ムラ・ムリが存在する改善のポイントです。
このサイクルタイム×良品数=可動時間(べきどうじかん)
と言います。稼働時間ではないです。
サイクルタイムがbestな作業時間なので、良品数を作成するためには決して可動時間より早くなる
ことはないです。理想は可動時間にすることですが、実際の時間は可動時間より長くなり、その差ロス
が異常な状態として認識されます。そのロスを示す指標を可動率(べきどうりつ)としてます。
しかしながら、サイクルタイムを単に「生産ラインのある工程における作業時間」にしてサイクルタイム
が長くなったり短くなったりバラツキがあるとすると、bestな状態が分からなくなり、異常な状態が
認識できなくなります。