現場で使いやすいTPS用語辞書 さ行

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・サイクルタイム (Cycle time) 

 作業者1人が受け持ち工程を決められた作業順序で作業して一巡するのに要する時間。      

・作業順序 (Working Sequence)           

 標準作業の3要素の1つで、作業者が一番効率的に良品の生産ができる作業の順序。          

・作業標準 (Operation Standards)

 標準作業を現場で正しく運営していく上で、工程図、品質チェック標準、QC工程表や安全標準などをベースとして、質・量・コスト・安全などを確保できるように各作業のやり方や条件を標準化したものの総称。          

 代表的なものとして、作業要領書・作業指導書・品質チェック要領書・刃具取替え作業要領書などがある。                    

・仕事 (Value Adding Work (Shigoto))  

 材料や部品の付加価値が高められ、工程が進むことを仕事という。

・実行タクトタイム (Actual Tact Time)

 タクトタイムは定時生産で計算するのに対し、運用上やむを得ず定時以外の時間でタクトを設定する場合がある。          

・自働化 (ニンベンの付いた自動化) (Jidoka)

 トヨタ生産方式の2本柱の1つ。             

 機械設備の異常や、品質の異常、作業遅れなどなんらかの異常が生じたら、機械設備が           自ら異常を検知し、自動停止するようにしたり、作業者自身が停止スイッチを押してラインを止められるようにすること。          

 これにより、不良の流出がなくなるとともに、異常が明確にわかり、異常の再発防止を図ることができるため、「品質を工程で造り込む」ことが可能になる。さらに、異常が発生しても自動停止するため、設備の見張りをする必要がなくなり、「省人化(工数低減)」が可能になる。      

・ジャストインタイム (Just In Time)   

 トヨタ生産方式の2本柱の1つであり、変化に対応し経営効率を高める為に、必要なものを必要な時に、必要な量だけ生産したり運搬したりする仕組みとその考え方。   

 平準化を前提とし、「後工程引取り」、「工程の流れ化」、「必要数でタクトを決める」の3つの基本原則としている。      

・順序表 (仕掛け順序表) (Production Sequence Table)

 生産を行う順序を表にしたもので、生産計画の車型比率に基づいて平準化した仕掛けの           順番を表にしたもの。      

・順引き (順序引取り) (Sequential Parts Withdrawal)

 仕掛けられる製品や部品の順番が決まっている時、前工程からその仕掛け順序どおりに           ものを引取ってくる。      

・少人化 (Flexible Manpower Line)     

 必要生産数に応じて生産性を落とすことなく、何人ででも生産できるラインを作りあげることを少人化という。

 生産の増減があってもそれに比例して作業者数が増減できず、常に作業者が一定数必要なラインを定員制ラインという。

・省人化 (Manpower Saving)   

 作業改善や設備改善により、人を一人単位で省くことを省人化という。      

・省力化 (Lobor Saving)          

 作業者が行う人手作業の一部を単に機械に置き換えることをいい、省人化できない状態。      

・生産管理板 (Performance Analysis Board)     

 各工程やラインの1時間毎の必要量、生産実績、異常内容などを記録する表示板。   

 監督者は毎時間チェックを行い、異常の再発防止策の実施と改善の効果確認を行う。

・生産指示ビラ (Specifications Manifest)          

 製品にどういう部品を取り付けるか部品の種類を記号化して、製品に貼り付ける指示紙。      

 この貼り紙の利点は物と情報が一本化していること。          

・生産のリードタイム (Production Lead Time)  

 工場が受注してから製品の出荷にいたるまでの時間。          

A:該当製品の生産指示情報の滞留時間       

B:該当製品の材料仕掛けから完成にいたるまでの時間。 (加工時間+停滞時間)   

C:該当製品の完成品の最初の1個ができてから、後工程が引取る数の完成品が出来上がるまでの時間。 (運搬数×該当製品の生産タクト)      

とすると、生産のリードタイム=A+B+Cで表される。        

・製造技術 (Operations Management Engineering)       

 ものを生産する過程で、現状の設備・材料・人をトータルとして最も効率的に使いこなす考え方と手法をトヨタでは製造技術という。

・外段取り (Off Line Set Up)     段取り作業のうち、ラインや機械設備の運転を止めないでできる型・刃具・治具類の準備、後片付け等の作業をいう。

現場で使いやすいTPS用語辞書 か行2

現場で使いやすいTPS用語辞書 か行2

・引取りかんばん (Parts Withdrawal Kanban)

 後工程が前工程へ部品を引取りにいくタイミングと、引取り量を指示するかんばんであり、工程間引取りかんばん、外注部品納入引取りかんばんがある。

・工程間引取りかんばん(運搬かんばん) (Inter Process Parts Withdrawal Kanban)

 社内で後工程が前工程から必要なものを引取る為に用いるかんばん。

・外注部品納入かんばん(外注かんばん) (Supplier Kanban)

 仕入先から納入される部品に用いられるかんばん。

 納入は仕入先が行うが、工程で外れた分だけの外注かんばんで納入される為、基本的には工程間引取りかんばんと同じ、後工程引取りができる。

・臨時かんばん (Temporary Kanban)

 型保全、機械設備の修理、そして稼働日の違いなどにより、通常の生産分より多く必要とする

部品の生産及び運搬を指示するかんばん。

 有効期限を明記し、1回だけ使用して使用後は回収する。

 赤色の斜線をいれ、他と識別する。

・かんばんサイクル (Kanban Cycle (Delivery Cycle))

 部品の納入頻度(何日に何回)とかんばんを持ち帰った便から何回遅れで納入されるかを取り決めたものである。

 かんばんサイクルは納入サイクルや、かんばん係数とも呼ばれる。

 その表示例は以下の通り。

1-4-2

1=1日に(2日の場合もある)

