生産性を高めよ。機械を止めるな!

先日、上司が「生産性を高めよ。機械を止めるな!」と言った。びっくりした。

昔ながらの古い社長で、現場を見回ったとき、機械が動いいるとご機嫌で帰っていき、機械が止まっていると不機嫌になる社長が多かったと聞いたことがあるが、いまだにそのような考えを持った人がいたとは。それも上司で。びっくりした。

それもその上司はデンソー出身だとこの。デンソーといえばトヨタ生産方式を浸透していると認識していたが、こういう考えの人もいるのだと。

「生産性を高めよ。機械を止めるな!」となると、とにかく機械を止めなければよいことになる。機械を動かすほどの仕事量が無くても、不要な在庫を作る。機械が動いているふりをする空運転をする。不良をどんどん作る。不必要なトライをし続けるなど、とにかく機械を動かし続ける努力をしてしまう。

やはりここは前述したように可動時間と必要数をしっかり明示して可動率で管理すべきである。

日本語が通じない

トヨタ生産方式を展開している人から良く「日本語が通じない。」と言っているのを聞いたことがある。「日本語が通じない。」相手は、トヨタ生産方式を理解していない人たちだ。

トヨタ生産方式の用語のレベルは色々あるが、基本的なことを理解していないと、その後も全くすれ違ってしまう。

例えば、可動率である。可動率を算出するには、良品数または必要数やサイクルタイムや可動時間が必要となる。これらの基本的な要素指数の扱いも間違ってしまう。

日本語が通じないのは今まで成長してきた環境が異なる要素がが大きい。社会人になりトヨタ生産方式を触れずに成長し、あるときトヨタ生産方式の考えを教えても全く心に伝わらない。言葉では何となく言っていることはわかるが、内容の本質は理解されない。ましてやその周りがトヨタ生産方式に触れたことが無い人ばかりでは全く理解されない。そんな集団にどうすればよいのか。

基本的なマインドの教育から必要であり大変な長い道のりである。

先に上げた、良品数または必要数であるが、トヨタ生産方式を理解していないと生産性の指標で生産数を使いがちである。トヨタ生産方式はでは良品数である。生産数とは大きな意味の違いがある。

サイクルタイムであるが、トヨタ生産方式を理解していないと実績の平均値を使うことがある。平均値はあるベストの日の値、またはあるベストの時間の値など。まったくトヨタ生産方式のサイクルタイムとは異なる。

そしてサイクルタイムとは基準である。その基準がトヨタ生産方式を理解していないとない。

こんな一つ一つが理解されず、「日本語が通じない。」となってしまう。

中小企業の生産性指標の例

ある中小企業の製造業の生産性指標の例を書きます。

そこの企業の生産性の指標は、アワーレートである。算出式は、

付加価値額÷勤務時間=アワーレート である。

・付加価値額は、総売上-総仕入費=付加価値額

・勤務時間は、従業員のΣタイムカードによる勤務時間 である。

これにより従業員が1時間で稼いでいる金額が出されている。もし、全従業員のΣ給与÷勤務時間より下回っていれば人件費だけで赤字となる。

しかしこの指標では問題点が分からない。

付加価値額が低いのか、それとも勤務時間が長いのか、どちらが問題かわからない。または、どちらも問題であるかも。まったく狙いどころが分からない。

そんな中で、「上司から生産性を上げる改善をすること。課題を顕在化し優先度を決めて進める事。」と言われ、

「課題は生産性の指標をアワーレートにしていることだ。生産性の指標を可動率にすべきだ。」と提言すると、

「指標で生産性が上がるのか。生産性を上げる活動をしてください。」

と、とにかくもぐらたたき的に気が付いた改善をせよとのことで、全く理解されない。

前回書いたように、重点指向ができない。何が問題か把握できず、とにかく改善をせよ。と

改善をした後、その成果を監視・管理もしないし、するつもりもない。

修正不可能だ!

