副業希望者を活用し売上UP

現在日本国内で副業希望者が副業サイトに登録している人が13万人いるそうです。1年前は10万人で1年で+3万人も増えたそうです。

昨今、給与アップと言っているが物価も上がっているので実質賃金は上がってないと言われている

働き方改革などで36協定により残業も多くできない。今60才前後の方はバルブ時代にバリバリ働いていた方が多いので残業はとても多くやっていて残業代の収入も多かった。

ところが最近は残業はほどほどで収入は少ない。もっと残業できるのにと思っている人が多いと思う。

そこで副業ができるなら副業をしたい人が沢山いる。定時内で給与をもらい、その後副業で働きプラスの収入を得る。

そこで副業希望者を活用して売上UPさせることを提案します。

企業の商品の販売者として副業者と請負契約する。当社の製品を売ってくれたら手数料を支払う。

例えば工場に勤務している人に自工場て使うために請負契約する。

ただし留意事項があります。

1)副業者本人が務めている会社に販売する場合は、横領とならない事などコンプライアンスに留意が必要

2)一般個人と契約となるので反社会的勢力などでない事の身元の確認が必要

3)副業者を求めることを一般人に知らしめるPR活動が必要

6)先日より副業詐欺がニュースになっているので詐欺にならないように、または巻き込まれないように注意が必要

などの留意事項が必要である。

これにより36協定の縛りからも解除される。また社会保険料も給与分のみになり削減できる。本人も会社にとってもwin×winである。

日本人はもっと働きたい人が沢山いるのに、法律で働けないようにしているのはもったいない。日本の生産性が低いのは政府の取り組み方が悪いのでは。

新卒者の退職代行サービス

新卒者の早期退職が増えており退職代行サービスを利用する人が増えているとのこと。

昔より5月のGW明けで4月入社の新卒者が早期退職する人が増えている。

退職する旨を自ら会社に伝えるのが嫌で退職サービスを使い安易に退職できるようになった。

退職する理由も安易な理由の人がいる。いまの時代いやなら頑張らなくても良い風潮になっている。

しかし頑張らなくてどうする。ゆとり教育から頑張らないようになってきた。

頑張らなければ他の所(会社)に行っても頑張らずに辞めてしまう。

そしてニートになってしまう。すると収入がないので簡単に稼げることに手を出してしまう。闇バイトである。どんどん闇バイトに手を出す人が増えてしまう。

5年ほど前の情報であるが、従業員を一人採用するのに企業側は平均約80万円/人の費用をかけている。

それが入社して1ケ月で退職となると企業側も損失が大きい。相互に退職しない/させない努力が必要だが、最近の若者の「頑張らない」姿勢にはあきれる。

シニア世代にやる気を出させる方法 その2

前回、シニア世代にやる気を出させる方法を書き給与を2つに分ける方法を提案したが、もっと良い方法を見つけた。

それは、雇用契約を結びながらかつ個人事業として契約することである。

分かりやすく例で説明します。

A社とαさんが定時8:00~15:00の雇用契約を結び、かつA社とαさんがαさんの個人事業と請負契約をする。

定時8:00~15:00までは定例的な事務作業をし、15:00から革新的な仕事をする。拡販や業務改善や創造的な業務。

そうすれば、雇用契約の8:00~15:00まではやる気がない人でも定例的な業務を実施し、そして15:00からはやる気を出す。

雇用契約は給与振り込みになるが、請負の事業契約では別口になるので給与と別の銀行口座に振り込んでもらえる。

会社からの源泉徴収票も給与分に対して発行される。αさんは給与所得と事業所得を合わせて確定申告すればよい。

気を付けなければいけないことは、雇用契約での業務内容と事業契約の内容をしっかりと分かる必要がある。明文化すべきである。雇用契約でも事業契約でも。

通常、雇用契約では業務内容は決めず、勤務時間のみ明記されるが、そうしてしまうと業務がどんどん変わってしまい、いつのまにか事業契約の内容を雇用契約の中でやってまうことになる。すると事業契約の仕事がなくなってしまうので、そうならないように雇用契約の中で業務の内容を決めておくべきである。

さらにこれの良いところは、給与所得が少なくなるので、本人および会社の社会保険料が少なくなる。

またさらに、36協定の時間外労働の協定違反にも抑止力がある。

一石二鳥、いや三鳥である。

労災の上乗せ保険の重要性 その14

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その14

このように会社側に膨大な金額が発生することになりますのでお金の問題は、ある意味保険で対応してもらうという形でやっておかないといけない。

よくあるのは最初のそのボタンの掛け違いみたいなのがあって、例えば事故が発生しました。

第一報をご家族にしました。その時の対応が悪かった。こっちに来てもらう時の対応が悪かった。それでも全然もう被害感情が強くなってしまって、本当であれば話し合いで済んだものが話し合いですまずに色々ごちゃごちゃになってしまったので、非常にこれは多いです。

そういうケースだと大体、弁護士さんのところに相談に行って、弁護士さんから内容証明がきてあーしようこうしようっていう請求が出てしまう。

そういうのは本当に枚挙にいとまがないということになります。ですから、賠償の話とかは保険に入って、あとは弁護士に依頼をして、専門的なところはそっちに任せて、やっぱり大事なのは、被災労働者や遺族に対するケア。

そこのところを、会社の皆さんの方できちんとやっていただいて、そこを連携してうまくやっている。

そうすることによって。被災された方もさることながら、やっぱり周りの人は見てるんですね。一生懸命やってAさんが働いて、その人がこういう怪我してしまいました。あるいは死亡してしまいました。会社なんかこんなことで保険は入っていないは、減額の話はするは、ろく対応しないわってなってしまうと、働いている他の人たちのモチベーションがかなり下がる。

そういうことを防ぐためにも、お金の問題は保険って、そうじゃないところは会社の皆さんに一生懸命やっていただく

中に、遺族の方やご本人が問題の場合もいます。ただ、それは見てたらわかりますし、そういうものは弁護士等にスイッチしていただいて対応していただくと。そういうことが必要なのかなと思います。

そういうリスクが発生した場合のためには、上乗せ保険に入って対応できるようにしておくと言うところが非常に重要であると思います。

労災の上乗せ保険の重要性 その13

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その13

損害賠償額の試算事例ケース3の内容を書きます。

ケース3(取締役の工場での被災事故)

1 基本情報

 ① 被災者(常務取締役)  

男性/55歳(勤続30年)/妻・子二人(いずれも学生)

同族ではない。株式保有なし

※1)常務取締役であり従業員ではない。労災保険特別加入していない。要するに労災保険入っていないケースがあります。

 ② 事故当時の収入

    月給(基本給)     500,000円

賞与(4か月分)   2,000,000円

→ 年収8,000,000円

  • 被災事故

    工場における被災事故。(機械に撒きこまれた)

ICUで1か月間にわたって治療を受けてきたが,死亡。

※1)ケース1や2と異なり治療をしてきました。生存している期間がありました。その間の治療費は実費がかかります。

④ 労災保険給付

    特別加入なし

2 損害賠償額の試算  

損害項目    金  額   備    考

治療費      ○○円   治療費(実費)

※1)ICUは一日、いくらかかるか予想できない。ケースによっては一か月間で何100万円単位の治療費が発生しているというケースはある。

入院雑費     45,000円      =1,500円×30日

※2)入院雑費、入院付添費は定型的に認定されている金額です。定型的というのは。この被災された方のご遺族に弁護士さんがついたら当然請求してくる項目である。

入院付添費  195,000円      =6,500円×30日

休業損害   450,000円    入院中の所得補償

※3)亡くなるまでの間、当然働けなかったから、その分に対する補償です。

傷害慰謝料  530,000円      入院1月に対応する慰謝料

※4)亡くなるまでの怪我に対する痛みつらさなどの精神的苦痛に対する慰謝料です。

逸失利益  55,434,400 円  (注1)

死亡慰謝料 28,000,000円 

※5)亡くなるまでにある程度の時間が長かったという場合は慰謝料葬儀費用以外の損害も発生し、これも当然賠償の対象になってくる。

葬儀費用     1,500,000円  

小  計  86,154,400円 

既 払 金      0円  

※6)この方は、特別加入していませんので労災の支給は無いので既払いは全くなくゼロです。

つまり発生した損害がそのまま請求されることになります。

弁護士費用      8,615,440円  

損害賠償金     94,769,840円 

※7)亡くなるまで時間がかかることはまあまああります。その間、どうやってケアするのかっていうところがあります。損害賠償、お金の問題もさることながら会社の担当者の方がお見舞いに行ったり、ご家族に対するケアをしたりとか、そういうのも当然あります。辛い話であるがそこに注力をしないといけないと思います。

(注1)逸失利益について

(1) 基礎収入

   本件では,被災労働者の年齢(55歳)に照らすと,同人の現実収入が基礎収入と認定されると考えられる。

     ∴ 8,000,000円    

  (2) 生活費控除率

     被災労働者の家族構成等に照らすと,同人が一家の支柱といえる。よって,生活費控除率は30%と認定される。

       ∴ 30%

  (3) 中間利息控除

     実務では, 54歳以上の場合は,就労可能年数の終期を平均余命年数の1/2としている。

    → 被災労働者は,事故当時,55歳であった。この場合,就労可能年数は14年であり,これに対応するライプニッツ係数は9.899である。

       ∴ 9.899

  (4) 計算式

8,000,000円×(1-0.3)×9.899=55,434,400円

※1)被害者側が弁護士をたてもめますと妥結に時間がかかり遅延損害金がどんどん増えます。時間が経てば経つほどの元となる金額が大きいから遅延損害金がどんどん増えます。

労災の上乗せ保険の重要性 その12

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その12

損害賠償額の試算事例ケース2の続き。

(注2)死亡慰謝料について

本件では,被災労働者は一家の支柱であり,死亡慰謝料は2800万円を一応の原則とする。ただし,脳梗塞の発症前の残業時間が100時間超であったにもかかわらず,会社が時間管理を行っていなかったことを考慮すると,死亡慰謝料が増額される可能性は高い。

※1)原則として2500円から3000円の範囲というところです。一家の大黒柱の大事なお父さんです。扶養する家族がまだいます。というところで2800万円。

※2)亡くなる前に残業時間100時間超で、そこのところについて会社がきちっと対応してないということで会社側の対応問題があったり、悪質だというふうに裁判所に悪い心象を持たれる可能性はある。そうなると、死亡慰謝料が増額される可能性というのは高い。

(注3)既払金について

    労災保険給付のうち,特別支給金,特別一時金は損益相殺の対象とはならない。

本件では,遺族補償年金が支給されているが,使用者は,遺族補償年金前払一時金相当額(給付基礎日額の1000日分)につき,損害賠償の履行を猶予される(労働者災害補償法64条1項)。

このため,本件での既払金は,1451万7760円となる。

    [計算式](13,696円×1,000日)+821,760円=14,517,760円

※1)遺族年金が支給されているが、労災補償法上は、その前払一時金相当額については、損害賠償の履行猶予される。要するに1000万もらえるまでは、その分については払わなくて良いという規定があります。

※2)損害の合計額から既払金を引いて弁護士費用として10%加算すると、7100万円、7千万円強になる。あとはこれにプラスして、まあ遅延損害金とか、依頼した方の弁護士費用が発生してきます。

※3)仮に残業100時間超というものがそもそも未払いがあったとした場合は、当然、それに対する賃金及び割増賃金の請求も出てくる。

※4)悩ましいのは前述の訴訟の長期化になると死亡による損害賠償と残業の請求二本立てで持って来られた場合に残業について争いたい。時間が経てば経つほどの元となる金額が大きいから遅延損害金がどんどん増えます。そうなると、どっちをとるか、そういう難しい選択肢を迫ることになります。