4=4回納入され

2=2回遅れの便で納入

QC工程表 (QC Process Chart)

 目標とする品質を工程で造り込むために、各工程の特性に合わせた管理項目を設定された規格や基準に基づき、誰がどのような方法で検査、チェックし、管理していくかなどを決めたもの。

・工程の流れ化 (Continuous Flow Processing)

 ジャストインタイム生産を実現する為の基本原則の1つであり、工程内、工程間での物の停滞をなくし、1個流し生産を行うようにすること。

・工程別能力表 (Standardized Production Capacity Sheet)

 部品を各工程で加工するとき、各工程の生産能力を表すもので、手作業時間、機械の自動送り時間及び刃具交換時間などを記入し、工程の能力を算出する為の表。

5回のなぜ (Five “Whys”)

 いわゆる5W1H (Why, What, Where, When, Who, How)が工程分析の現状調査の視点として用いられているが、それ以上に”Why”を1・2度で止めることなく、なぜ、なぜ………と5回なぜを問うことで真因を追究することをいう。

・混載運搬 (MIXED-Load Conveyance)

 1台の車両に多種類の部品を積載して運搬する方法をいう。

 この混載運搬により、運搬効率を低下させずに(運搬車両のトータルとしての運行回数を増やさずに)、多回運搬ができ、前後工程の在庫量を少なくすることができる。また、生産変動に対し、運行回数の増減も容易になる。

現場で使いやすいTPS用語辞書 か行1

現場で使いやすいTPS用語辞書 か行1

・改善 (Kaizen)          

 人(労力)、物(材料使用量及び材料・製品の在庫)、設備あるいは生産の仕組み等に関するムダ(いたるところに存在している)を見つけ、知恵を出し、できる限り費用をかけずに迅速にムダを1つずつ排除していく1連の活動。

 人作業における改善では、設備改善よりも作業改善を優先して行わなくてはならない。          

なお、改善は特定の人の業務ではなく、全社員がそれぞれの立場で行うことができるもの           であり、行うべきもの。   

・可動率 (Operational Availability)      

 設備を運転したい時(かんばんが来た時)に、正常に動いてくれる状態の確率。

設備とその保全によってもたらされる信頼性に相当する。      

(常に100%が理想)       

・稼動率 (Rate of Operation)   

 後工程に必要な(売れに結びついた)生産量を加工するために、その設備能力でフル操業した時の、定時能力に対する需要の割合。

 売れ行きによって、稼動率は決まる。      

・かんばん (Kanban)  

 ジャストインタイム生産を実現する為の管理の道具。          

かんばんの役割は次の通りである。

1.生産、運搬の指示情報 

2.目で見る管理の道具    

2-1.造り過ぎの抑制        

2-2.工程の遅れ進みの検知            

3.工程・作業改善の道具 

かんばんの機能別分類は次の通りである。   

かんばん・・・仕掛けかんばん ・・・・工程内かんばん

                ・・・・信号かんばん

      ・・・引取りかんばん・・・・工程間引取りかんばん(運搬かんばん)

                                       ・・・・外注部品納入かんばん(外注かんばん)

・仕掛けかんばん (Production Instruction Kanban)

 生産工程での生産着手(仕掛け)指示に使うかんばんであり、工程内かんばんと信号かんばんがある。

・工程内かんばん (Intra Process Kanban)

 工程内の仕掛け指示に用いるかんばん。

 後工程に引取られた量だけを、引取った順に後補充生産するよう仕掛ける為に使うかんばん。

・信号かんばん (Signal Kanban)

 1つのラインで多種類の品物を加工しており、段取り替えに若干の時間を要するロット生産工程での仕掛けに用いるかんばん。

 三角形をしているので、通称三角かんばんと呼ばれる。

 プレス、ダイキャスト、樹脂成形工程などでおもに用いられる。

現場で使いやすいTPS用語辞書 あ行

現場で使いやすいTPS用語辞書 あ行

・後工程引取り (Pull System of Production)

 ジャストインタイムに生産する為の3つの基本原則の1つであり、後工程が必要な時に、必要なものを、必要なだけ前工程から引取り、前工程は引取られた分だけ生産する仕組み。

・後補充(生産) (Fill Up System of Production)

 前工程が最小限のその工程の完成品在庫(ストア)を持ち、後工程に引取られた分だけ種類毎に造って補充する方法。

・アンドン (Andon)

 関係者へのアクションを促す為の情報の窓で、現時点の異常場所を一目で判断できるようにした電光表示盤。

 異常表示のほかに作業の指示(品質チェック、刃具交換、部品運搬など)、進度表示する

ものもある。

1個流し(生産) (One Piece at a Time Production)

 工程順に1個又は1台ずつ加工・組付けをし、1個ずつ次工程に流すやり方。

・内段取り (On Line Set Up)

 段取り替え作業うち、ラインや機械設備の運転を止めなければできない、型・刃具、そして治具類の交換などの作業。

AB制御 (Two Piont Control)

 工程あるいは工程内の標準手持ち量が常に一定に保持されているように、各搬送機の動いてもよい条件及び、工程から製品を搬送できる条件を2ヵ所(A点・B点)の製品の有無により制御する仕組み。

