ゼロスタート

トヨタ生産方式では“ゼロスタート”が基本である。

“ゼロスタート”とは例えば9時スタートなら9時ジャストから全力でスタートである。

トヨタ生産方式を導入している現場では可動率を意識しており時間単位で管理しているので、9時からの1時間でも可動率が良くなるように取り組んでいる。

良く待ち合わせで〇時に集合となっているのに遅れてくる人がいる。特に外国人は遅れてくる人が多い。これは、〇時に集合は〇時までに集合と〇時から集合との認識の違いが大きいと思う。

〇時に集合は〇時までに集合だろう。仕事も〇時から開始なら〇時までに整え〇時からフル稼働が当然と思うが人による感覚の違いがある。

私がいた工場では8:30スタートなので8:30からフル稼働できるように現場の工長は30分から1時間ほど前に出勤し先に暖機運転をして8:30からフル稼働できるようにしていた。

先ほど今の勤務先より、

「渋滞による遅刻について、今後は通常出勤扱い(遅刻扱いとしない)とすることが決定されました。」

という通達があった。信じられない、これだと8:30スタートなら8:30ぎりぎりに出勤すれば良いことになってしまう。遅刻したら“渋滞でした”と。8:30からフル稼働の考えはなく、可動率も気にしなくなる考えだ。

昨今の仕事の姿勢は甘えすぎると思う。

やっぱり常識の差が一番厄介だ!

やっぱり常識の差が一番厄介だと思う。常識の違いを理解するのが一番難しい。

前回で書いた「元々の考えのギャップの影響が大きい」でも書いたように

常識の差は、本人も気づきにくく、また他人も気づきにくい。

トヨタ生産方式の展開されたトヨタの生調室の銀屋洋さんの講演会でも、最初に話し出したのが常識の差についてだ。

私もこの常識の差が色々な問題を起こす原因だと思い、昇格試験で新規サプライヤーとの常識の差をテーマで出したが、玉砕した。説明の仕方が悪かったのか、そもそもテーマ自体がその会社の昇格試験の内容に適していなかったのか。