中小企業と大企業との差は重点化である

中小企業と大企業はなぜ差が付くのか考えてみた。

中小企業でも大企業でも課題(問題)は大小とても沢山ある。

しかし大企業と中小企業の大きな違いは、中小企業は重点化ができない/しない/弱い。

中小企業は目の前の問題をつぶすことで精いっぱい。重点志向化せずモグラたたきの様に取り合ず目の前の問題をつぶしていくので精一杯なので、さらに重点志向しなくなる。

重点化ができない/しない/弱いのでデータの分析も弱く、また、集めるべきデーターも無く、集めたデータも誤った内容となっている。

これでは大企業との差はどんどん差が付くが、すべての中小企業がそうではない。うまく重点志向ができ大きく成長した中小企業もある。

トヨタ生産方式:可動率と設備総合稼働率の違い

設備総合効率と可動率(べきどうりつ)の違いについて以前書きましたが、

今回もう少し違う視点で違いを書きます。

先にも書いたように、可動率は

可動率=可動時間÷実稼働時間

で算出されます。可動時間はΣ(サイクルタイムx良品数)で、まず可動時間を出してから実稼働時間で割る考えです。まずは、可動時間の分子から。

つまり良品数を製作するのにロスがゼロのあるべき姿の時間を出してから、実際に稼働した時間で割る。

設備総合効率は

設備総合効率= 時間稼働率 × 性能稼働率 ×良品率

で算出されます。

時間稼働率ARは、段取り停止や、故障停止やスタートUPのロスを示し、実際に設備が稼働した時間に段取り停止や、故障停止やスタートUPのロスで停止した時間を加えた総時間で割って算出

 時間稼働率=設備稼働時間÷(設備稼働時間+停止時間)

性能稼働率PRは、設定したサイクルタイムに対し作業時間のスピードのばらつき、遅れを示し、設定したサイクルタイムに対しスピードがばらついた時間が含んだ時間稼働率で使った設備稼働時間で割って算出

 性能稼働率=(サイクルタイム×生産数)÷設備稼働時間

良品稼働率QRは、良品の数を生産数で割った良品の率を表します。

 良品稼働率=良品数÷生産数

つまり設備総合効率は

 設備総合効率=(サイクルタイム×良品数)÷(設備稼働時間+停止時間)

となる。これはつまり先に実際に稼働した総稼働時間(設備稼働時間+停止時間)の分母を出してから、分子を出す。まずは実際にかかった時間。

つまり、可動率はたとえ定時割れになっても可動時間を先に出して可動時間を出す。

逆に設備総合効率は実際に総稼働した時間を出してから率を出す。

可動率は今日働くべきの時間を先に明示し、設備総合効率は1日が終わってから発生する。

考え方が全く違う。

トヨタ生産方式の最も悪いムダは「造りすぎ」である。先に良品数(必要数)から可動時間を出すのはその考え方に沿っている。

原価の種類

前回原価管理の活動について書きましたが、今回は原価の種類について書きます。

原価には

実績原価(実際原価)

見積原価

企画原価

目標原価

標準原価 がある。

それぞれについて説明しよう。

実績原価(実際原価)は実際にかかった原価である。その期間はそれぞれの設定による。

見積原価は製品を製作するのに予想した原価である。客先へ見積り価格を提示するときなどに使われる原価である。

したがって、実績原価(実際原価)と見積原価は扱いが全く異なってくる。

企画原価は見積原価と似ており、事業を企画する際に検討した予想の原価である。

目標原価は、プロジェクトに対して目標にした原価である。

標準原価は、予算作成などに活用する原価である。これは実績原価(実際原価)を元に設定されることが多い。

このように原価と言っても色々あり、誤って使うと大けがをする。

今努めている会社の原価は見積原価しか把握しておらず、実績原価を把握していないので製品ごとに見積原価以下で製作できているか分からない状態なので反省もできない/しない状態である。