現場で使いやすいTPS用語辞書

現場で使いやすいTPS用語辞書 あいうえお順です。

目次

あ行   か行   さ行

・後工程引取り    ・改善         ・サイクルタイム

・後補充(生産)   ・可動率        ・作業順序

・アンドン      ・稼動率        ・作業標準

・1個流し(生産)  ・かんばん       ・仕事

・内段取り      ・仕掛かんばん     ・実行タクトタイム

・AB制御       ・工程内かんばん    ・自働化

           ・信号かんばん     ・ジャストインタイム

           ・引取りかんばん    ・順序表

           ・運搬かんばん     ・順引き

           ・外注かんばん     ・少人化

           ・臨時かんばん     ・省人化

           ・かんばんサイクル   ・生産管理版

           ・QC工程表      ・(生産)指示ビラ

           ・工程の流れ化     ・生産のリードタイム

           ・工程能力表      ・外段取り

           ・5回のなぜ

           ・混載運搬

た行   な行   は行

・多回運搬      ・能率

・タクトタイム    ・真の能率       ・ハイヤー方式

・多工程持ち     ・見かけの能率     ・離れ小島

・多台持ち      ・全体の能率と個々の能率・はみ出し品

・多能工化      ・乗継運搬       ・標準作業

・段取替(時間)               ・標準作業組合せ票

・定位置停止方式               ・標準作業票

・定員制ライン                ・平準化

・定時不定量運搬               ・ペースメーカー

・定量不定時運搬               ・ポカヨケ

・トヨタ生産方式

ま行   や行

・水すまし      ・ヨーイ・ドン方式

・ムダ        ・4S(5S)

・造りすぎのムダ   ・整理

・手持ちのムダ    ・整頓

・運搬のムダ     ・清潔

・加工のムダ     ・清掃

・在庫のムダ

・動作のムダ

・不良品のムダ、手直しのムダ

・ムラ

・ムリ

・目で見る管理

銀屋洋さんの講演会 その4

トヨタ生産方式の直系の銀屋 洋さんの講演会の内容 その4です。

生産の効率化において、平準化がとても大事。トヨタ生産方式の基本である。

前工程から団子で受注が来たら自工程で平準化する。

場合にっては販売店での販売台数も平準化させる。

平準化できなところがカンバンを使うな。使っとると言うな!仕入先にカンバンを振り出すな!

生産量は変動するものである。

そのため人の増減できるフレキシビリティなラインにすべきである。

目なしの少人化に取り組み目ありの省人化にし、また目なしの少人化を繰り返していく。

いつも物作りについて考えて考えて考え抜け。

問題を顕在化する。見えるようにする。隠すな。

見たこと、経験したことのないことは人は理解できない。

だから実践あるのみ。実践を積んで経験し理解する。

以上が銀屋洋さんの講演の内容だったと思います。

後半の方は当時の私にとっては内容のレベルが高かく

理解が乏しかったようで内容が雑になってしまいました。

銀屋洋さんの講演会 その3

トヨタ生産方式の直系の銀屋 洋さんの講演会の内容 その3です。

当時USAは日本と貿易摩擦で大変もめていた。

そこでトヨタ自動車はゼネラルモーターと合弁で北米のウエストバージニアに

Toyota Motor Manufacturing, West Virginia, Inc.(以下、TMMWV)の自動車生産工場を作ることになった。

トヨタ自動車の張富士夫(後の社長)が赴任となった。

張富士夫さんも大野耐一さんから直接指導を受けた人であり、

銀屋さんにトヨタ生産方式の導入に支援に来させていた。文化の違いで大変苦労したようでした。

そこで、アメリカ人と日本人の常識の差を認識した。

繰り返し作業のラインで日本人は手待ちが発生すると、多くの真面目な人が

その手待ちの間で、コチョコチョと掃除やら今できることをやるが、

アメリカ人は手待ちが発生しても何もせず、ただぼーっと立っているのみ。

手待ちが発生したとき、日本人のように掃除などできることをするのが良いか、

それともアメリカ人のようにぼーっと立っているのが良いか?

