モノづくり企業の改革の必然性とその戦略 その6

奥田 碩 さんの講演内容です。

3.今後日本が取り組むべき3つの大きな課題

さまざまな問題を背景に、今日のわが国にとって、やらなければなら ない3つの重要で大きな課題があります。

第1に「揺るぎない技術大国日本の構築」。

第2に「日本の次世代を担う継続的な高能力人材づくり」。

第3に「未来に向って夢と生きがいがもてる日本の進路づくり」。

以上の3つに取り組まなければなりません(図 3.1 参照)。

3.1 ゆるぎない技術大国日本の構築

改革の基本方針であり、第1の大きな課題となるのが、「ゆるぎない 技術大国日本の構築」であります。今後のわが国産業のビジョンを考えるに際しては、先に述べた80年代のアメリカの考え方、すなわち、も ともとアメリカが優位性をもっていた金融分野において、さらに技術革 新を促進し、高度化を進めたという戦略に学ぶ必要があります。

3.1.1 技術革新の推進

 わが国における優位性とは、やはりモノづくりに一段と磨きをかけ、 そこから技術革新を推進することだと思います。わが国の特徴として、 技術革新が大学や研究所だけにとどまらず、日本中のさまざまな工場、 現場において、多数の現場の技術者、技能者が知恵をしぼり、工夫をこらして、無数の改善、発明を積み上げることで、大きな力を発揮してい る、ということがあげられます。こうした特徴こそがわが国の優位性で あり、これを将来戦略に生かしていくべきだと思います。

具体的にとるべき戦略として、日本経団連は 2003年1月に発表した 総合的政策パッケージの提言である「新ビジョン」において、「MADE “BY” JAPAN」戦略を提唱しています。前に述べた、「中国との水平分 業体制の構築」も、その重要な一環として位置づけることができます。 戦後のわが国は、加工貿易によって復興と発展を果たしてきました。 これはすなわち「輸出立国」であり、いわば「MADE IN JAPAN 戦略」といえます(図 3.2 参照)。 これは、世界から技術やアイデアを導入 して、それを改善して、より安く、より品質のよいモノをつくって、それを輸出するという戦略です。

しかし、世界第二の経済大国となったわが国が、いつまでも「輸出立国」を続けることは、もはや許されない状況にあります。これからのわが国は、「輸出立国」ではなく、「交易立国」をめざしていかなければなりません。それが「MADE “BY” JAPAN」戦略です。

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