中学生以降に学ぶ学問については、教科書があり、正しい、間違いなどきちっと答えを出してくれるが、それ以前に培った常識は人それぞれ内面に持ってしまう。

多少常識の差があることを気づくこともあるが、それが業務に多大な影響を与えると思わずなぁーなぁーで済ましてしまうだろう。

妻の職場におにぎりちゃんと呼ばれる若い社員がいる。

 ・業務中におにぎりをパクパク食べる。

 ・上司が業務の目を見てマンツーマンで説明をしている最中に、お菓子をポリポリ。

 ・立ちカウンター越しにお客様を接客しているが、椅子の上で正座している。客先からは立っているように見える。

など、あるがこの場合は明らかにおかしいので指導ができる。おまけにこの方は素直で吸収力もあるのでどんどん成長している。

早いうちにしっかり教育すれば良い社員になると思うが、それを放置してしまうと後で修正が難しいだろう。

銀屋洋さんの講演会 その1

トヨタ生産方式の直系の銀屋 洋さんの講演会の内容 その1です。

入社数年の時にトヨタ自動車の銀屋洋さんが会社にてトヨタ生産方式について講演会をしていただいたことがあります。

かなり前なのですが、自分としても大変勉強になったので、うすらぼけながら内容を書いていきます。

当時は銀屋主査だったと思いますが、後にトヨタ自動車の役員になっています。

銀屋さんの指導の下、その会社で指導を受けている人が沢山いましたが、

「銀屋さんはとても怖い人。」と言っていました。

ただし、「役者でもある。物作りで良いことをすれば、とても喜んでくれる。涙を流して喜んでくれたことがある。」

とのことです。物作りで感激して涙を流すなんて考えられないが、流したらしい。

いつもは厳しい方が、喜んでもらえればやりがいがありますな。惚れてしまいますな。

銀屋さんは、トヨタ生産方式を生んだ大野耐一の一番弟子の鈴村喜久雄から直接指導受けた方です。

その銀屋さんが指導された方が、林南八さんや坂巻さんです。

現役の方からしたら、林さんや坂巻さんもとても恐ろしくて雲の上の方のようです。

10年ほど前に林南八さんの講演会に行ったことがありますが、

聴講者は名だたるトヨタ系各社の偉そうな方が沢山おり会場はぎっしりで立ち見状態でした。

遠い昔しの記憶を思い出しながら少し脚色が入りますが、講演会の内容に入ります。

まず最初に話したのは常識のギャップです。

アピールポイント

アピールを見つけた

中小企業の中からTPSを導入する中小企業診断士

コンサルタントは外からあーすれば良いこーすれば良い。または何々が悪いとか上から目線で言ってくる。

またトヨタも仕入先に対し同様に言うが、トヨタと直接取引している仕入先は人財もしっかり確保され体制もできているからトヨタの言うことは理解できるし対応もできる。

しかし、その下の仕入先やトヨタと付き合いのない中小企業は、受け皿もなく対応できない。理解も十分にできない。トヨタ用語が通じない。意味が理解できない。たとえ分かったとしてもそれを実行できる人財がいない。体制ができていない。

トヨタ生産方式の何が良いのか理解できないし、世間が良いと言っているので導入しようとしても推進する人がいない。

ダメダメである。

中小企業にトヨタ生産方式を導入するには中から導入しないとものにならない。

その中小企業のレベルに合った内容で導入しないと、見かけだけの導入になり継続できず、自分たちのノウハウとして残らない。導入しようとしただけで時間・工数の無駄である。さらに、導入に失敗したとなりトラウマとなりトヨタ生産方式を否定し今後の成長が無くなってしまう。

最悪である。

私のアピールポイントは、中小企業の中からそのレベルにあったトヨタ生産方式を導入してきたことだ。

2社の中小企業に入社しトヨタ生産方式を導入した。2社とも生産場所より在庫保管場所のスペースが多く付加価値を生んでいないもったいない工場の使い方をしていた。

その点を訴え、工程内の在庫低減に取り組んだ。

TPSかんばんの用途

①工程内かんばん
・工程内の仕掛けに使用
・ストアのかんばんが外れたら、先頭の工程に仕掛け情報として伝達
・段取りの実力がないラインでは、かんばんをロット形成して仕掛ける場合もある

②信号かんばん

・プレス・ダイキャスト・樹脂成型などのように1つのラインで多種類の品物を加工しており、段替えに若干時間がかかる工程、すなわちロット生産している工程の仕掛けに用いる
・ロットサイズとは信号かんばんが外れた時に1回仕掛ける量をいう
・基準数とは信号かんばんが外れてからストアに物が入るまでに、後工程が引き取り量で決まる

◎臨時かんばん
・通常時の生産分より多く生産が必要な時に使用し、生産及び運搬の指示をする
・必要がなくなったら回収すること

4、かんばんサイクルの見方
・工場間・会社間などの遠隔地の運搬は定時不定量運搬されています。このような時は納入先で外れたかんばんをその場で納入することは困難なので次回以降のいつ納入できるか取決めが必要になり、その取決めがかんばんサイクルです
・かんばんサイクルの見方

TPSかんばんの説明

1、かんばんの役割

①生産・運搬の指示情報

「何を」・「いつ」・「どれだけ」生産、運搬するかを情報伝達するもの

②目で見る管理の道具

1)造り過ぎのムダを抑える
・かんばんの付いていない物はないか
・かんばん情報で仕掛けをしているか
・かんばんの付いていない物は引き取らない
・動かない在庫はないか