日本人の常識では、手待ちの時でも手を動かすのが常識で手を動かすと思うが、

アメリカ人のように何もせずにぼーっと立っているべきである。

なぜか。

アメリカ人のようにぼーっと立っていると手待ちが発生したと問題が明確にわかる。

しかし、日本人ように手待ちの時にコチョコチョ作業をさせると、本来すべき作業か、

やらなくても良い作業かわからなくなり問題が見えなくなる。

問題がはっきりとあることが分かれば改善に取り掛かるが、問題が見えないと改善をしない。

アメリカ人は決められたことはしっかりやる。何度でも繰り返し同じ作業をきっちりやる。

手待ちが発生するのは、決めたルール=標準作業が悪いのだ。

とのことでした。

銀屋洋さんの講演会 その2

トヨタ生産方式の直系の銀屋 洋さんの講演会の内容 その2です。

インドのことであるが、インドはヒンドゥー教カースト制度である。

最下位のシュードラは奴隷である。そのカースト制度の最下位からさらに外れた身分のダリットがある。

当時ダリットとして生まれた人は乞食や見世者でご飯を食べるしかなかった。

ある、ダリットの夫婦に子供が生まれました。五体満足に生まれた。

しかし、その夫婦は大変悲しんた。

「かわいいこの子は、ダリットとして生まれたのに五体満足でどうやって生きてゆけば良いのか。」

と。そしてその夫婦は自分の子供が一人で生きていけるように、

その子の両腕を切ってしまい、一人で生きていけるように見世者になるようにした。

その夫婦なりの愛情であるが。我々の常識では考えられない。

しかし、彼らの中ではそれが常識であり、この常識のギャップを埋めるのは簡単ではないし、

普段では常識のギャップがあることに気づかないことが多い。

銀屋洋さんの講演会 その1

トヨタ生産方式の直系の銀屋 洋さんの講演会の内容 その1です。

入社数年の時にトヨタ自動車の銀屋洋さんが会社にてトヨタ生産方式について講演会をしていただいたことがあります。

かなり前なのですが、自分としても大変勉強になったので、うすらぼけながら内容を書いていきます。

当時は銀屋主査だったと思いますが、後にトヨタ自動車の役員になっています。

銀屋さんの指導の下、その会社で指導を受けている人が沢山いましたが、

「銀屋さんはとても怖い人。」と言っていました。

ただし、「役者でもある。物作りで良いことをすれば、とても喜んでくれる。涙を流して喜んでくれたことがある。」

とのことです。物作りで感激して涙を流すなんて考えられないが、流したらしい。

いつもは厳しい方が、喜んでもらえればやりがいがありますな。惚れてしまいますな。

銀屋さんは、トヨタ生産方式を生んだ大野耐一の一番弟子の鈴村喜久雄から直接指導受けた方です。

その銀屋さんが指導された方が、林南八さんや坂巻さんです。

現役の方からしたら、林さんや坂巻さんもとても恐ろしくて雲の上の方のようです。

10年ほど前に林南八さんの講演会に行ったことがありますが、

聴講者は名だたるトヨタ系各社の偉そうな方が沢山おり会場はぎっしりで立ち見状態でした。

遠い昔しの記憶を思い出しながら少し脚色が入りますが、講演会の内容に入ります。

まず最初に話したのは常識のギャップです。

奥田 碩の講演会 その19まとめ

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その19。まとめです。

この講演の内容はとても良かったと思います。講演をしていただいた企業の従業員にとっても。またその従業員でなく一般市民として聴いても良かった内容だと思います。

まず経済産業の流れとしてアルビン・トフラーの「第三の波」を紹介して、

第一の波:農業革命、第二の波:産業革命、第三の波:情報革命を上げ今後の狙いを最初に明示しておいて、

次に日本がこのままではまずく、改革を断行しなければならない。その改革の課題を3つ挙げている。

第1は社会の急速な変化の中で、失われつつある日本人の自信あるいや活力を回復。

第2は高度情報化社会への対応。

第3は国際化への対応。

その3つの課題を解決するのに民間企業の役割が大きい。役人に任しておけない。我々が頑張るんだ!

我々グループが一致団結して他の連合に負けずに取り組みが必要である。

北米市場、欧州市場、アジア市場、日本国内市場の4極に分け分析し攻めどころを分けている。

課題を解決するために取り組みを4つ挙げ居ている。

  • 技術革新 ②コスト競争力を軸とした企業体質の強化 ③グローバルマネージメントの改革 ④グループの事業構造の再構築
  • 技術革新では、地球環境問題を解決する低燃費のハイブリッドなどの技術革新をしてデファクトスタンダードとなる。及び情報化へ対応しITSの推進。いまでは自動運転といった方が分かり易いと思います。
  • コスト競争力を軸とした企業体質の強化では、モノづくりでは永遠のテーマである。

開発期間の短縮、あるいはプラットフォームの総合、部品の共通化モジュール化、システム化の推進さらには研究開発費、設備投資等の固定費の削減をする。

  • グローバルマネージメントの改革では、日米欧アジアの4極とグローバル本社といった構想のもとに、現地で対応できるものは現地に任せてグローバル本社は全体最適という観点から地域別、事業別あるいは車種別をスルーに管理して経営資源の有効活用する。
  • グループの事業構造の再構築では、技術・品質・生産・販売・流通あらゆる分野で他の追随を許さない、コアコンピタンスの確立ことができる企業構造に転換していかなければならない。そのためにグループの事業構造の最適化に向けて取り組む必要があります。

そのグループの事業構造の最適化の考えが現在も進められている。記憶に新しい所では、豊田工機と光洋精工の合併のJTEKTやアイシン精機とアイシンAWの統合。である。

最後に豊田綱領を改めて確認し、成功の囚人にはなるな。変えないことが一番悪い。

改めて身に染みる内容でした。     おしまい。

奥田 碩の講演会 その18

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その18。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

色々と申し上げましたが最後に申し上げたいことは、私どもトヨタグループが創業以来企業行動の原点として参りました経営理念は、しっかりと今後も受け継ぎまして実践していく必要があるとそういうことであります。

ご存知のように豊田綱領では企業の役割として

  • 一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし
  • 一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし
  • 一、華美を戒め、質実剛健たるべし
  • 一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし
  • 一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし

「上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし」とこういうふうになっております。つまり企業は社会の公器でありまして目先の利益を追求するだけでは企業の存在意義はない。社会への貢献を果たしてこそ存在意義がある。とこういう風に明確に取り組んでおります。

またものづくりについては「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」

常に研究に努めることによりまして創造性を磨き時流に先駆けたものづくりに努めるということの重要性を強調しております。

企業として社会に貢献するということは、まずお客様第一主義、現地現物主義に徹しまして常に良品廉価な商品をお客様に提供して、また従業員には雇用機会と生きがい、あるいは働きがい。こういう職場のある職場を提供して株主に対しては適正、配当払い。また国にはしっかりと税金を払う。そして良き企業市民として地域社会とともに発展したことによりまして豊かな社会づくりに貢献していくことができるというわけであります。

私どもトヨタグループを今日の発展に導かれた諸先輩方は、創業以来この理念を企業活動の基本として厳しい環境の中で果敢に挑戦してその都度新しい道を切り開いてこられました。

現在のグローバル化の時代においては私ども一人ひとりが地球規模でものを考え行動していかなくてはならない時代であります。

96年の1月に私どもが将来目指すべき方向として掲げた2005年ビジョンにおいても社会への貢献度が、トヨタの成長の糧になる。とこういうこれまでの基本理念を踏襲しております。

私はこの理念を守りまして、いく他の諸先輩が厳しい環境に挑戦され大胆な発想と決断によって実践された時流に先駆けたものづくりの精神をしっかりと受け継ぎ、グローバルにこれを具現化していくということによりましてトヨタはグローバル企業としての確固としたアイデンティティを確立して成長を果たしてそれを確実に後輩たちに引き継いでいく。とそういうことになると思います。

それが私共の使命であるとこういうふうに考えております。

今私どもはこういったグローバル経営のほんの入り口に差し掛かっているに過ぎず、よく言われるヒト・モノ・カネそして全体の経営という面で従来の延長戦ではとても越えられない高いハードルがこれからいくつもを待ち構えたわけでございました。

