タイ人の地政学まとめ

タイ人について地政学から見て今まで書いたことをまとめると、

タイの周辺国の大半は欧米の植民地・保護領となったが、タイは国土の一部を割譲したに留まり、英仏両勢力圏の緩衝地帯として独立を維持し唯一、植民地化を免れた国である。

欧米諸国や隣国と交渉をうまくやり遂げ大きな戦争もなく植民地にもならなかった、優れた交渉術である。

さすが、13種類の微笑みを持つ国である。

タイのエリートは声を荒らげ怒ることはまずない。ドッキリを仕掛けても怒らない。とても穏やかな人たちである。

寒い国や雨量の少ない国のように、飢えないように食料をためる必要がない。

タイの気候は熱帯性に分類され暑い雨量も多いので、 食料はいつの時期でもある。したがって昔しから年中食料に困ることはなく、飢え死ぬことはなく暮らしていける。

餓死の心配がない。したがって、ぜいたくをしなければ、

その日暮らし

でも生活ができる。仏教国なので欲を捨てその日暮らしで満足している。

バンコクに行くと、バイタク(バイクのタクシー)が多くいる。収入は少ないがサラリーマンのようにプレッシャーもなく自分の好きな時間に自由に仕事をしている。いわゆる自由人が多い。

サラリーマンのタイ人も、将来は小さなレストランでも良いので独立をしようとしている人は多い。

アジア通貨危機(1997年)アジア通貨危機では、車両メーカーが撤退したが、トヨタはその中でも残り、タイで部品生産をし日本へ輸出することを取り組んだ。

他の車両メーカーは当時はタイから撤退したのに、トヨタはタイに残ったので、タイでは今だにトヨタに対する信頼があり人気が高い。

タイ人は木に登り勘違いしやすい

タイ人は木に登り勘違いしやすい。

とにかく権力が好きであり、責任は取らないので、更に権力が好きになる。

したがって、その権力にしがみつこうとする。

クローズされた小さな世界でお山の大将になりたがる。

意外とエリートも同じで、勘違いする。

具体的に経験した例は、

タイで従業員3,000人ぐらいの日系の企業であるが、日本人を少なくし管理者もローカル化を進める日本の方針に従って、優秀なタイ人Aさんを副社長にした。

初めのうちはローカル化の方針に従って日本人を少なくするように進めたいたが、途中から日本人が役立たずの扱いをするようになり、日本の海外事業を管轄する上司を飛び越え、会長に直接日本人を非難するメールを出すようになった。

何事かと日本の海外事業を管轄する部署が、タイの事業を調べると、タイ人同士で仕入先などから個人的にリベートを強要することが横行していた。

直ちに方向修正をするが、出費が多くかかった。

タイでは10年以上勤務した従業員を解雇する場合、退職時の賃金300日分の解雇手当を支払わらなければならない。 副社長なので当然高給である。

ただし、タイはお金で解決しやすいのであとくされもなくすっきりする。

意外と問題となるのは通訳者である。

会社トップの注意や指導などを通訳者を通して言い続けると、通訳者の言葉がトップの言葉になり、通訳者がそのうち勘違いしてトップが言っていなくても忖度して勝手なことを言ったり、トップの言葉を伝えないまたは言い換えて伝えるようになり、いつの間にか通訳者が勘違いして会社を自分が運営してると木に登ってしまう。

恐ろしい。

引継ぎ状況 2019/04/10

2019/4/10時点の引継ぎ状況です。

2月上旬に社長へ「次の所が決まったので、男のスタッフを私の後任として誰か人選して欲しい。」とお願いした。

社長は1日考えて「今の女子と育休から復職する事務員のみで対応する。」と翌日回答された。

唖然である。今の事務員は

  1. 経験1年のメンタルなリスクのある女子
  2. 経験1年のパート女子
  3. 他部署と兼任の女子
  4. 育休から5月上に復職する女子

この構成員で、責任を持たせた月次損益、支払い決済、資金管理、給与計算、入退社管理、技能実習生(男)の管理などを遂行するのは不可能なのに。

私では説得できないので、専務や会計事務所からも説得してもらった結果、技術しか経験ない男子スタッフH氏を3月上に後任者に人選してもらった。但しその男子スタッフはブルガダ(Burugada)症候群であり、過度な負担はできない。

しかし、3月は技術のほうの引継ぎもあったので3月はほとんど引継ぎはできず実質4月から会計、労務の引継ぎはスタートした。

H氏は技術のことしか経験が無く、会計および労務については全くの素人なので、まずは貸方/借方から説明を始めた。

私は、6月1日から次が決まっているので、教えれるのは5月末までである。4月5月の2回しか月次を教えれない。その後はH氏を教える人は誰もいなくなる。

後ろ盾としては、会計事務所や社会保険事務所があるが、資金ショートなどは自社管理となる。H氏も持病を持っており、とても心配だ。

タイのモノづくりの実力

タイのモノづくりの実力について書きます。

タイ進出日系企業の1/3が赤字。しかし他の国と比べると良い。他の国は2/3が赤字企業。

タイは最終ASSYメーカーの黒字企業が多く、下請けも潤っている。

1997年のリーマンショックを境にタイの企業体質が良くなった。主な要因を2つあげる。

-1.リーマンショックまではタイの製造は安く粗悪品で成り立っていた。

リーマンショックでタイ国内の需要が無くなり仕事が無くなったので日本に逆輸入することになり品質が向上した。今では世界一の安くて良い品質の物を生産している国。

このためそれ以降に日系で参入してくる企業は競争に勝てなくなっている。

-2.リーマンショックまではタイの資本が51%以上必要でタイ人が人事、経理を主に管轄していた。その為不正が多発していた。

 人事:親族を優先し優遇していた。良い人材が活用されなかった。

 経理:横領が多発していた。

 以降タイ資本の制限が無くなり、人事、経理も日本人が管理することになり不正が激減し企業体質が良くなっている

1/3の赤字企業の主な要因は3つに分類される

 -1.目的(顧客ターゲット)があいまいで、景気の良いタイに進出すれば何とかなると進出した。

  前記で述べたように、今のタイは良い品質で安く作る実力があるので、つてが無い後発の参入は難しい

 -2.社内不正(信用するな!)   

 -3.為替のリスクで失敗 初期投資を日本から円建で借り入れたがその後の円高により返済金額が増えた。

タイの現在の最大の問題は人件費

 -1.マネージャークラスの人材不足

 -2.ワーカーの人件費のup

競合となるサプライヤーともコミュニケーションを取りあうとうまくいく。

タイは政治不安・洪水被害があってもどんどん日系企業が参入してくる。