→かんばんのルールが守られていいるか

2)工程の遅れ・進みを検知
・外れたかんばんの量が見えるようにする
・遅れたら小刻みな応援ができるようにする

③改善の道具
・かんばんを1枚減らしてみてトラブルが発生しないか確認する
・トラブルが発生したら原因を追究する
・トラブル原因の改善をする

TPS段取り時間短縮の活用

トヨタ生産方式(TPS)の段取り時間短縮の活用を書きます。

段取り改善が進んだら、段取り回数を増加させる

→ロットサイズ縮小

→平準化生産

→在庫低減

→ジャストインタイム

段取り時間短縮は工数低減するのではなく段取り回数を増加し、小ロット化を進めて変化に強いラインにすること

TPS段取り時間短縮のステップ4/4

引き続き、トヨタ生産方式(TPS)の段取り時間短縮のステップ別にか書きます。

ステップ4・・・外段取り時間の短縮

①4S(整理・整頓・清潔・清掃)の徹底

探すというムダな動作が発生するので、4Sを徹底しなければいけない

②運搬の工夫

よく使う物を近くに置いておく

ステップ5・・・段取り作業の標準化(要領書の作成)

①作業手順

作業の順番を要素作業単位で記入

②作業の急所を明示

作業の正否・安全・やり易くのポイントを記入

③物の置き場表示

置き場の表示は見やすく・置き易いようにする

段取り時間の目標ステップ

ステップ1・・・シングル段取り化(10分未満)

ステップ2・・・ワンタッチ段取り・ワンショット段取り化
(タクトタイム内)  (機械が1回打つ間)

ステップ3・・・無段取り化

TPS段取り時間短縮のステップ3/4

引き続き、トヨタ生産方式(TPS)の段取り時間短縮のステップ別にか書きます。

ステップ3・・・内段取り時間の短縮

①使用工具を減らす

・ボルトやナットのサイズを統一

・一つの工具に複数の機能を持たせる

②型・治具の共通化

・取付基準を合わせる

・外観寸法を合わせる

③締め付け具・固定方法の簡素化

・インパクトレンチやラチェットレンチの活用

・ボルトの締め・緩めは最小限にする

・ボルトの本数を減らす

・固定方法を長穴・ダルマ穴・U字溝などにする

④調整時間の短縮・排除

・再現性の確保

・基準を合わせる

・調整をしなくても良いように外段取りの精度向上

⑤作業分担化・平行作業化

・2人で作業を分担させる

・機械が作動中にできる作業は並行してやる

TPS段取り時間短縮のステップ2/4

引き続き、トヨタ生産方式(TPS)の段取り時間短縮のステップ別にか書きます。

ステップ2・・・内段取りの外段取り化

機械を止めなければならない時間をできるだけ短くする

※内段取りの考え方

内段取りは、型・治具・刃具等の最小限交換する物だけの入れ替えだけとする

※外段取りで行うべき主な作業例

◎治工具の準備

使用する順番に、取り易い位置に並べておく

◎部品・型・刃具の準備

機械側に置き、すぐに使える状態にしておく

◎治工具等の後片付け

後片付けは、段取り作業が終わってから実施

TPS段取り時間短縮のステップ1/4

トヨタ生産方式(TPS)の段取り時間短縮のステップ別にか書きます。

ステップ1・・・内段取り・外段取りの分離

手順1 現状の段取り時間をストップウォッチにより連続観察する

手順2 連続観察による現状把握から、機械を止めなければできない作業(内段取り)と機械を止めなくてもできる作業(外段取り)に層別する。

※現状把握と層別の注意事項

◎段取りに関わる作業内容を事前に調べておく

◎要素作業毎に時間を把握する

◎段取り作業の層別は、外段取りで出来る作業と思われても、改善をしなければやれない時は内段取りとする

◎内段取り・外段取りを区別したら、守らせる

段取り時間の層別

TPS段取り時間の考え方

トヨタ生産方式(TPS)の段取りの改善の進め方について述べます。

まずは段取り時間の考え方について、

段取り時間

→現時点で加工している部品の加工が終わった時から、次に生産する部品の型や刃具等を交換して、次の部品の良品1個ができるまでの時間。

段取り時間=内段取り時間 + 調整時間

段取り時間の内訳

①内段取り時間とは

・ラインや機械設備を止めなければできない作業

②調整時間とは

・型や刃具を交換した後に、製品の品質を確保する為に、高さ・深さ・幅・圧力等を調整する時間

③外段取り時間とは

・ラインや機械設備を止めなくてもできる作業

TPSの概論3/3

引き続きトヨタ生産方式(TPS)の概論です。

一般的な製造会社では、下図の様に、内示情報や需要予測を基に見込み生産を行っています。このような生産方式は、工場内の到る所に在庫を持たねばならず、ムダを隠し、結果として原価を押し上げることにつながっています。