改革の手を片時も緩めるわけにはいかないというわけであります。

私は社内に対して常に成功の囚人にはなるな。変えないことが一番悪い。改革するためには今までの仕組みをすべて否定して、それをゼロベースから発想をしてかかれ。という風に言ってまいりました。

奥田 碩の講演会 その17

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その17。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

四つ目はグループ総合力の強化に向けたグループの事業構造の再構築ということであります。

先ほども触れましたように国際的な合従連合は進みまして、将来は全世界で4,5社しか生き残れない。

こういう風に予想される超競争はまさにグループ対グループの競争になると思います。

言葉を変えて申し上げますと、トヨタグループの固い結束力と総合力がますます問われるわけでありまして、技術・品質・生産・販売・流通こういったあらゆる分野で他社にマネのできない革新的な競争力を確立していると共に高い付加価値を生み出し確実に収益に結び付けることができる。そういうことができる企業構造に転換していかなければならないわけである。

そのためにグループの事業構造の最適化に向けて取り組む必要があります。

まずグループ各社の皆さん方にはそれぞれが他の追随を許さない、コアコンピタンスの確立とコスト競争力の強化に取り組んでいたということが必要であります。

特にこの会社には現在世界ナンバーワンの〇〇〇機を始めから△△△△△分野でも世界の技術革新をリードして私どもの次世代モビリティ開発のデファクトスタンダード獲得に向けて、その先兵の役割を果たしていただいていただきたい。このようにお願いしたいと思います。

今後の自動車産業の競争力を左右する環境・安全・情報などの重要技術開発分野でのデファクトスタンダード獲得競争とモジュール化、システム化こういったものの推進をより一層のコスト競争力の強化を図っていくために現在、技術・調達分野でトヨタグループで協業体制を進めておりますが、今後はさらにこれを強化してトヨタ車の革新的な性能向上、あるいは開発の効率化、低コスト化の実現に向けてグループ一丸となって進めていく必要がある。とこのように考えております。

生産につきましても、もちろんコストと効率化。あるいは需要変動へのフレキシブルな対応などの観点からボディメーカーと私どもの内製工場を含めてグループ全体として最もベストな体勢を再構築していく必要があると考えております。

またダイハツさん、日野さんとの連携を強化して最終的に国内関係シアで40%以上という目標達成に向けて頑張っていきたい。というふうに考えております。

繰り返しになりますが、これからはグループ対グループの競争の時代でありましてグループ一体となって結束力を高めて総合力の強化を図っていかなくてはならない。そういう時代であります。

私どもが世界市場のメジャープレイヤーを目指すという目標に向けて4点お話しいたしましたが、申し上げるまでもなく取り組みにあたってはスピードということが最も重要なことであります。

論より実行すること。熟慮することよりもむしろ拙速。そして場合によっては走りながら考えて判断し、また速やかに実行に移していくと。そういうことが必要であります。

これを私共経営者はもとより従業員一人一人が日々の業務において実践すること。

そういうことが何より重要である。とそういう風に思っております。

奥田 碩の講演会 その16

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その16。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

三つめはグローバルマネージメントの改革ということであります。

先ほども触れましたように今や販売・生産そして収益の上とは大きく海外に依存している。とそういう状況になっておりまして、販売目標の達成や収益確保という面ではマネージメントもグローバルに全体最適を目指した意思決定がスピーディーになされるということは不可欠あります。

迅速な意思決定にはグローバル組織の責任と権限が明確でなくてはならないというわけであります。

現在日米欧とアジアとこの4極とグローバル本社といった構想のもとに、現地で対応できるものは可能な限り現地に任せてグローバル本社は全体最適という観点から地域別、事業別あるいは車種別をスルーに管理して経営資源の有効活用。

こういった側面から即座に意思決定が出せる体制の構築に向けての取り組みがトヨタでは進んでおります。

収益任責任などは曖昧な現在の機能別組織を見直して、責任の所在が明確でしっかりと成果が評価できる、わかりやすいマネージメント単位の組織に変革していく必要があるからであります。

マネージメントの改革は単に私ども内部のオペレーションの実行だけでいくという面だけが重要なのではなく、私共の資産効率、投資効率を向上させて株主に評価してもらい、また経営の安定を図っていくという面でも極めて重要であります。

もはやメインバンク制とかあるいは株式持ち合い、こういう仕組みは崩壊しまして企業が自己責任のもとに直接資金を市場から調達する。こういう時代になっております。

経営の安定を守ってくれるのは安定株主であります。そのためにはグローバルに資産効率あるいは投資効率を高めて市場から評価される企業となっていかなくてはならないというわけでありますが、本年10月私どもがニューヨークとロンドン市場に上場したのはこれはグローバル企業として生き残っていくために避けて通れない道であると判断して決断した次第であります。

私どもの経営を理解して評価してくれるたくさんの世界中の安定株主を確保するためにもマネジメントの改革は一刻も早く実現していたではない。そういう課題であると考えております。

奥田 碩の講演会 その15

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その15。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

次に申し上げたいことは我々はグローバルなコスト競争に打ち勝つためには、企業活動のあらゆる分野で徹底的に効率化を図り、筋肉質でスリムな企業体質を作り上げていかなくてはならないということであります。

技術開発分野でデファクトスタンダードを獲得している取り組みと共に企業の成長のもう一つの源泉はコスト競争力の強化ということであります。

これはものづくり企業にとって永遠のテーマでありまして、社会的な競争激化は確実にコストの削減圧力となって働いてくるということは予想されます。

一方先ほど申し上げましたように我々の将来の成長の糧となる技術開発投資やあるいは海外プロジェクトの推進には膨大な投資が必要であります。

しかし商品の価格というのはお客様が決めるものでありまして、いかに投資がかさむからといってこれを製品価格に転嫁するという事は出来ない相談であります。

さらに適切な収益を確保できなければ株主への責任も果たさないばかりでなく、また従業員の努力にも報いることはできない。

ということになりまして、こうした2列にも3列にも背反するような問題をクリアしていくためには、これまでにない画期的なコスト削減、あるいは経営資源の有効活用することが必要となってくる。とこういう時代であります。