したがって改善改善といっても何を目標に改善すれば良いのかわからないのでモチベーションも上がらない。

原価は生き物である

原価は生き物である。

トヨタ自動車で原価管理の講習会を受けた時のことである。その時の講師がトヨタ自動車の原価管理の人であった。

その方いわく「原価は生き物である。したがっていつも手綱で引っ張っていないと、直ぐに原価が上がってしまう。常に管理してぎゅうぎゅう絞っていないと上がってしまう。」

と言っていた。その方はトヨタ生産方式のように原価管理もトヨタ式を定着させたいと申していました。

原価管理は原価改善と原価企画の二つから構成されている。

原価改善とは現状の原価を低減させる活動である。

原価企画はこれからの製品の原価を設定する活動である。

私も原価管理を経験していた。

原価管理では生産の改善やVAにより原価を低減するネタ出しをして、それを実施する計画を策定しフォローしていた。

原価企画では、新製品の新規部品の見積りを取り新製品の原価を策定し、販売の価格に対し原価が今どうなのかを確認し目標原価に達するように活動した。

見積り先を見直したり、工程を見直したり、また見積りが類似品と比較して適正かどうかなど。

そして原価企画を節目ごとに実施して開発から量産化へのフェーズに移ることができる管理項目となっていた。

仕事の問題は8割がコミュニケーションの問題

仕事の問題は8割がコミュニケーションの問題であり、コミュニケーションができていれば問題は解決できる。

といってもコミュニケーションはとても難しい。ただ言っただけでコミュニケーションできているのではなく、受け取った人が真意を理解しそれを実践できなければコミュニケーションができているとは言えない。

仕事のなかで業務を依頼する、指示することは常に発生する。そこで仕事の内容を伝え正しく受け取っていれば問題なく仕事を遂行するが、正しく内容を伝えきれず理解しているだろうと思っていると誤った結果になる。

伝えた方は「そんなことわかるだろう。当たり前だろう。」と思っていることでも受け取った方は「そうとは思わなかった。」などすれ違いは多々ある。

コミュニケーションは言葉だけではなく、五感を使って伝えることが必要である。

技術の伝承もそうである。言葉だけではなく指の感触や調理の場合は匂い含めコミュニケーションができていれば技術は伝承できる。

また不良品を作ってしまった場合も、伝える内容が不足していたり、受け取る方が理解不足だったり、また理解不足を伝えまたは理解せずに放置してしまうコミュニケーション不足である。

さらに不良品を流出してしまうのも、チャックのやり方の指示ミスや、チャックしていることの確認不足のコミュニケーション不足である。

このように、コミュニケーションがしっかりできていれば問題は解決できる。逆にしっかりコミュニケーションが取れていればスムーズに阿吽の呼吸で仕事は進んでいくだろう。

機械加工の全自動化

最近のNC旋盤やマシニングセンターがかなり進歩している。

しかし現時点ではある物を加工するのにプログラムを設定するレベルの高いエンジニアが必要で大変な工数をかけている。

今後、AIの活用によりこういったエンジニアが不要になり時間をかけずに材料をポンと入れたら製品が出来上がるようになると良い。

まず、図面をスキャンまたは製品の現物をスキャンしたら、加工方法および加工プログラムをAIが勝手に作成する。

刃具は事前に設定した刃具をセットしておく。また加工毎にチップの摩耗を測定し加工補正を自動でする。

チップの交換が必要となったらお知らせが出てワンタッチで交換する。

そして出来上がった製品現物をスキャンし自動で判定する。

ここまでくれば小ロット品の機械加工現場でもAIを有効に活用できる。楽しみである。

生産調査室は役者揃い

トヨタの生産調査室は役者がそろっている。

その事例を書きます。

トヨタの自主研究会(以下、自主研)の会場は実際に自主研が実施される前に徹底的に会場会社側が現場改善を進める。4Sにとどまらずやれる改善を自社で独自に進める。

その改善をやり切った後に、メンバー会社が集まってさらなる改善をするのでその現場は自主研が終わった後は、かなり生産性が上がる。

自社で事前に改善を進めたレベルでその会社の改善能力が判断できる。

ある年、当社が自主研の会場となり自社で自主改善を実施し、自主研の当日、トヨタの生産調査室(以下、生調室)の銀屋さんがようやってくれたと涙を浮かべて褒めてくれたことがあったと聞きました。

生調室の方はそこまで生産ラインについて思入れがあるのかと思いました。

また何年かし、再び自主研の会場となり、今度は前記したようにプレスのコイルを途中で止める投資をして改善をして自主研の初日を向けることになり、今度はまた林さんが「ようやっってくれた。」と涙目にしたと。

林さんは銀屋さんの直系の部下で、林さんも生産現場について思入れが深いと思いました。

また、自主研の最中にいろいろ議論する場があります。そこで、みんなが恐れている〇巻さんが意見を言ったら、隣にいた林さんが「違うだろ!」と言ってファイルで〇巻さんの頭を上から、バチーンと叩いた。

そこにいた各メンバーはとても驚いた。震え上がるほど恐ろしい〇巻さんをファイルで頭を叩いた。

もう皆はビビッて会議の緊張感がピリピリになった。これも演技か。すごい!