生産のリードタイムが確定受注のリードタイムより長い

➡内示情報で生産計画を発行(見込み生産)

➡生産計画が受注と違う為、売れに対して
造りすぎる
欠品がおきる→計画通り造らない

➡各工程に在庫が発生し、ムダを隠す
(造りすぎのムダ)

生産のリードタイムを短縮しなければ、ムダは顕在化しない

TPSの基本的な考え方

TPSとはあらゆるムダを顕在化させ、そのムダを徹底的に排除することによる原価低減活動です。

管理の基盤造り(ムダの顕在化)

管理の基盤造りとして、TPSでは「目で見る管理」を推進してます。

目で見る管理
・作業指示の明確化
・仕事のやり方の明確化
・異常の明確化

生産の基盤造り(徹底したムダの排除)

一般的な生産方式の問題に対して、TPSでは生産のリードタイム短縮を目的とした「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産し運搬する」というジャストインタイムの思想を生産の基盤造りの柱としています。

またもう一つのはしらとして、自働化という思想があります。

そしてそれらを実現する為の前提条件として、生産の平準化を徹底的に行う必要があります。

TPSの概論2/3

引き続きトヨタ生産方式(TPS)の概論です。

ムダの考え方

ムダの定義

ムダの定義・・・「付加価値を高めないもの総て」

仕事の定義・・・「付加価値を高める作業」
(働き)

人についていえば  動きー働き=ムダ

ムダの種類

(1)造りすぎのムダ
(2)運搬のムダ
(3)加工そのもののムダ
(4)動作のムダ
(5)手持ちのムダ
(6)在庫のムダ
(7)不良品、手直しのムダ

この中の(1)~(3)は判りにくいムダであるが、これを見つける目を養うことが大切

造りすぎのムダ

ムダの中で最も悪いといわれているのは、「造りすぎのムダ」であります。
この造りすぎのムダはその工程の問題や他のムダを隠してしまい、また新たなムダを発生させる原因にもなるからです。

①造りすぎのムダの顕在化

深い川は水中のものが見えない

➡ムダが専門家でないと判らない

浅くすると水中のものが浮かび上がり外から見える

➡ムダが誰にも判る

②造りすぎによる発生するムダ(2次的ムダ)

・材料、部品の先食い
・電気、エアー、油などのエネルギーの浪費
・パレット、箱などの増加
・運搬車、リフトなどの増加
・作業者、管理などの増加

③造りすぎのムダの発生する理由

・機械故障、不良、欠勤等に対する安心賃
・負荷量のバラツキ
・誤った稼働率向上、見かけの能率向上
・ラインを止めたということが罪悪という考え方
・人が多い
・仕組みの悪さ

TPSの概論1/3

トヨタ生産方式(以下TPS)について書いていきます。

TPSの基本的な考え方は

原価低減の必要性

企業の発展には、適正な利益を上げることが必要です。
利益は一般に、「売価ー原価」の差であると言われてますが、この利益を上げる方法は、2つあります。一つは売値を上げる方法で、もう一つは、原価を下げる方法です。

<売価と原価>

〇 利益=売値 ー 原価

利益を増やすには
①売値を上げる・・・相場で決まる
②原価を下げる・・・造り方で決まる

× 売値=原価 + 利益

他社との価格競争に打ち勝っていくには、売値を上げる事は困難なことです。
このため、原価を下げる事で企業の利益を確保する事が重要です。

物の造り方と原価

原価の中には、同じものを造るのにどこの企業も同じだけかかる費用と、物の造り方によって差の出る費用があります。

この「造り方」によって発生する費用は従業員一人一人の知恵と努力によって下げることができます。

トヨタ生産方式の本質と進化(深化)8/8

前回の林 南八先生の教えの続きです。

トヨタ生産方式の本質と進化(深化)