労災の上乗せ保険の重要性 その11

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その11

損害賠償額の試算事例ケース2の内容を書きます。

ケース2(長時間労働による脳梗塞)

1 基本情報

  •  被災労働者  

男性/55歳(勤続30年)/妻・子二人(いずれも学生=まだまだお金がかかる)

  •  事故当時の収入

月給(基本給・管理職手当・家族手当) 450,000円

残業(100時間超)                         0円

賞与(4か月分)                   1,800,000円

→ 年収7,200,000円

③ 被災事故

  長時間労働(残業)に起因する脳梗塞によって死亡

  発症前の残業時間は月100超

  会社は時間管理を実施せず

※1)残業代が0円なのになぜ残業が100時間越えかというと、タイムカードあるいは会社のそのパソコンのログデータを確認すると、発症前の残業時間は月100時間超であることが判明した。

※2)会社は時間管理をきちんとやっておらず、本人の自覚に任せていた。あるいは一応、形の上では「あなた早く帰りなさいね。健康大事だから。」という。その程度の管理しかしていなかったという前提です。

④ 労災保険給付

   遺族補償年金 :2,752,896円

   遺族特別支給金:3,000,000円

   遺族特別年金 :  550,740円

2 損害賠償額の試算  

損害項目   金  額    備  考

逸失利益   49,890,960円  (注1)

死亡慰謝料  28,000,000円  (注2)

葬儀費用    1,500,000円     

小   計  79,390,960円     

既 払 金  -14,517,760円  (注4)

弁護士費用   6,487,320円     

損害賠償金  71,360,520円     

(注1)逸失利益について

(1) 基礎収入

   本件では,被災労働者の年齢(55歳)に照らすと,同人の現実収入が基礎収入と認定されると考えられる。

     ∴ 7,200,000円    

※1)今回のこの被災者の方は55歳です。そうなると、今後その劇的に上がるということは、なかなか考えにくいので事故当時の現収入が基礎収入として認定されることになってくる。

  (2) 生活費控除率

     被災労働者の家族構成等に照らすと,同人が一家の支柱といえる。よって,生活費控除率は30%と認定される。

       ∴ 30%

※1)この方は奥さんと子供2人。扶養しなければならない家族がいる。そうなると自分で使えるお金はほとんどないとなると、生活費控除率は30%。要するに、自分で使えるお金が少ないということになっているから、それぐらいしか使っていない。

  (3) 中間利息控除

     実務では, 54歳以上の場合は,就労可能年数の終期を平均余命年数の1/2としている。

    → 被災労働者は,事故当時,55歳であった。この場合,就労可能年数は14年であり,これに対応するライプニッツ係数は9.899である。

       ∴ 9.899

※1)これは非常に専門的な部分で裁判所のルールです。平均余命何分の一を認定していることになります。

  (4) 計算式

7,200,000円×(1-0.3)×9.899=49,890,960円

※1)過去には争われたケースがあります。退職金もらえたはずだと、本当であれば、定年まで勤め上げたらこれだけもらえたはずなのに不幸にしてこの歳で退職することになった。その差額分の請求されたケースがあります。金額的にはそんなに多くなかったが100万円単位のものがありました。

※2)遺族側の弁護士さんがそういった辺までよく勉強されている方であれば、そういう請求をされることはある。

労災の上乗せ保険の重要性 その10

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その10

損害賠償額の試算事例ケース1の続き。

(注4)既払金について

    労災保険給付のうち,特別支給金,特別一時金は損益相殺の対象とはならない。よって,本件での既払金は,877万2330円となる。

    [計算式]8,211,000円+561,330円=8,772,330円

※1)法定の労災保険しか入ってないという前提のあの認定の金額。

※2)特別支給金や特別一時金はというのは福祉によるものであるから損害賠償の対象とならず控除対象にならない。

(注5)弁護士費用について

    実務では,損害賠償金(小計-既払金)の10%相当額が,損害賠償の対象となる弁護士費用として認定される。

※1)訴訟になった場合はこれにプラスして弁護士費用を認められることになる。

※2)裁判レベルまでになってしまうと、その会社の方も対応できない。それで弁護士にお願いすることになってしまう。そうなると、その請求額だけ高ければ高いほど、会社側の代理人に払うお金も高くなっている。

※3)実務担当、例えば総務の人とか、あるいは上司の人に事情聴取したり、いろいろやったりする。それに伴うその機会損失が発生する。さらに管理レベルももっと高くなり金銭的評価できないが実質的に高額になる。

(注6)損害賠償金について

    実務では,事故日から支払済みまで年5%の遅延損害金が加算される。

※1)8300かける5%一年当たり415万円/年となるので和解を進める一つの理由になる。

※2)仮に会社の方が「本人にも問題があるんですよ。本人の生活態度、あるいは性格に問題があったりいうところで、どっか病院に行ってました。」そういう形で争うとあっという間に一年過ぎてしまう。なかなか裁判で半年で終わりましたというのは無い。

労災の上乗せ保険の重要性 その9

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その9

損害賠償額の試算事例ケース1の続き。

(注2)死亡慰謝料について

被害者が受けた精神的苦痛に対する賠償。訴訟実務では,① 被災事故の内容,② 被害者の家族構成等を総合した上で,金額が認定される(2500万円~3000万円の範囲で認定されるケースが多い。)。

→ 本件では,被災労働者には扶養家族がいないので,死亡慰謝料は2500万円を一応の原則とする。ただし,パワハラの内容(業務上の必要性あり・なし),パワハラの行為期間,総務が取り合わなかった具体的理由に照らして,パワハラが悪質であったにもかかわらず,会社が適切な対応を採らなかったと認められる場合には,死亡慰謝料は増額されると考える。

※1)扶養家族がいない。養っていくべき家族はまだいないというところで償慰謝料の金額が少ない予測です。

※2)大切な息子が死んでしまいましたと言うことで、お父さん、お母さんが遺族固有の慰謝料として、これにプラスして請求してくることもあります。

※3)パワハラの内容で、業務上の必要性があったとか、単に厳しく言いすぎただけだとか、そういうものがなくて、いじめ的な感じでねちねちねちねちねちねちやってきたんだとか。パワハラの期間が長い間してきたのか判断される。

