トヨタ生産方式の活動で1ケ流しにこだわった事例を今回書きます。
トヨタ生産方式で改善を進めていくとまとめ生産(ロット生産)をより少量生産さらに究極には1ケ流しを目指した改善となってきます。
1ケ流しにすると、造りすぎのムダ、在庫のムダまた不良を直ぐに発見できるなどの効果があります。
生産ロットをできるだけ小さくする。究極は1ケ流しである。
しかし現状の生産ラインではまとめ生産はそこら中にある。
今回の改善の事例はダイキャストの工程とその後工程(=切削工程)である。
よくあるのが、ダイキャストの工程と切削工程は別々の場所にあり、ダイキャスト工程でまとめ生産しダイキャストの素材を切削工程に運びそれを必要数切削する。
ダイキャスト工程ではアルミインゴットとバリをアルミ溶解材が不足すると都度追加し、また添加剤も時々まとめて追加する。
そのダイキャスト工程と切削工程を連結して、作業者が製品1個を切削すると、それに必要なアルミインゴットやバリおよび添加剤を毎回投入するように改善した。
これにより、アルミ素材から加工まで1ケ流しとなった。ただしそのためには、ダイキャストと切削工程のサイクルタイムを一致させる必要がある。
切削工程の方がダイキャストの工程より長ければ切削工程を改善しなければならない。逆に切削工程が短ければ、作業者を減らすや他の作業(後工程など)を取り込むなどの改善が必要である。
簡単ではないが、実績の事例である。