ⅩⅢ.大野さん・鈴村さんに教わった真の人財育成の留意点

=知識を与える前に意識を植え付けろ=(大野語録)

・意識は1対1でしか伝わらない

鼠算式に増やすしかない

私たちの心構えは正に意識の問題 ⇒ 実務を通じ一つ一つ植え付ける

=管理とは何ぞや=

・Management=管理 と訳したことが間違い

=”のうりょく”という字を書いてみよ=

能力、 脳力、 悩力

・知識は脳のひだの間にある

・悩むとヒダが縮んで知恵が飛び出す

・優秀な部下を悩まして知識を引き出すのが仕事(大野語録)

=限界とか最適値は前提条件を固定した時に決まる=(大野語録)

・前提条件を覆す為に採用されていると心得よ!!

=マニュアル化・標準化を鵜呑みしたまま使わせていないか=

=マニュアル化してあると、すぐにマスターするが、すぐに忘れる=

・悩み抜いたところでマニュアルを解説

=最近の若い者は指示待ち族でいかん?=

=任せるということは=

=フォローと督促は違う=

・どうなっている? どうなっている?
・課題を与えた瞬間から己も考える謙虚さが大切
・ありがとう(感謝)

=モノづくりも課題の与え方も1個流しが原則=

ⅩⅣ.日本のモノづくりの強さを支えてきたのは 強い現場

モノ造りは人造り!!

常に現場へ出て問題点を顕在化し、具体的な課題を与え
確実にフォローすることが何より大切!!

①お客様第一主義

②現地、現物で日々改善しつづける

③技術革新、オンリーワン技術の確立

今 求められていることは、真の”人財育成”

トヨタ生産方式:稼働率と可動率

稼働率とトヨタ生産方式の可動率(べきどうりつ)

について説明します。稼働率も可動率も生産の効率を表す指標です。

まず稼働率ですが、

「定時の稼働時間に対して、必要生産量を造ったのに費やした時間の割合」のことを指します。需要からくる負荷の割合を表すと言ってもよいでしょう。

例えば、定時でフル操業した時に最大100台を造れる生産ラインがあると仮定します。

この時、もし受注が60台しかなかった場合は、100台造れるのに60台しか造る必要がないので、稼働率は、60台/100台で、60%となります。

一方で、もし受注が120台あったとすると、生産必要量は、定時フル操業の能力の100台を超えていますので、残業や休出操業等の対応をしなければいけません。

従って、稼働率は、120台/100台で、120%になります。

つまり100%を超えることがあります。効率を表す指標ですが、ムダがわからないです。

しかし可動率は、

サイクルタイムより可動時間を算出し、実際に動かした実稼働時間を割った割合である。

可動時間=サイクルタイム×良品数

可動率=可動時間÷実稼働時間

この可動率だと100%を超えることはなく、100%との差がロスになり異常があったと認識し改善するポイントになります。

なお、実稼働時間には、不良を作った時間、故障で止まった時間、スタートアップ時間および作業スピードの遅れが含まれています。

トヨタ生産方式:異常管理

トヨタ生産方式は異常管理

とも言われている。

これは異常な状態を常に顕在化させ、直ちに正常に戻すことであるが、これが奥が深い。
まず、異常な状態を認識するために正常な状態を定義する必要があり、正常な状態から外れたら異常と位置付けられる。

では正常な状態として定義させるために決める項目の例として

1)各工程の在庫(標準手持ち)のMINとMAXを決める

2)各工程のサイクルタイムを決める

3)置き場を決める

4)各メーターのMINとMAXを決める

などがあるますが、今回は1)各工程の在庫のMINとMAXを決める を説明します。


製品出荷場と仕入先から調達する資材置き場には在庫があるのは誰でも認識しているが、各工程においてもその工程の完成品および工程に投入する材料・素材のが存在し、ストアと呼ばれるところに置くが、そこにMIN在庫とMAX在庫を決め、MAX在庫以上は置けれないようにする。つまりその工程は異常となり止まる。またMIN在庫を下回ったら異常となり応援が必要となり異常処置が施される。