※4)会社の葬儀の対応が問われる。パワハラが悪質であったにも関わらず、会社が適切な対応を取らなかった。この場合は、会社はけしからんと裁判所は判断して死亡慰謝料が増幅される可能性はある。

(注3)葬儀費用について

葬儀費用は,葬儀,法要,その他諸費用が態様となるが,訴訟実務では150万円と原則としている。

※1)最初から少ない金額で言ってくる人はおりません。大事な息子だから、葬儀は一生懸命やってやりたいと。あるいは戸籍買いましたっていうことで、400~500万と請求される方もいる。ただ、自殺となると、なかなか大々的な葬儀ができないということで、逆に葬儀費用少ないというケースもあります。

※2)交通費も発生する場合もある。実家が北海道で名古屋の方に仕事に来ました。名古屋で亡くなりました。ご両親が北海道から名古屋往復する費用とか宿泊費、そういうものも損害賠償されることもあります。

※3)裁判となった場合、裁判になる前の段階でその方の家に行って、仏前でお参りをしてそれでこれだけの費用っていう話をされた時に、裁判で150万高150万しか入れませんと、そんなことは言いづらい。

労災の上乗せ保険の重要性 その8

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その8

損害賠償額の試算事例ケース1の続き。

(注1)逸失利益について

    被害者が死亡しなければ,その後の就労可能な期間において得ることができたであろう収入に対する損害    

[計算式] 

基礎収入×(1-生活費控除率)×中間利息控除(ライプニッツ係数)=逸失利益

(1) 基礎収入

   若年労働者(概ね30歳以下)の基礎収入は,① 年功序列的賃金体系が採用されていることが多いこと,② 将来の昇給可能性等を考慮して,賃金センサスによる賃金センサスが採用される。

  → 本件でも,被災労働者の現実収入(4,014,000円)と賃金センサスによる平均給与額(産業計/企業規模計/男性/大学・大学院卒:6,637,700円)を比較すると,平均給与額の方が高額である。

     ∴ 6,637,700円    

※1)基礎収入としては663万円。平均賃金と言うが大卒の社員の方がだいたいこれぐらい貰える金額になっている。

この金額は現実収入と比べると倍近い金額になっておりおかしいと言われる方がいるが、若年の労働者、概ね30歳以下の方は、今後昇給して行く可能性があるので裁判事例では賃金センサスを採用される。今安いけれども、今後年をとったら上がってくる。

  (2) 生活費控除率

     生活費控除率は,被災労働者の家族構成等を勘案した上で,30%から50%の範囲内で認定される。

    → 独身男性の場合,生活費控除率を50%と認定するのが裁判実務の大勢である。

       ∴ 50%

  (3) 中間利息控除

     逸失利益は,将来にわたる稼動収入を現時点で賠償するものである。このため,中間利息を控除する必要がある。裁判実務では,就労可能年数を67歳までとし,同年齢までの稼動収入に対応する中間利息を控除する。

    → 本件では,被災労働者は死亡時24歳であったことから,67歳までの43年間にわたる稼動収入が逸失利益の対象である。

    → 43年分の中間利息を控除する必要があるところ,これに対するライプニッツ係数は,17.546である。

       ∴ 17.546

※1)この例の方の場合24歳だから、60歳、70歳になるまで、今後得られたであろうお金を今もらうとなると、例えば30年後の100万円と今の百万が同じ価値かというと、異なります。そこを適正に評価をされるのが中間利息控除と言う。

  (4) 計算式

6,637,700円×(1-0.5)×17.546=58,232,542円

労災の上乗せ保険の重要性 その7

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その7

次に具体的なケースの損害賠償額の試算事例の内容を説明します。

こういう場合にこういう請求がされるとか、だいたいこれぐらいの金額なんだと言うところを把握できれば良いと思います。

ケース1(パワハラによる自殺)

1 基本情報

  •  被災労働者  

男性/24歳(入社2年目)/独身(法定相続人は両親)

② 事故当時の収入

    月給(基本給)                  240,000円

残業(20時間)                34,500円

賞与(3か月分)     720,000円

→ 年収4,014,000

③ 被災事故

  上司のパワハラによる自殺。厳しいことをどんどん、ガンガン言われました。

  ハラスメント規程,相談窓口なし。

  被災労働者から総務に対し,総務に改善を申し入れたが,取り合わず。

・自殺したご本人には、もともとメンタルに何か問題があったというわけでもないし、私生活も家庭にも何か問題があったわけでもない。

④ 労災保険給付

  遺族補償一時金:8,211,000円

  遺族特別支給金:3,000,000円

  遺族特別一時金:1,643,000円

  葬祭料:          561,320円

両親が労災を申請して、上司のパワハラが非常に問題があった。

ご両親としては、やっぱり会社が許せない、あるいは上司のaさんが許せないということで、労災の保険給付をもらったんだけれども、不足分があるということで訴訟を提起された。

2 損害賠償額の試算

損害項目   金  額            備  考

逸失利益        58,232,542円   (注1)

死亡慰謝料     25,000,000円   (注2)

葬儀費用         1,500,000円    (注3)

小   計     84,732,542円 

既 払 金    -8,772,330円    (注4)

弁護士費用      7,596,021円    (注5)

損害賠償額     83,556,233円   (注6)

労災の上乗せ保険の重要性 その6

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その6

最近は労働者の権利意識の高まりというところがあります。

(5) まとめ

  「損害賠償の高額化」+「被災労働者(遺族)の権利意識の高まり」

   → 重傷事故や死亡事故の場合,労災保険給付があったとしても,損害賠償請求されるケースがほとんど

 → 損害賠償請求された場合のリスクへの備えが必要

昔は、そうは言っても労災からお金払われました。あと、見舞金ちょっと払いました。例えば今後もそこで働くということであれば、被災労働者の方も、まあ半分目をつぶり、それで何とかなっていたというケースはあります。

ただ近年労働者の権利意識が非常に高くなってきているという現実があり、あと死亡事故の場合、遺族の方の被害感情は非常に強いです。

それで示談で会社側としては示談で終わらせたいと言っているけれども、被害者側の弁護士さんと話をしていると、どうしてもそのご遺族の被害感情が強い。もう、裁判やるしかないと言われているケースもある。それに対して、いや、遺族の方がそういうのをやってるのがおかしいというのはなかなか言えないところはあります。

そういう権利意識、あるいは被害感情が強いというところがあって、そこのところに対して会社としてどうやって対応するのだろうか?