TPS:1ケ流しの改善事例

トヨタ生産方式の活動で1ケ流しにこだわった事例を今回書きます。

トヨタ生産方式で改善を進めていくとまとめ生産(ロット生産)をより少量生産さらに究極には1ケ流しを目指した改善となってきます。

1ケ流しにすると、造りすぎのムダ、在庫のムダまた不良を直ぐに発見できるなどの効果があります。

生産ロットをできるだけ小さくする。究極は1ケ流しである。

しかし現状の生産ラインではまとめ生産はそこら中にある。

今回の改善の事例はダイキャストの工程とその後工程(=切削工程)である。

よくあるのが、ダイキャストの工程と切削工程は別々の場所にあり、ダイキャスト工程でまとめ生産しダイキャストの素材を切削工程に運びそれを必要数切削する。

ダイキャスト工程ではアルミインゴットとバリをアルミ溶解材が不足すると都度追加し、また添加剤も時々まとめて追加する。

そのダイキャスト工程と切削工程を連結して、作業者が製品1個を切削すると、それに必要なアルミインゴットやバリおよび添加剤を毎回投入するように改善した。

これにより、アルミ素材から加工まで1ケ流しとなった。ただしそのためには、ダイキャストと切削工程のサイクルタイムを一致させる必要がある。

切削工程の方がダイキャストの工程より長ければ切削工程を改善しなければならない。逆に切削工程が短ければ、作業者を減らすや他の作業(後工程など)を取り込むなどの改善が必要である。

簡単ではないが、実績の事例である。

TPS:造りすぎのムダの改善事例

トヨタ生産方式の「造りすぎのすぎのムダ」の活動事例を今回書きます。

トヨタの自主研で自社が会場となったことの事例です。

トヨタ生産方式では「売れる分だけ作る。」という考えが基本にあります。

しかし実際の生産現場では造り側の事情により売れる分以上に作ってしまうことがあります。

その例がコイル材を使ったプレス工程です。

コイル材は結束バンドで締めて巻いているコイルが伸びないようにしております。

板厚が10ミリもあるコイル材ですと結束バンドをほどくとスプリングバックの威力でコイルが飛び跳ねてしまいとても危険です。工場が破壊され、人命にもとても危険なものです。

したがって、検束バンドを一度ほどいたらそのコイルは最後までいっぺんで使い切るのがプレス工程の常識です。

しかしそれでは売れる分以上の生産をしてしまうので、売れる分以上の生産した分は在庫として保管しておきます。

するとその在庫管理が大変である。品番別の置き場所、先入れ先し、在庫数、錆防止、、、、など。

それでも何としてでも売れる分だけ生産することにこだわり、コイル材でのプレスを途中で止めコイル材を保管する装置を3,000万円かけて作りました。

その3,000万円のコイルを途中で止め保管する装置を自主研の時に生調室の方に見てもらったらとても喜んでいただいたとのことで。「よくやってくれた。」と涙目になったとのことです。

3,0000万円をかけるまでの費用対効果があったがどうか疑問があるが、売れる分だけ作る思想にこだわったのはすごいと思う。

豊田一族は一代一事業

豊田一族は一代一事業という豊田家のモットーがあるそうだ。ホントかどうか知らんが。

ちなみに

豊田佐吉は織機の自働化をなしとげ豊田紡織をつくり豊田自動織機の礎をつくった。

豊田喜一郎は豊田佐吉の意思を継ぎ豊田自動織機を設立し、その豊田自動織機の中に自動車部門を設けトヨタ自動車をつくった。

豊田英二は豊田喜一郎から久しぶりの豊田家の社長となった人である。トヨタ自動車倒産の危機を乗り越えトヨタが世界販売に出た。大野耐一トヨタ生産方式を生み出した。またトヨタ学園およびトヨタ財団をつくった。この時代にトヨタ自動車の足固めができたと思う。以降の社長はトヨタさらなる発展させた人だろう。「トヨタ中興の祖」と言われている。