MAX在庫以上を置けれないようにするには、ストアはMAX在庫の数だけのスペース(高さ・幅・長さ)にする。MIN在庫、MAX在庫ともそこから外れたら、異常となり異常を知らせる仕組みが必要となる。簡単なのがアンドンである。

標準手持ちは在庫とするのは少し違和感があるが、各工程内の場合は例えば1工程目と2工程目の間のどうしても仕掛として持つ在庫数を標準手持ちと言う。

この各工程の在庫のMINとMAXを決めるだけでも各工程でMAX在庫を決めるのでとても大変である。特に生産量が変動し在庫の基準が変わる場合は都度変更が必要である。

在庫のMINとMAXの決め方と顕在化については工程ごとに異なるので別途記述します。

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トヨタ生産方式:7つのムダ

前回に続いてトヨタ生産方式について書きます。

トヨタ生産方式の定義するムダは7つある


1)加工のムダ
2)在庫のムダ
3)造りすぎのムダ
4)手待ちのムダ
5)動作のムダ
6)運搬のムダ
7)不良・手直しのムダ

一つ一つ説明するととても長くなるので、

この中でも特に問題としている「造りすぎのムダ」であり、関係の濃い「在庫のムダ」について今回は書きます。

在庫は資産が多くなるなど資金的な問題が言われるが、それ以上に問題を隠してしまう問題が大きい。

生産上の問題。資材品の発注の問題。そして最も悪いのが売れないのを作ってしまう問題である。

生産上の問題では在庫が多いために色々な問題を隠してします。

あるラインが故障停止した時、直ぐに直さないと前後工程も停まってしまうが、保全の力があれば直ぐに再スタートとなるが、在庫が多いと保全の力が育たない。

在庫が多いと生産のスピードが遅れても、その場でわからず対処がその時にできず後の祭りになってしまい、問題が隠れてしまい解決できない。

在庫が多いと生産現場が安心してしまい作業者および監督者までが緊張感がなくなる。

在庫が多いと在庫の出し入れで工数をかけてしまう。

在庫が多いとスペースを多く使ってしまう。

在庫が多いと在庫の管理の手間がかかる。

など、在庫による問題が隠れてしまうのが最も問題だと思います。

しかし、在庫を削減するには簡単ではないです。カンバンなどの道具と仕組みを作って取り組まないと一端増えた在庫は減らないです。

中小企業の生産性向上及び財務体質改善には最も効果があります。

トヨタ生産方式について

今回はトヨタ生産方式

について書きます。

トヨタ生産方式は、在庫低減とかカンバン方式とか手法や道具が有名になっているが、目指すのはムダの徹底排除による原価低減である。

手法や道具が有名になっており、トヨタ生産方式の目指すところが勘違いされている感がある。

在庫低減は問題を顕在化するための手法であり、カンバンは遅れ進みを管理するための道具である。

またトヨタ生産方式の活動を通して人材育成を実施している。世間にはトヨタ生産方式を解説する書籍が多く出ているが、書籍だけではとてもトヨタ生産方式を習得することはできない。またセミナーも多数あるが実践しなければ習得はできない。なお実践する前に事前知識を得るには良いが、書籍だけではトヨタ生産方式を理解するのは困難である。

実践を通して、教えられるのではなく自ら考えて答えを出すのがトヨタ生産方式である。トヨタ生産方式を学ぶ会では「自主研究会」略して”自主研”という場を設けて皆でトヨタ生産方式を自ら考えさせて学ぶ会があり、そこで人材育成をしているのがトヨタ生産方式である。

とても、書籍やセミナーだけでは習得できない内容である。

まとめ

〇トヨタ生産方式の狙いはムダの徹底排除による原価低減

〇トヨタ生産方式の導入による人材育成