それで先ほどの例えば弁護士にお願いできるある程度の資金力があればいいんですが、ないとなったら、会社の例えば総務担当の方がでそういう窓口に立つことになる。

それは非常にすごいストレスが高いです。

いつ電話すればいいでしょうか?

どういう風に電話すればいいですか?

どのタイミングで会いに行けばいいでしょうか?

そういうことで本当にそのストレス高いなと思います。そして事故に対していろいろ文句を言われて、それに対して特に仕事としてごめんなさいしか言えないです。そういうところでストレスが非常に高い。

とある会社の例ですが、「労災事故が発生して何が何でも示談で解決してもらいたいです。ちょっと高くてもいいから示談で解決したいです。」

と弁護士に相談される会社がありました。弁護士か

「なんでですか?我々はどっちかというと争って損害賠償されたらこれどうやって少なくするか、そこのところについていろいろ事実関係をみたりしてで、過失について争ったりとかするんですけども。もう早く解決してくれとは何でですか?」と問うと、

「他の従業員が見てるんです。要するに、そこの会社のために一生懸命働いていた例えばAさんが事故がありましたと、で会社側がAさんのこの働き方問題があるっていうことであなたにも過失があって言い方をしてしまうと、他に働いてるbさんcさんdさんその人たちはどう思うか。」っていうところはあります。

そういうところも考えて、また会社全体の雰囲気を考えて、解決して行きたいというところが結構あります。

そういうそのご意向も踏まえ、弁護士は話をしてはいるが、何が言いたいかという、なかなか労災事故というのは、本当にいろんな人間関係とか損害賠償高額化とか、そういうところがあって、会社の担当者の方だけでやっていくっていうのは難しい。資金力についてもなかなか難しいというところなので上乗せ保険があれば、それに加入して何かリスクに対応する。無いことが一番であるが、いざ何か発生した時に対する備えとして、こういう保険に入って行くということは非常に重要である。

本当に肌感覚として感じている。ここまでは総論部分になります。

労災の上乗せ保険の重要性 その5

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その5

次に損害賠償金の高額化傾向ですが、これは現実だということで受け取っていただきたい。

(4) 損害賠償金の高額化傾向

   ① 慰謝料の高額化

   ② 重度後遺障害が残った場合

    例)後遺障害として四肢麻痺が残存した場合

    → 逸失利益(労働能力喪失率100%+生活費控除なし)

     +将来介護費(四肢麻痺の場合など)+後遺障害慰謝料

  → 損害賠償金が数億円に達するケースも多い。

まず慰謝料が非常に高額化しております。

過去の裁判例を調べて、例えば昭和の時代のある判決で慰謝料みますと、1000万円とか1500万とかなっております。最近の平成の20年過ぎになりますとケースによっては3000万円近くになっている。

慰謝料が相当高くなってきてるところがあります。

重度後遺障害が残った場合というところは、なかなかイメージし難いところがあるかもしれないが、例えば構内事故によって四肢麻痺になってしまいました。頚椎損傷して四肢麻痺になってしまいました。

そうなった場合に損害賠償としては、前述した慰謝料とあと働けないから逸失利益です。

これは将来の稼働所得に対する補償の逸失利益。

後は、これからのこの被災者の日常生活を見ないといけないというところで、介護費用というのが発生してきます。

逸失利益プラス将来介護費プラス後遺障害というところは一番大きな損害賠償として出てくる重度後遺障害がポイントです。

死亡事故の場合よりも会社が負担しなければならない損害賠償金額は高いです。

これまで過去に損害賠償額で一番高かったというのが2億とか3億とかいろいろ言われるが、それは重度後遺障害が残っているケースです。若くして不幸にして四肢麻痺になってしまいました。

例えば、20歳ぐらいから亡くなるまでの介護費用を認定します。介護費用は親族だけでいつまでもできるわけじゃない。いずれご両親やご家族がいなくなってしまった場合を考えると、職業介護人にお願いをしないといけないと。そうなると日額2万円というのもあります。

実際、例として交通事故ですけれども日額1万5千円とか2万とかの介護費用が損害として認定されたという例があります。

そして逸失利益というものです。当然、体が動かない場合は全く働けません。100%賠償しなければならないということになります。

労働能力喪失率100%プラス生活費控除なし。生活費控除というのはどういうことかというと、例えば死亡事故の場合は、まあ死亡することによって生きていれば発生したであろう生活費、食費とか色々もろもろです。そういうものを定型的に引く取り扱いです。

重度後遺障害の場合は、実際生きていて、それで色々生活をしないといけないというところがあるから、こういう生活費の控除というのはされないことになります。

過去いろいろ裁判例を見ると、そうは言っても、そういう重度後遺障害の方については、ある程度福祉とかがケアしてくれるから、その部分については実際生活費はかかりません。

そういう主張した裁判、被告の訴えられた側がいるけれども。ただ、現実問題として生きていると言うところが一点ともう一つは、福祉というものは、そもそも損害賠償から引くようなものではない。前述したように特別支給金と同じような趣旨でどれだけ手厚いケアを受けていたとしても、これを損害賠償の対象から引くということはされないと言うことになっております。

こういう逸失利益や将来介護費や後遺障害慰謝。重度の後遺障害を持った場合は、前述した通り賠償金が数億円に達するというケースが結構あります。

それを実際に払いなさいと言われた場合に、それだけのお金の準備があるか?中小企業ではないと言うところがほとんどであろうと思います。

そうなった場合にどうなるんだろうか。倒産ということになります。

会社が倒産するとなると、被災者お金もらえない。被災者だけじゃなくて、そこで働いていた人たちも職を失ってしまう。

そういうことが現実問題としてあります。

今回、数億円という話しですが、実際仕事やってるとそこまで達していなくても、例えば1,000万円とか2,000万円とかでもなかなか難しい。

じゃあ会社をたたみましょうか?と今相談されるケースもあります。

そういうところを考えると保険に入っておかないといけないのかな。

労災の上乗せ保険の重要性 その4

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その4

そして次に言われるのは、何のために労災入ってるんですか?強制加入労災は何のためですか?

ということですが、

 (3) 労災保険給付との関係

労働基準法84条 

この法律に規定する災害補償の事由について,労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)又は厚生労働省令で指定する法令に基づいてこの法律の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合においては,使用者は,補償の責を免れる。

2  使用者は,この法律による補償を行った場合においては,同一の事由については,その価額の限度において民法による損害賠償の責を免れる。

→ 労災保険給付が支給された場合,その価額の限度において,民法上の損害賠償の責任を免れる。

→ 労災保険給付が被災労働者の損害を全て補填しない場合,使用者は,その不足額について損害賠償義務を負うことになる。

これが労災保険給付との関係ということで、労基法84条ですが簡単にいうと労災でいくらか支払いがされましたがその分は支払い義務を免れますということになります。

例えば会社は1,000万の支払い義務を負っておりますと、それで労災から仮に300万の支給がありました。そしたら、まあ1000-300ですから残り700万円払いなさいということになる。

不足額については賠償義務を負うことになると思っています。

その労災保険給付にいろんな種類があります。

その全部が損害賠償の金額から控除されるわけではない。

控除されない典型例としては、特別支給金。そもそもこの特別支給金。というのは労災の目的の中の社会復帰の促進。要するに福祉的なところでお金払っているものであるから、これを損害賠償金からあの控除するのは相当ではない。そういう最高裁の裁判例があります。

なので、前述した300万円のうちの通常のその労災保険給付が100万円で、特別支給金が200万円であったとした場合は、1000万の損害賠償で、300万円もらったその労災保険のうち損害から引けるのは100万円だけということになってしまう。

それはおかしいと言われる会社の方もいますが、そこのところを争ったとしても結局、最高裁でこういう判決が出ていますから、それを争うだけ無駄です。争っても裁判所からそれに近いことを言われてしまいます。

つまり労災保険入っていて、そこから一定額支払がされたからといって、そもそもの金額が足りないです。さらにもらった金額も全部がひけるかというと、それだけではないということになってきます。

労災の上乗せ保険の重要性 その3

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その3

労災のいくつかあるが、次に具体例な典型例をあげて3つ書きます。

(2) 労災の具体例

   ① 構内事故(機械に巻き込まれる)

   ② 長時間労働による過労死(過労自殺)

   ③ パワハラに起因する精神疾患の罹患

    → 労働者の権利意識の高まりから,被災労働者による損害賠償の請求は拡大傾向にある。

まず一つ目は構内事故です。よくあるのは機械に巻き込まれるというものがあります。前述したように、安全装置とか、あるいはそういう危険な機械なのに自由に入れるような状態にしていたとか。その結果、不幸にして挟まれてしまって、死亡してしまったとか、あるいは後遺障害が残るような重度の障害を負ってしまったとか、そういったケースは実際にあります。

それでいろいろ話をした結果で会社の方でそれ相応の賠償額を払ったということはたくさんあります。

次に、長時間労働による過労死、過労自殺。こういうのもあります。

例えば、過労死、あるいは過労うつとなった時に、まず最初に言われるのは、タイムカードを出してください。亡くなる前のその月の平均残業時間が80時間以上でしたとか、あるいはその直前は100時間以上でした。そうなると、恐らく裁判所に持って行かれます。これは死亡した原因というのは長時間労働ですと認定される可能性は極めて高いと思います。

そうなった場合に、「例えば自分が勝手に働いてましたよ。会社としては早く帰るようにと言ってたんだけれど本人が責任感があったからか、一生懸命働いてくれました。そういう結果になってしまったことは不幸であり、大変遺憾ではあるけれども、会社としては損害賠償はおりません。なぜならば、労働時間については本人にあの管理させていたからです。」

そういう主張したとしてもまず認められない。むしろそういう主張してしまうと会社はきちんと時間管理をしていなかった。それだけ安全配慮義務を怠っていた。何よりの証明になってしまうということになってきます。

このような長時間労働による過労死、過労死するということもあります。

あと、最近多いのはパワハラに起因する精神疾患です。

メンタルになってしまいましたと言うのは、最近増えております。

うつ病になって自殺したというケースです。そこまでに至らなくても、うつ病になってしまって、上司からなんか言われました。その結果、鬱になってしまい休職する。仕事休みました、仕事戻れません。

原因はその上司による言動ですと。だから損害賠償請求します。

そういうケースも最近とみに増えております。

こういったケースは、お金を払うだけじゃなくて、払う前の段階で例えば労働組合の方からだれそれさんが当組合に加入しました。ついてはだれそれさんのパワハラ被害について団体交渉の申し入れをさせてください。

まあ、そういうような形ですね。その裁判でお金を払う前の段階のいろいろやり取りというところで、会社の皆さんの時間がとられるというところは結構多いと思います。

以上挙げたように労災にはいろんな例があるが、やはり人を使って仕事をして行く以上はこういったことが起こるかもしれない。

そこに対する備えというのは、非常に必要になってくると思います。

労災事故というのは、安全配慮義務に基づいて会社が負わなければいけない。その金額はまあまあ高いです。

労災の上乗せ保険の重要性 その2

労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その2

次の労災事故による損害賠償のリスクということですが、労災保険法に基づいて補償される労災事故が発生しました。そして会社がいくらか補償しなければならないというのが、ある意味、別物と考えていただきたい。

労災事故による損害賠償リスク

  (1) 労災事故

労働者が労務に従事したことによって被った死亡,負傷,疾病

   → 使用者は,労働者に対する安全配慮義務に違反したものとして,被災労働者に発生した損害を賠償すべき義務を負う。  

労災事故というのは、労働者労務に従事したことによって被った死亡、負傷、疾病、つまり仕事中の事故です。

仕事中の事故に対しては、これはまあ裁判上ですが、会社は労働者に対する安全配慮義務を負っているので、これに違反したから、怪我をさせてしまったものについては賠償しなさい。

そういうルールのもと裁判上は、事件を処理をするということです。

ここに書いてある労働契約法上というのは、安全配慮義務の条文

労働契約法5条 

使用者は,労働契約に伴い,労働者がその生命,身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう,必要な配慮をするものとする。

ここに書いてあるとおり、要するに怪我をしない、あるいは死亡しない、そういった為の安全の措置をこうじておかなくてはいけないということになります。

中には、「事故を起こしたのは本人の不注意だ。だから、会社は関係ない。賠償もおりません。」そういうふうに主張される会社の方もいるが、ただ、そもそもどうしてその事故になってしまったのか、そこの原因は明らかにするところです。

そもそもそういう安全配慮義務というか、事故防止措置をきちんと取っていなかったところです。そこに原因があって、事故が発生してしまったと。そういうケースもたくさんあります。そういうケースについて、じゃあ、これ本人が勝手に起こした事故だから、会社が賠償義務を負いませんと言えるかというと、そういうことではありません。

裁判所で争われた場合、会社としてはそういう事故が発生する危険な業務であると、そういう認識があるのであれば、事故が発生しないように、きちんと例えば柵を設けておくとか、安全装置を設置するとか、そういうことをやらないといけない。それをやらずに。労働者の、主体性として、この人がやると思ってましたとか、そういうような形である意味、見過ごしていたということになってしまうと、これは会社としては安全配慮義務に違反することになるから、損害賠償義務を負いますよということになります。

労災の上乗せ保険の重要性 その1

今回は労災事故の損害賠リスクに関して上乗せ保険の重要性について書いていきます。 その1

最近非常に損害賠償の金額が高額化しつつある。

そうなった場合、頼れるのは保険であると思います。

実際保険がなかったら、もうこの会社おそらく倒産するという事例も本当にたくさんありました。

そういった労災事故による損害賠償について実際の話を書いていくとともに、こういった場合はこれぐらいの請求額になりますと、いう事例を書いていきます。

最初は総論的な内容で、ある意味抽象論を書いていきます。

次に具体的なケースを上げて、こういった事故の場合はこれぐらいになるだろうという内容を書いていきます。

この記事を読んでいただいた皆さんが、今回の内容でまあ、だいたいこういうところが問題になるのかなとか。だいたいこれぐらい請求されるのかなと言うところを感覚で感じてい頂ければ幸いと思っております。

まずは、労災事故による損害賠償です。

よく言われるのは、「労災保険入ってるよ。まあ、通常のあの強制加入労災ですね。だから、労災事故が発生したらそれで対応してもらえるからいいんじゃないかと。」

そういうふうに相談される方がいますが、そもそも労災保険っていうのはどういうものであるか、そこを理解していきたい。

労災保険の目的

  : 被災労働者に対する簡易迅速な補償制度

  • 業務上の事由または通勤による労働者の負傷・疾病・障害・死亡等に対する補償
  • 被災労働者の社会復帰の促進,被災労働者及び遺族の援護など

→ 労災保険給付は,被災労働者の損害の全部を補填する制度ではない。

被災者に対する簡易で迅速な補償制度であり簡易で迅速というのがキーです。

定型的に、ある意味処理をすると言うところがあります。

だから、計算方法についてはある程度決まっており金額についても客観的な損害、裁判等で考えられている損害と比べると、認定される金額は格段に少ないです。

労災というのは、業務上の事由または通勤による労働者の負傷、疾病、傷害、仕事に対する補償です。

業務上の事故、あるいは通勤の事故、これによって怪我をされましたとか死亡されました。あるいは病気になりましたとか、そういった場合は補償します。

目的としては社会復帰の促進。不幸にして事故に遭ってしまわれた方に対して、行政の方で一定の補償をします。それによって社会復帰促進します。或いは大原則とするのは、被災労働者や遺族の援護というところがあります。

こういった簡易迅速な補償制度ですので、労災事故が発生しまたや、被災労働者に損害が発生しました場合、その全部が補償されるわけではない。そういう労災でお金が払われ、それで解決するわけじゃないというところ、まず第一に理解して頂きたい。

まずは、差額分として責務不足分について請求されるというリスクは非常に高いということは言えます。

働きながら治療 その9

今回は働きながら治療を支援する両立支援制度という内容の働きながら治療 その9です。

最後は健康経営に関して公の機関で実施している対策もご紹介します。

一つ目は共済健保です。中小企業の健康保険については協会健保に加入いる会社が多いですが協会健保は健康宣言事業所というものを行っています。

どういったものかという簡単に書いていきます。

協会けんぽの「健康宣言」事業

協会けんぽに所定書式による「健康宣言書」を送ることでエントリー

           ↓

「健康宣言チャレンジ認定証」交付。

 協会けんぽのホームページに「健康宣言参加事業所」として紹介される

           ↓

      宣言した対策の実践・取組み

           ↓

       協会けんぽへ状況報告

           ↓

   優秀な事業所を「健康取組優良事業所」として表彰

こちらは詳しくは各県の協会けんぽにホームページありますのでそちらの方向をご覧になって具体的内容をご確認していただきたい。

もう一つは国が実施している経済産業省の事業。どういったものかと言うと健康経営優良法人認定制度という制度です。

経済産業省の「健康経営優良法人認定制度

Q:国が健康経営を行っている企業を認定する制度があると聞きましたが・・

A:「健康経営優良法人認定制度」というものです。 

  経済産業省が特に優良な健康経営に取り組んでいる大企業や中小企業等を

  認定して顕彰する制度です。

  健康経営に取り組む企業を「見える化」することで、「従業員の健康管理を 

  経営的な視点で考え、取り組んでいる会社」として、社会から評価を受ける

  環境を整備することが目的です。

 

これも経済産業省のホームページありますのでそちらの方で確認していただきたい。

しかしこれはなかなかハードル高そうで認定期限とか条件があります。まずご覧になって頂いて果たして可能かどうか検討頂くことになると思います。

以上、働きながら仕事と治療の両立支援ということを書いてきました。

今後そのようなケースがでた時に会社として従業員に対して福利厚生の一環として会社はこういった制度を設けるということで安心して頂ける会社という環境整えて、昨今の人材がなかなか取れない状況のなかで非常に重要な考え方かと思います。

働きながら治療 その8

今回は働きながら治療を支援する両立支援制度という内容の働きながら治療 その8です。

最後に健康経営について提案します。

「健康経営」とはどういったものかというと、

Q:最近、「健康経営」といいう言葉をよく聞きます。どのようなものですか?

A:「健康経営」とは、健康管理を経営的な側面から考えることです。企業が健康

  管理を経営戦略として、生産性向上を目指し、企業の発展を目指すものです。

  健康を管理した、管理するということは経営戦略の一つだということになる。

Q:その背景は何でしょうか?

A:生産性向上もさることながら、昨今は人材の確保と定着が重要な目的です。

  人材の採用と定着は、企業発展の重要なファクターです。

  最近、本当に人手不足でなかなか取れません。

  従業員の健康に配慮することをアピールすることにより、企業イメージの向上   

  につながります。人材の募集においては差別化が図られ、既存社員については

  安心して働ける環境となり、定着促進を図ることができます。

そういった意味で自社が健康に関してちゃんと取り組んでいますということをどう対外的に発信するかという事が一つの重要なことになってきます。

一つの方法として自社のホームページに自社の健康に関する取り組みを載せてアピールする方法があります。例えば下記の様に健康経営の取り組みを自社のホームページで宣言してアピールするということを例として出しています。

健康経営への取組み宣言

当社は従業員の健康に配慮することで、経営面でも大きな効果が期待できる「健康経営」をテーマにすることにより、従業員がいきいきと働ける環境を作り上げることを目指します。

また、長期の治療が必要となる病気にり患した従業員については、治療と仕事を両立して、継続的に仕事ができる環境を整える支援をいたします。

以上の目的を達成するために、以下の取組みを行います。

① 健康診断の受診率100%への取組み

② 必要な従業員に対しての法定を上回る健康診断等の実施

③ 精密検査や治療が必要な従業員に対しての受診の勧奨

④ 就業上の配慮が必要な従業員に対しての改善対策

⑤ 過重労働削減に向けた具体的方策の策定

⑥ 管理職・従業員へのメンタルヘルス対策を含んだ健康研修の実施

⑦ がんなどの病気にり患した従業員に対して、治療と仕事の両立支援の規程策定および対策の制定 

                   年   月    日

 株式会社        代表取締役

この内容は先述しました両立支援で健康診断の配慮あるいは、今もうなってしまったメンタルヘルスを総合的対策しますということを示しています。

これは当然会社によって取り組みによって内容が変わってきますがこういったことをアピールするということでホームページを見た場合、たとえばある会社に応募しようと見たのでそのホームページも健康宣言があったと、ちゃんとした会社だなと健康について大丈夫だなという印象を持たせるという効果があります。

働きながら治療 その7

今回は働きながら治療を支援する両立支援制度という内容の働きながら治療 その7です。

先述では病気にかかった場合の話だったが、病気を予防する措置として会社としての配慮です。

具体的には健康診断でありますが当然、法定体健康診断を実施しておりますが、健康診断実施規程というものなかで法定を上回る措置をすることをやっている。

具体的にどういったものか。対象としては想定しては管理職の方で中高年の方や重労働の方をターゲットにして前述のような病気にかかることを予防するという措置を設けてます。

では具体的といったものか。法定外の健康診断というものを設けている。

対象として40歳以上の中高年の従業員で会社に受診を申し出た方については法定健康診断プラス法定外の健康診断を実施します。

もう一つは法定の健康診断を受けて半年以内、6ヶ月以内に月80時間超えの時間外労働休日労働を行った者、つまり過重労働者です。この方が申し出た場合はプラスアルファの健康診断を会社の費用で行うというのがまず一つです。

次に人間ドックです。人間ドックというのは当然、法定健康診断よりも色々な項目がプラスであり疾病予防には有効ですが、それも会社が負担しますよという規定です。

まず対象者は課長以上。前述の区分で言うと管理職です。課長以上従業員には法定健康診断として人間ドックの受診をする。つまり法定の健康診断のみで終わるのではなく、法定プラス人間ドック。要するに法定健康診断を法定以上の項目をやりますということです。

当然、法定なので費用は会社が負担する。

今度は法定健康診断で結果が要治療より上だった場合。つまり所見が悪かった場合、この方については定期健康診断として人間ドックを受診しなさいと命じる。

直前に受けた健康診断で要治療中だったという場合は次の健康診断は人間ドックを受診しなさいと定めている。

これも予防措置となります。いづれの場合も会社が認めた内容になる。課長以上の管理職は会社にとって非常に幹部でありこの方々が倒れると非常に困ります。かつ要治療となった方これは管理職も一般の方も関係なくてそのまま対策を怠っているとさらに深刻な事態になる。それを予防するために健康診断人間ドックとして受診させるということです。

要するに会社として非常に貴重な人材、管理職の方、健康について非常にリスクを負っている方、過重労働者、健康診断の要注意以上の有所見者、こういった方に対しては会社がプラスされた定期健康診断あるいは人間ドックで増悪発症を抑えるということを目的としたプラスアルファの実施規定です。