豊田章一郎はトヨタの世界進出をなしとげ、またトヨタホームをつくった。

そして豊田章男Gazooを作り、さらに町(ウーブン・シティ)を作ろうとしている。

このように豊田一族はとても素晴らしい人が多い。なかには堕落した人もいると思いが、おお金持ちになり周りからちやほやされると、多くの人はダメ人間になりがちだが、豊田の人はとても志が高く尊敬できる方が多い。

豊田佐吉の「子を開けてみよ。 外は広いぞ」の名言はとても素晴らしいと思う。当時の情報が少ない社会の中でこんな言葉を発せれるとは。

また豊田喜一郎も一から自動車を作り出し、その生産拠点を当時はとんでもない田舎の豊田に構えたのはすごい。当時はとても田舎だったので周りには当然食事するところもなかったそうです。そのため車作に没頭できたとのことです。

豊田英二は叔父である豊田喜一郎の意思を継ぎトヨタを飛躍させるために尽くした。北米へ渡り北米のモータリゼーションを目のあたりにして持ち帰った。

豊田章一郎はトヨタを世界に進出させトヨタを世界一の礎をつくった。また後任の社長を奥田 碩を選び影ながら影響を及ぼしトヨタを成長させた。

豊田章男はトヨタ自動車へは中途で入社したが下済みから仕事を教わり、またトヨタが北米で訴訟になり勝ち切ったとき従業員と一緒に喜び、従業員に感謝した姿はとても感動しました。そしてトヨタ系で問題があったとき逃げずに誠意をもって対応している。

素晴らしい人たちです。

グラフは目標線をいれること

トヨタ生産方式の自主研活動をしていたときにアドバイザーから良く言われていたことが、「グラフには目標線を入れること。目標線のないグラフは作る意味もないし、掲示する意味もない。また、実績が大きく変動があった時などはグラフに風船を書き込むこと。」

と現場のグラフを見るたびに言われていました。

目標線のない実績だけのグラフ

たしかにグラフに目標線がないと、そのグラフはただのお飾りで気持ちが入らない。目標がはいるとグラフを見るたびに「ここまで行くぞ。やるぞ!」という気持ちになりました。

そしてグラフに目標線を入れるようにしました。

しかし最初は横一直線の目標線でした。

目標線(横一直線)が入ったグラフ

すると次に言われたのは「目標が横一直線の訳がないだろ!活動開始の時から目標に達成できるわけないだろう。よく考えろ!」

といわれたので、目標線を斜め右上がりの一直線にしてグラフに入れました。

とりあえずOKはでました。

目標線(斜め一直線)が入ったグラフ

しかし次に言われたのは、「目標が一直線のわけないだろう。改善する計画があるはずなのでその計画を織り込め。」

なるほど。改善をする計画が具体的にあったのでその効果を予測し目標を階段(ステップ)線でグラフに織り込みました。具体的な計画だけでは目標に達しないのでまだ計画のないところは気合で目標値を設定しました。

目標線(階段線)が入ったグラフ

そうした階段線の目標を立てると、具体的に改善をしなければならないかと計画が具体的になり活動に気持ちが入り、またグラフをみても達成感ややる気が出てきました。

またグラフの実績には何かあったときには風船を書き込みグラフを皆でより一層見ながら次ぎの手を考えるようになりました。

グラフだけでもこんなにモチベーションが変わることを実感したことを思い出しました。

現場に落とす指標は数か時間

目標値を現場に示すことは重要であるがその場合の指数は数または時間に絞るべきである。

それは具体的には

稼働率または可動率=時間÷時間 

不良率=数÷数 

時間当たり出来高=数÷時間

などである。ここにコストの指数をいれると、現場はとたんに他人ごとになる。

コントロールできない指数を入れ込むと作業者は関心がなくなる

例えば 時間チャージ=円÷時間

こういったコストの指数は工場の管理者向けの指数で、現場に落としても参考値にしかならない。

現場の作業者には自分でコントロールできる指数だけにすべきである。

時間なら 稼働した時間、可動すべき時間、非稼働時間、停止時間

数なら 生産した数、良品の数、不良の数 人数

などが現場の作業者が自分で管理できる指数である。

コストの例では、不良品の金額、人件費の金額、停止ロス金額などがあるが、これらは工場運営では重要かもしれないが現場作業者には理解できないのでこれを現場に示してもモチベーションアップにならない。

