労災の上乗せ保険の重要性 その9

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その9

損害賠償額の試算事例ケース1の続き。

(注2)死亡慰謝料について

被害者が受けた精神的苦痛に対する賠償。訴訟実務では,① 被災事故の内容,② 被害者の家族構成等を総合した上で,金額が認定される(2500万円~3000万円の範囲で認定されるケースが多い。)。

→ 本件では,被災労働者には扶養家族がいないので,死亡慰謝料は2500万円を一応の原則とする。ただし,パワハラの内容(業務上の必要性あり・なし),パワハラの行為期間,総務が取り合わなかった具体的理由に照らして,パワハラが悪質であったにもかかわらず,会社が適切な対応を採らなかったと認められる場合には,死亡慰謝料は増額されると考える。

※1)扶養家族がいない。養っていくべき家族はまだいないというところで償慰謝料の金額が少ない予測です。

※2)大切な息子が死んでしまいましたと言うことで、お父さん、お母さんが遺族固有の慰謝料として、これにプラスして請求してくることもあります。

※3)パワハラの内容で、業務上の必要性があったとか、単に厳しく言いすぎただけだとか、そういうものがなくて、いじめ的な感じでねちねちねちねちねちねちやってきたんだとか。パワハラの期間が長い間してきたのか判断される。

※4)会社の葬儀の対応が問われる。パワハラが悪質であったにも関わらず、会社が適切な対応を取らなかった。この場合は、会社はけしからんと裁判所は判断して死亡慰謝料が増幅される可能性はある。

(注3)葬儀費用について

葬儀費用は,葬儀,法要,その他諸費用が態様となるが,訴訟実務では150万円と原則としている。

※1)最初から少ない金額で言ってくる人はおりません。大事な息子だから、葬儀は一生懸命やってやりたいと。あるいは戸籍買いましたっていうことで、400~500万と請求される方もいる。ただ、自殺となると、なかなか大々的な葬儀ができないということで、逆に葬儀費用少ないというケースもあります。

※2)交通費も発生する場合もある。実家が北海道で名古屋の方に仕事に来ました。名古屋で亡くなりました。ご両親が北海道から名古屋往復する費用とか宿泊費、そういうものも損害賠償されることもあります。

※3)裁判となった場合、裁判になる前の段階でその方の家に行って、仏前でお参りをしてそれでこれだけの費用っていう話をされた時に、裁判で150万高150万しか入れませんと、そんなことは言いづらい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA