労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その10
損害賠償額の試算事例ケース1の続き。
(注4)既払金について
労災保険給付のうち,特別支給金,特別一時金は損益相殺の対象とはならない。よって,本件での既払金は,877万2330円となる。
[計算式]8,211,000円+561,330円=8,772,330円
※1)法定の労災保険しか入ってないという前提のあの認定の金額。
※2)特別支給金や特別一時金はというのは福祉によるものであるから損害賠償の対象とならず控除対象にならない。
(注5)弁護士費用について
実務では,損害賠償金(小計-既払金)の10%相当額が,損害賠償の対象となる弁護士費用として認定される。
※1)訴訟になった場合はこれにプラスして弁護士費用を認められることになる。
※2)裁判レベルまでになってしまうと、その会社の方も対応できない。それで弁護士にお願いすることになってしまう。そうなると、その請求額だけ高ければ高いほど、会社側の代理人に払うお金も高くなっている。
※3)実務担当、例えば総務の人とか、あるいは上司の人に事情聴取したり、いろいろやったりする。それに伴うその機会損失が発生する。さらに管理レベルももっと高くなり金銭的評価できないが実質的に高額になる。
(注6)損害賠償金について
実務では,事故日から支払済みまで年5%の遅延損害金が加算される。
※1)8300かける5%一年当たり415万円/年となるので和解を進める一つの理由になる。
※2)仮に会社の方が「本人にも問題があるんですよ。本人の生活態度、あるいは性格に問題があったりいうところで、どっか病院に行ってました。」そういう形で争うとあっという間に一年過ぎてしまう。なかなか裁判で半年で終わりましたというのは無い。