現場で使いやすいTPS用語辞書 や行

現場で使いやすいTPS用語辞書 や行

・ヨーイ・ドン方式 (Simultaneous Start Time Study)   

 問題を顕在化するための方法で、サイクルごとにスタートの合図で全作業者が、各自の         作業開始点(標準作業の作業順序の一番目)より作業を一斉に開始する方法。

 1サイクルの作業を終えたところで、改めて合図により一斉に作業を始める。          

4S (Four S’s)           

 整理・整頓・清潔そして清掃の4つの日本語の表音の頭文字を示したもの。

 これは、物の管理の重要性を強調している言葉である。      

 4Sに躾(ルールや決めたことを守ること)を加えて5Sともいう。

・整理 (Seiri (Sifting))

 現場で要るものと要らないものを区分して、要らないものを即刻廃却すること。      

・整頓 (Seiton (Sorting))         

 整理し、必要として残したものを必要な時に、必要なだけ容易に取り出せたり、使いやすいように、所番地を定めて並べて置くこと。

 単純に並べて置くだけでは整列であり、整頓ではない。      

・清潔 (Seiketsu (Spick and Span))      

 整理、整頓、清掃のよい状態を維持すること。      

・清掃 (Seiso (Sweeping and Washing) 

 現場で技能員が仕事をやりやすく、安全に対しても不安がなく作業動作や歩行に支障の           ないようにきれいにすること。

現場で使いやすいTPS用語辞書 ま行

現場で使いやすいTPS用語辞書 ま行

・水すまし (Fixed Course Pick UP (Mizu-sumashi))      

 複数の前工程を指定された順に巡回し、決められた数だけ自工程の生産順序に必要な種類の部品を集め、運搬する方法。

 セット・定量・順序引取りの組み合わさった運搬。

・ムダ (Muda (Non Value Added))        

 生産現場において、付加価値を生み出さないで原価だけを高める生産の諸要素。      

1.造りすぎのムダ           

2.手待ちのムダ 

3.運搬のムダ    

4.加工そのもののムダ    

5.在庫のムダ    

6.動作のムダ    

7.不良品・手直しのムダ 

・造りすぎのムダ (Muda of Over production)    

 ジャストインタイム生産の鉄則にはずれ、必要な時よりタイミングを早く生産したり、かんばん           などに示される必要以上に生産すること及び、そのために発生する在庫をいう。

 この造りすぎのムダは、手待ち、動作のムダを隠したり、加工・運搬のムダを発生させるとともに、運搬車、パレットなどの増加という2次的ムダを発生させる為、ムダの中でも一番問題となるムダである。

・手待ちのムダ (Muda of Waiting)       

 標準作業の作業順序に従って仕事をする過程で、次の手順に進もうとしても進めない状態を手待ちといい、仕事量が少ない場合に生じることが多い。      

・運搬のムダ (Muda in Conveyance)    

 運搬そのものは製品の付加価値を高めないので本質的にはムダであるが、ジャストインタイムな生産をする為に、最小限必要な運搬以外の仮置き・積み替え・小出し・移し替えなどのムダ。

・加工のムダ (Muda in Processing)      

 工程の進みや加工品の精度などにはなんら寄与しない不必要な加工を行うこと。

・在庫のムダ (Muda of Inventry)         

 生産・運搬の仕組みによって発生する在庫(素材・工程間・完成品)。

・動作のムダ (Muda of Motion)

 生産活動で付加価値を生まない人の動き。

・不良品・手直しのムダ (Muda of Correction)   

 廃却しなければならない不良品や、手直しをしなければ製品にならない物を造ってしまうこと。          

 手直し工程、調整工程を正規工程とすることは、このムダが発生しているという感覚が薄れ、改善が進まない。

・ムラ (Mura (Unevenness))   

 製品の生産計画が一定でなく、一時的に増減変動すること。

 人の面では、ある基準に対し負荷のバラツキをいう。          

・ムリ (Overburden)   