30%を40%大幅なコスト削減は従来の延長線上での発想では絶対困難であります。

ものづくりの源流から発想して、仕組みを根本から変えるという発想で取り組んでいかなくてはならない。そういうふうに思っております。

私はこうした取り組みに絶えず挑戦して、その目標を確実に達成していけるかどうかということが企業としての若さであろうと常に思っております。

トヨタはコスト競争力についてはどこよりも強いと言われてきましたが、その言葉に甘んじて自分たちが世界一だと思い込んで、いわゆる「裸の王様」になってはならないと思います。

今は若干そういう傾向も謙虚に見ているわけでありまして、これを見直してグループ全体としてもこれまで以上に強力に取り組んでいく必要があるとそういうふうに考えております。

開発期間の短縮、あるいはプラットフォームの総合、部品の共通化モジュール化、システム化の推進さらには研究開発費、設備投資等の固定費の削減。

こうした取り組みを規模だけではなく、いつまでにという時間軸も視点において強力に推進をしていかなくてはならない。というふうに考えます。

また取り組みにあたっては、他社の取り組みを徹底的にベンチマークしながら良い点は積極的に取り入れていく。

また本来あるべき姿は何か。こういった視点から思い切って目標を設定して従来の仕組みを根本的に変えていく。

と言ったつもりで多忙にも果敢に挑戦していく。こうした取り組みが必要である。とそのように考えます。

奥田 碩の講演会 その14

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その14。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

さらに情報分野でございますが、来るべきカーマルチメディアの時代の本格的な到来や、ITSを睨みまして開発競争が本格化して電機メーカーをはじめ様々な業種が参入するなど、文字通り産業企業の壁を越えた競争が始まっております。

この分野でも絶対に負けるわけにはいかないわけでありまして、特にこの分野で〇〇〇企業への私共の期待は非常に大きいわけであります。

そこに ITS の分野はより良い次世代モビリティ社会の構築を目指して社会インフラの整備などを政府、協会、学会などが協力して進めていかなくてはならない領域でもあります。

私どもはユーザーに一番近いというメリットを活かして、常に推進のリーダーシップをとっていくつもりで取り組んでいく必要がある。そのように考えております。

さらにもう一つリサイクル技術の向上はもう絶対に重要な要件であります。

リサイクル技術の向上によって有限な地球の資源が100%再生可能になるということであれば、環境技術を駆使した新しい製品にはどんどん買い換えも起こります。

その結果経済は活性化してさらに新たな技術革新も生まれてくる。とこういった好循環な社会が生まれてくる。とこういう風に思います。

私どもはこうした高循環大人間社会を実現するべく、車の開発から生産・販売・流通そして廃棄に至るあらゆる分野でリサイクル技術の向上を目指していくことが重要であると考えております。

先ほども触れましたように、今後はこうした環境関連をはじめとした技術のデファクトスタンダードを握った企業が21世紀のリーディングカンパニーとして大きく成長していく時代であるということを、ぜひしっかりと認識をしていただきたいと思います。

私どもはグループの総合力の結晶はもとより自前の技術にとらわれず、業界の枠を超えて幅広く御先端技術の吸収に努めていくつもりであります。

同時に製造技術についても新たな進化の時にあると、そういうふうに思います。

ご存知のように日本の高齢化少子化社会というのは急速に進展しております。

また労働力という面では女性や高齢者の方々にどんどん働いていただく機会が増えるのではないか。現在の状況ではそういうふうに考えております。

そのためには誰にでも簡単にいや使える機械の開発はもとよりそれを効率的に運用するノウハウの向上を図り、また女性や高齢者にも優しい製造技術の確立に向けて取り組んでいく必要があります。

さらに先ほど触れましたようにリサイクル技術も組み込んだ製造技術を作っていくということも必要であります。

私どもはこうした観点で新しい製造技術の確立に向けまして取り組みを進めております。

奥田 碩の講演会 その13

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その13。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

また将来の環境技術として注目を集めております燃料電池につきましても、排出するのは水蒸気のみといった理想的な動力源でありますが現在この開発を巡ってすでにダイムラー、クライスラー、フォード、バラード、シェルとこういった大連合が結成されまして、ベンツやフォードは2003年には燃料電池車を投入する計画とかそういうふうに聞いております。

今年トヨタグループ各社からこの分野の開発のスペシャリストを幅広く集めまして東富士に FC 企画部というのを設立致しまして、実用化に向けて取り組んでおりますが、これはこの分野で何が何でも負けるわけにはいかない。と考えているから行ったことでございます。

しかしこの燃料電池を使った車は実用化させるには、どのように燃料である水素方式として純水素やエタノール天然ガスあるいはガソリンといったものなどから排出などを様々な技術開発が行われております。

さらにそのための供給インフラの整備をどうするかといった大きな課題もあります。

また自動車メーカーとしての課題の一つに燃料電池の性能をいかに車に反映させるかということあります。

実は燃料電池も車としてシステムを構築する場合は、燃料電池とバッテリーを持ったハイブリッド方式によって最高の効率を追求することはできるわけでありまして、私どもは現在増えるセルハイブリッドとこういう風に位置付けて開発に取り組んでおりますが、常にその開発の先頭を走るつもりで取り組む必要がある。このように考えております。

奥田 碩の講演会 その12

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その12。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