 生産現場において、人の面では心身に過度の負担がかかることをいい、また、機械設備に関しては、それら自身が保有する能力に対して、過度の負荷をかけることをいう。

 ムダ・ムラ・ムリを総称して3ムダラリという。

・目で見る管理 (Visual Control)           

 管理・監督者が生産活動の状態が正常か異常かを目で見て即時に判断できる現場管理の           形態。     目で見る管理の方法として代表的なものに、アンドン・かんばんなどがある。

現場で使いやすいTPS用語辞書 は行

現場で使いやすいTPS用語辞書 は行

・ハイヤー方式 (On Call Delivery)       

 運搬専従者がプレス品や鋳鍛造品などをリフトなどで1パレットずつ運搬する作業に適用する。      

 各部品を必要とする工程からの運搬依頼情報を集中管理板に表示し、表示された工程に       必要なものを1パレットだけ供給し、供給後は集中管理板前にもどり、次の運搬指示を待つシステム。

 集中管理板では、運搬依頼された情報を保持することにより、情報の先入先出しを可能とし、また、現在の在庫量に対する運搬専従者の過不足がわかり、運搬作業の効率化がはかられる。

・離れ小島 (Isolated Jobsites) 

 作業工程がレイアウト上離れて孤立していて、生産の増減に応じて他の作業者との組合せが効率的にできないライン構成をいう。

 生産変動に対応できないラインであり、少人化の阻害要因の1つである。

・はみだし品 (Overflow Parts)

 製造現場のライン側の部品棚など、指定の部品置場からはみ出して床などに置いてある部品。

・標準作業 (Standardized Work)          

 人の動きを中心として、ムダのない順序で効率的な生産をするやり方を、トヨタ生産方式では標準作業といい、タクトタイム・作業順序・標準手持ちの3要素からなる。      

・標準作業組合せ票 (Standardized Work Combination Table)

 各工程の手作業時間及び歩行時間を明らかにし、タクトタイム内で1人がどれだけの範囲の工程を担当できるかを検討するもの。また、自動送り時間を記入して、人と設備の組合せが可能かどうかも合わせて見るようにしている。   

・標準作業票 (Standardized Work Chart)         

 作業者毎の作業範囲を図示したもので、標準作業の3要素のほかに、品質確認、安全注意などの記号が記入される。標準作業票は現場の対象工程に掲示される。

・平準化 (Levelled Production (Heijunka)        

 生産するもの(売れに結びついたもの)の種類と量を平均化することをいう。          

 ジャストインタイムに生産する為の前提条件である。          

・ペースメーカー (Pacemaker)

 決められた時間に対し、その作業の1サイクル毎作業の遅れ進みが作業者、あるいは管理・監督者にわかるようにする道具である。

・ポカヨケ (Failsafe Devices (Pokayoke))         

 品質不良の発生や機械設備の故障発生を防止する為に以上の発生を防止したり、異常が発生したらラインを止める為の安価で信頼性の高い道具や工具。

1.作業者のミスを防止する仕組み 

2.作業者のミスを発見し警告する仕組み     3.品物に不具合があれば検知し、加工を始めない仕組み など

現場で使いやすいTPS用語辞書 な行

現場で使いやすいTPS用語辞書 な行

・能率 (Productivity)  

 生産工程の生産性を評価するものさしで、下記の式で一般には表せる。      

能率=(生産実績(良品)/人員×稼働時間(工数))×(100/基準となる1人時間当たりの出来高)      

しかし、この一般式には運用の仕方によっては問題があり、分子の生産実績は

生産数=販売数   

でなければならない。販売につながらない製品を生産し能率を上げても、それは見かけの能率を上げることになり、実質的な原価低減に結びつかない。      

・真の能率 (True Efficiency)    

 売れる数量を必要最小限の人数と設備で生産し能率を上げるやり方で、実質的な原価低減に結びつくものをいう。      

・見かけの能率 (Apparent Efficiency)  

 売れ行きに関係なく、現状の人数で生産量を増やして能率を上げるやり方で、単なる計算上の能率アップを見かけの能率という。

・全体の効率と個々の能率 (Total Productivity and Independent Productivity)        