こうしたチャレンジングな課題を達成するために今私どもがどう取り組もうとしているのか。

技術革新あるいはコスト競争力を軸とした企業体質の強化。それからグローバルマネージメントの改革。そしてグループの事業構造の再構築といった四つの側面からお話をしてみたいと思います。

まる第一は先進的な技術開発への取り組みということであります。

先ほど自動車産業はまだまだこれからの産業であって、今新しい局面に差し掛かっていると。こういう様に申し上げましたが、これは我々が先端技術開発によって地球環境問題を克服し、またかつ、高度情報化社会にも適用した次世代のモビリティを開発していけるかどうかということにかかっていると思います。

現在世界の各メーカーが次世代モビリティの開発を巡って凌ぎを削っておりますが、その中でいわゆるデファクトスタンダードを獲得した者だけが、市場を制して21世紀のデファクトカンパニーとして大きく飛躍していける。とそういうことになるわけであります。

すなわち勝者と敗者というものがはっきり区分されるということになります。

敗者にとりましてはこれまでの製品開発に要した膨大な費用を回収できないばかりでなく、その企業の傘下に取り込まれかれない。とこうした厳しい時代に現在突入しているということを忘れてはならないと思います。

ご承知の通り私どもは一昨年世界初の量産車として、ガソリンエンジンと電気モーターを併用したハイブリッド車プリウスを投入したわけでありますが、これは環境に対する私どもの企業姿勢を内外に明確に示すというだけではなく、このプリウスによって先鞭をつけたハイブリッドの方式を環境対応技術を巡る技術開発の主流に育て上げまして、そのデファクトスタンダードを獲得していく。とこういうつもりで取り組んでいる。ということで始めたわけです。

プリウスは既存車を遥かに上回る性能や快適な居住空間を確保するとともに、燃費あるいは CO2削減などを良好なコストパフォーマンス。さらにガソリンスタンドなど既存のインフラ設備の活用ができることなど、決して言われております我慢車でなく、実際実質においても普及の条件を十分満たしているシステムを備えた車であるというふうに考えております。

私どもこの先鞭をつけたハイブリッド方式は様々な導入技術の長所を組み合わせて最高のエネルギー効率、すなわち低燃費を達成できるということで無限の広がりをもつ技術であると思います。

私どもが今回東京モーターショーに出品いたしましたミニバンタイプの4 WD のハイブリッド車は2.4 L 2タント CVT。 そしてフロントモーターを組み合わせた高効率のパワートレインがありまして。さらに後車軸にモーターをもちましてプロペラシャフトのない電気式の四輪駆動システムとなっております。

この技術によって同クラスのミニバンの約2倍の燃費を達成するなど新しいハイブリッドの方向も具現化されたということもございます。

ホンダが本年市場投入してきましたが、私どもは2年のアドバンテージを生かしてこの分野ではトヨタの方式がデファクトスタンダードだと。そういう体制をこれからしっかり築いて行かなくてはならないという現状でございます。

奥田 碩の講演会 その11

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その11。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

次に国内市場でございますが、申し上げるまでもなくグローバル経営を進めていく上では海外と並びまして私どもが寄って立つもう一方の柱でありまして、量、収益の両面とも安定した強化のものとして行かなきゃならないという状況であります。

しかし国内市場は残念ながら既に成熟化して長引く不況の中で、総市場は昨年が588万台。これは90年代に入って最低の水準となりました。

本年につきましても枠の拡大した軽自動車の需要の増大、新型のリッターカーを中心としたコンパクト乗用車市場での盛り上がりはあったということはございますが、市場全体を活性化するまでには至らずに残念ながら全体としては昨年とほぼ同じレベルにとどまる。

この水準は、実は需要のピークでありました90年777万代からは約200万台弱の大幅な減少ということなってることに加えまして、売上高や収益という面でみましても利幅の小さいテイクアウト車のウエイトが高まっていることから、大変厳しい状況にある。

しかし市場が大変厳しいと言うだけでは何も前進ができないので、市場からのメッセージを俊敏に読み取りまして、次の出荷に活かしていく。とそういうことが重要であります。

こういった意味ではこの2年間に、軽自動車やあるいはリッターカーを中心とする小型車の総市場に占めるウエイトが急速に日本の中で高まってきているという現象が、果たして単に長引く不況あるいは人々の先行きの不安を反映したそういうものなのか。

それとも欧州の市場のように大型車か小型車だ。こういった二極化の現象に向かう構造変化が日本でも既に進みつつあるのか。

税制のグリーンカーなどの今後の法制の動向や、人々の地球環境問題に対する意識の変化なども含めて、多面的に分析検討して、今後の拡販に向けてあらゆる分野で早急な対応をとっていく必要があるところにかかっております。

幸いトヨタの本年の市場につきましてはオールトヨタの一丸となった取り組みによりまして、長年目標にしておりました除軽市場は40%以上をたぶん上回ることは多分は守ることができると思います。

これはここ数年取り組んで参りました需要創造型の商品、あるいは価値創造型商品の開発等。

さらにネッツ店などに代表される新しい販売手法などの取り組みが徐々に成果を上げてきた。そういうことであります。

しかし国内での圧倒的優位確保に向けては、ただいま申し上げました市場の変化が伝えるメッセージをいち早く的確に読み取ることと、それをまた拡販につなげていく。

とこういった努力あるいは収益向上への取り組みということに加えまして、価値観の多様化あるいは情報化社会に適応した新しいマーケティング手法、あるいは販売手法の開発など各々の分野で取り組みを片時も慢心せずに確実にスピーディーに進めていかなくてはならない。といった状況にあると思います。

また日本メーカーの体力も弱ってきているということもありまして、世界第二位のマーケットである日本市場をアジア戦略の拠点とするべく欧米メーカーが、今が色んな意味で進出の絶好のチャンスと捉えまして、日本メーカーとの戦略的な提供を始め、買収も含め各種の攻勢をかけてきている。というのが現状であります。