 トヨタ生産方式は、ジャストインタイムにより企業全体の効率向上を追及している。

 それに対し、個々のライン・工程・あるいは各機械設備など、前後工程に関係なく、自工程の能率だけを上げようとして得られる能率の考え方を、個々の能率という。      

 個々の能率向上だけを追及しすぎると、必要以上にものを造ったり、自工程の都合でダンゴ生産を行ったりしがちである。

・乗継運搬 (Truck Transfar System)    

 トラックの運搬作業と積み降ろしの荷役作業の役割を分離し、運転者は目的地へ運搬したらそこですでに積み込み(積み降ろし)が終わって待機しているトラックに乗り換える方法。

 この方法により、荷役作業と運搬作業を平行して行うことができ、物流のリードタイム短縮・在庫量低減が可能となる。また、少人数の運転手で多数台のトラックを使うことにより、運転手の運搬の生産性を上げることができる。   

現場で使いやすいTPS用語辞書 た行

現場で使いやすいTPS用語辞書 た行

・多回運搬 (Frequent Conveyance)      

 部品単位でみた場合の運搬頻度を多くする運搬方法をいい、前後工程の在庫量を少なくするために用いる。ただし、単に製品の運搬回数を多くし、製品の積載効率を低下させないように多回運搬するには、混載運搬をして運搬車両のトータルとしての運搬回数を増やさないような配慮が必要である。

(例)4種類の製品を運搬する場合

・タクトタイム (Tact Time)

 部品1個または1台分をどれだけの時間で生産すべきかという時間値。

タクトタイムは次の式から求める。

タクトタイム=(日当り稼働時間(定時))/(日当り必要数)

稼働時間は就業の定時間、稼動率は100%として算出する。

・多工程持ち (Multi Process Handling)

 工程順に配列された機械設備の各作業を、1人の技能員がタクトタイムに見合った分だけ行うことをいう。(縦持ちともいう)

1人で4工程を担当          

・多台持ち (Multi Machine Handling)  

 部品を加工するとき、機械設備を工程や機械の設備の類似性から同種の機械設備を配置し、1人の作業者がその作業を複数行うことをいう。(横持ちともいう)    

1人で設備4台を担当

・多能工化 (Multi Skill Development)

 1流しでかつ多工程持ちを行う為に、多種の機械設備の操作や多種の作業、担当範囲外の作業もできるように常に作業訓練をはかることをいう。生産量の変更に対しタクトタイムを毎月変え、その新しいタクトに合わせて作業範囲を変えることも容易となる。

・段取り替え時間 (段替え時間) (Set Up Time)

 段取り替え作業は、3つの作業に区分される。

外段取り:機械を停止させなくてもできる段取作業

内段取り:機械を停止させないとできない段取作業

調整:段取替後、品質の精度確保やトラブル処理の為、機械を停止して行う作業

 通常、段取り替え時間とは現時点で加工している部品の加工が終わった時から、次に生産する部品の型や刃具などを交換して次の部品の良品1個目ができるまでの時間をいう。

段取り替え時間=内段取り時間+調整時間

・定位置停止方式 (Fixed Position Stop System)

 コンベアラインで作業場のトラブル(作業遅れ、品質トラブル)などを発見した時、定位置停止用スイッチ(職制呼び出しスイッチ)を入れると、コンベアはすぐに停止しないで定められた位置まで進み、停止するようにした仕組み。

・定員制ライン (Fixed Manpower Line)

 生産量の増減があっても、その変化に対応した作業者数が増減できず、常に作業者が一定数必要なラインを定員制ラインという。

・定時不定量運搬 (Scheduled Time Unscheduled Quantity Conveyance)

 定められた時間毎に運搬する方法。従って、運搬量は定時間内の消費量次第で不定。

運搬の方法としては、定量運搬が望ましいが遠隔地の場合、運行の都合上この方法をとっている。

・定量不定時運搬 (Scheduled Quantity Unscheduled Time Conveyance)

 後工程の部品の使用が一定量に達したら、その時点で前工程へ引取りにいくやり方。

運搬効率がよく、工場内運搬の原則である。

・トヨタ生産方式 (Toyota Production System)  トヨタで行っている製造に関する方法で、ムダの徹底的排除の思想に基づいて生産の全体を通して物の造り方の合理性を追求し、品質の造り込みと合わせて原価低減などをする考え方と、それを進める総合技術をいい、ジャストインタイムと自働化を2本の柱としている。