自動車メーカーの再編は決して日本市場だけでのものではなく、私どもはあらゆる分野で改革のスピードを上げて一刻も早く盤石の体制を築いていくつもりで取り組んでいく必要があるとそのように思います。

以上21世紀の初頭におけるグローバルな販売目標を中心にお話をいたしましたが、私どもがグローバル経営を円滑に進めていくためには、各地域の事業体でそれぞれ収益構造の改善に取り組み収益面で見ても自立性を高めて、事業を進めれば進めるほど、販売あるは収益この両面で足腰の強いグローバル企業になっていうことが必要であるし、そうになるべきであると考えております。

奥田 碩の講演会 その10

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その10。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

アジアの諸国を中心とした発展途上国につきましては、通貨危機あるいは政治問題などいろいろ問題ができておりますが、長期的には先ほど触れましたように成長ポテンシャルは非常に高い市場でありまして、欧米メーカーもここに向かって果敢な攻勢をかけてきているという状況であります。

しかしこの地域は我々の21世紀の成長の源泉でありまして、絶対にこの地域で日本勢が負けるわけにはいかない。こういう市場であります。

しっかりと足元を固めて取り組んでいく必要があります。

幸いアセアン諸国の経済は2年前にタイのバーツから始まりましたが、通貨危機の端を発して深刻な袋から抜け出しまして、急速な回復を見せ始めております。

本年度当は 3%から5%で経済成長している。この2年間の遅れを複数年のうちに必ず取り戻す。こういう市場になると思っております。

さらに中国、インドあるいは中欧、東欧、ロシア、ブラジル、アルゼンチンこういったいわゆるエマージングマーケットの中で非常に大きい人口規模を持った国。しかしその反面自動車保有率は極めて低く、今後モータリゼーションの進展が期待できる国々もございます。

私どもは21世紀の自動車事業の発展をこれらの潜在市場に求めておりまして、ここ数年でこれらの地域でのプレゼンスを確保するために将来に向けた成長の布石は着実に打ってきている。とこういうふうにしております。

しかしご存知のように一方でこれらの国々は、政治あるいは経済で常に不安定な要因を抱えております。いわゆるカントリーリスクの高い地域でありまして、効果的なリスクヘッジの研究などリスクマネジメントの強化を図っていく必要があります。

言ってみればこういった国はこれまで我々が海外で進出した国々に比べて格段に市場参入が難しい、あるは市場で成長するには難しいそういう国でありまして、これから進出するにつれてそれに比例するように困難さ、そういうものが出てくる。こういう市場であるところです。

ところで、こういったアジア地域をはじめとして20世紀に発展の期待される途上国への取り組むにあたっては、これらの国々の多くが実は自動車産業を自国の産業の振興の柱としたいという気持ちを持っておりまして単に固有市場マーケットしとしてみるのではなくて、こうした意向を大切にしながら現地の発展に貢献する産業協力の姿勢をとるということが不可欠なことであります。

場合によっては20年あるいは30年ほどといった長期的な視点で、取り組みをする。こういう必要が出てくる。そういった国です。

奥田 碩の講演会 その9

奥田 碩(おくだ ひろし)さんの講演会 その9。今までどこにも出てないので大変貴重ですよ。

しかし私どもは何が何でも勝ち残って行かなければならないわけでありまして、こういう意味で私どもは当面の目標として21世紀初頭のグローバルの販売で昨年の販売464万台、これから600万台程度に、すなわちグローバルシェアでは10%以上とこういうものを確保していきたい。というふうに思っております。

この目標は海外では約400万台、国内が200万台から250万台を目指すというものでありまして、現在の状況から判断して極めてチャレンジングなものであるとそういうふうに映ると、そういうふうに思います。

多少くどくなりますが海外について若干申し上げますと、米国は何と言っても収益あるいは販売台数の柱でありまして、我々は日本に次ぐマーケットとして育成強化をしていきたいと考えております。

あるいは場合によっては日本よりもさらに大きいトヨタにとってマーケットになる可能性もある。とそういうわけであります。昨年販売では136万台からの数字があったわけですが150万台以上の販売台数を確保して、シェアにつきましても米国の平均年間レベルアップ1500万台と言われておりますが、この10%程度を目指していきたい。というふうに考えております。

しかしこの米国の1500万台の市場というのは今後、紆余曲折ありますが確実に上方に向かって成長していくとこういうことはですね、米国の人口が今後着実に増加していること。という傾向にあるということを考えますと、非常に有望でありまして、ここに対して相当な経営資源を注ぎ込んで行く。ということが大事だとそういうふうに思います。

また欧州につきましてはフランスで2001年の現地生産立ち上がりを軸に昨年の54万台の販売から80万台程度。シェアで5%ぐらいを確保したいと考えております。

ご承知の通り欧州はフォルクスワーゲン、オペル、フォード、ルノー、フィアットどのメーカーも強者揃いで大変競争の激しいところでありまして、その中で量的な拡大あるいは質的な拡大を図っていくためには、商品・コスト・販売力の強化を始めブランドイメージの向上など、今後ヨーロッパで取り組んでいかなくてはならない課題はたくさん抱えております。

しかし私はそういう厳しい所でもまれて勝ち抜ける力を身につけてこそ、世界史上でメジャープレイヤーとして存在していける力がついてくる。とこのように思っております。

幸い欧州で本年、新たに投入いたしましたヤリスが、欧州で最も権威があります欧州カーオブザイヤーを獲得することができたということは、非常に画期的なことでありまして、これは新たに飛躍に向けたステッピングストーンとして一つ一つ着実に、そして場合によっては欧州メーカーとの戦略的な地域提携、ということも視野に入れて取り組んでいきたい。というふうに考えております。